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プロローグ

「相手領域内のECM (電子妨害)及び、指向性電磁パルスシステム解除!」


 無限に広がる漆黒の空間に浮かぶ敵の無人中央司令船へのハッキング(正しくはクラッキング)を相手の領域に入るギリギリのコンマ五秒前に済ませ、通信用のマイクにそう叫んだ。


「了解。自機の照準補助及び不正アクセスの防止、モニタリングをよろしくお願いするわ」


 そう言って、俺にフラットに同時に三つの仕事を割り振る余裕まで見せ、彼女は冷静に返答した。


「作戦の概要を説明する。対象は二十四の時限起爆式戦略級兵器。これを残り十分以内に破壊すること。範囲は………っ!」

「……どうしたの?」


 いきなり無言になった俺に何かあったのかと心配したのか、範囲がわからなかった可能性を危惧したのか(恐らく後者)、彼女は心配した口調で話しかけてくる。


「……範囲は真正面百キロ先を中心に半径八十キロの球状になっている」

「………」


 俺は少し間を開けて、いつもよりゆっくりと、自分の動揺を落ち着かせるようにその続きを話した。

 さっきは冷静に返答していた彼女も流石にこれには動揺したようで暫く黙り込む。


「……できるか? 無理なら離脱もできるぞ」

「……いや、やる。やるしかない」


 そんな静かな状況を打破するための俺の問いかけを彼女は強気な口調で却下した。


「………そうか」

「………そうだよ」

「じゃあ、最短で全てを回れるルートを送る。敵のシステムは壊したから追っ手は来ないと思うが、用心しとけよ」

「了解」


 無駄に使ってしまった分の時間を取り戻すために、俺は早口でそう言った。そして最後にこう付け加えといた。


「死ぬなよ」

「それ死亡フラグみたいだからやめて……それにこの大戦が終わるまで死ねないわよ」

「すまん……」


 そう言って俺たちは任務達成のために俺はキーボードを叩く指を、彼女は機体の速度を加速させたーー。




 ーーそういえば、いつから世界はこのように変わってしまったのだろう?全てが変わってしまった第三次世界大戦が始まったあの日のことを静かに俺は思い返したーー。


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