現実の終わり世界の終わり
20XX年、雪の降りしきる冬。東京都渋谷。手を繋いでいる男女の二人組カップル(リア充)を睨み爪を噛みながらボソボソと呟く神威(赤石 神威19歳)はいつもの風景を見ていた。
「あー。今日もリア充共が見えていらっしゃる。痴話喧嘩起きねぇかな。男が違う女みねぇかな。あーあ暇だなぁ」
爪を噛みながら電気屋の前を通ると
『最近も物騒になりましたね。平和が掲げられてかなり年月が経つのに銃機器を使ったテロがあちこちで起きていますしね....』と電気屋の前で突っ立って聞いてると雪が突然パッと止んだ。チラチラと止むのではなく、空から雪雲が消えたのである。異変に気付いた神威は空を見上げる。空を見上げると、空に大きな穴が開いていた。明らかにおかしい。空に開いている穴はどんどん広がっている。カップル共は何かしらの演出だろうと心を踊らしている。どんどん広がる穴の周りから稲妻が出てきた。神威は自分のバイクが停めてある停留所まで走った。走っている途中に後ろを振り返ると同時に都市の明かりがすべて消えたのである。慌ててスマホの懐中電灯を付けて明かりを照らす。他の者も同様の動きをする。しかし、カップル共はこれも演出の何かだろうと思っているのだろうか、合わないカウントをしだす者が現れ始めた。おおよそ3分後に都市の明かりが元に戻った。空を見上げると、穴から光の光線が一直線に都市に向けて照射された。照射されたところから都市が陥没し始めた。人々はそれが以上であることに今気付いたらしく、今頃その場を離れる為逃げ出した。神威は停留所の近くに来ていた為すぐにバイクに乗ることが出来た。しかし、寒さの影響かエンジンがなかなかかからない。
「早く!早く!くそっ!エンジンがイカれたか!?」
何度もかけていたらようやくかかった。急いでバイクを走らせようとしたら、目の前にカップルが立っていた。
「そのバイクを俺にくれよ。死にたくねぇんだ」
「あんた、一人ぐらい、死んでも誰も悲しまないからさぁ」
なんてほざいているが無視して二人に突っ込んで走らせた。後ろから、「殺す気か!?」とか「バイク停めろ」とか聞こえるが知ったこっちゃねぇ。しばらく走って大きな道から山道へと進んだ。都市が見渡せるところに行って都市を見下ろした。見下ろした都市を目の当たりにした神威は声を上げた。
「な、なんじゃこりゃあ!?どうなってやがる。俺は夢でも見てるのか?」
目の前の都市は光線が照射したところから、半径1kmの範囲で陥没していた。上京した家が陥没した地域にあった為なくなっている。仕方なく、近場の宿をスマホで探しそこまでバイクを走らせた。宿に着いた神威は1泊を頼むと部屋に案内された。飯を食い風呂に入って状況を整理することにした。
「まず、空に穴が開いたな。科学でも証明できないな、あれは。次に、光の光線が照射したところから、半径1kmが陥没したな。.....なんなんだ?あれは。訳がわからん」
風呂から上がり部屋に戻ると、布団が敷いてあった為すぐに、床についた。翌朝、7時に目を覚まして飯の時間を確認した。
「ん、あぁ。飯は8時半からだな。暇だなぁ、テレビでも見るか」
テレビをつけると、どのチャンネルも昨日の陥没事件を取り上げていた。しかし、東京だけではなく北海道、愛知、兵庫、広島、福岡と大半の都市が壊滅状況らしい。
『昨日起きた妙な陥没事件。死者行方不明者多数、警察も機能していないこの状況我々は助け合うしかないのですね。』
『みたいですね。しかし、陥没事件と同時に昨日から確認されている人ではない物が確認中とのことです。
『人ではない物というと?』
『この写真をご覧ください。明らかに人ではないないですよね。これは、今朝5時過ぎに警察が撮った写真になります。これと似た物を近くの市民が見た、と言っています。』
『悪魔みたいな形をしていますね。恐ろしい。』
『警察もよくわかっていないので、おそらく友好的ではないでしょう。皆さんくれぐれも近づかないように』ブチッ
馬鹿馬鹿しくなったのでテレビを消した。
「人ではない物?嘘らしい。警察が機能してないのはわかるが、人ではない物はあり得ないな。時間は....おっ?いい時間じゃないか。暇潰しにはなったな」
飯の準備が済んでいるだろうから、客室から神威は部屋から出た。しかし、神威は知らない。テレビで言ってた事は本当であり、現にカーテンの向こうに張り付いていた悪魔のような化け物が存在していることに。飯を終えてお土産屋で木刀を買って脇差し風にして部屋に帰ると何故か、荷物が片付けてあった。
「あり?片付けていたっけ?まあ、いいや。ここの人が布団と一緒に片付けてくれたんだろ。......いや、今まで宿という宿を訪れたが、こんなのは。カーテンも開けていなかった筈なのに、開いている。聞いてくるか」
部屋を出て宿に人に会う為廊下に出た。早速、宿の人に聞いてみた。
「あの、すんません?」
「はい、なんでしょうか?」
「俺、じゃなくて僕の部屋を片付けてくださったんですか?」
「いいえ?誰か違う人だと思います。私がお客様のお部屋に参った時には既に。お客様自身ではないのですか?」
「いいえ、散らかったまま部屋を出たので僕ではないです」
「では、一体だれなんでしょうか?この階の担当は私一人ですので階を間違えて部屋を片付けたんでしょうk...」ゴトッ
「なんだ?いまの音。聞こえましたか?」
「はい、確かに。お客様のお部屋から聞こえました」
「ですよね。誰かいるんでしょうか?見てきます」
「いえ、階層担当の私もご一緒させていただきます」
宿の人と共に二人で部屋の扉を開けた。ゆっくりと、中にいるであろう、者にバレぬように。玄関で靴を脱ぎ、客室への襖に手をかけた。ゆっくりと襖をあけるとテレビでやっていた、悪魔のような化け物が片付けていた荷物を荒らしていた。息を飲む二人。向こうはこちらにバレていない。襖をすべてゆっくり開け物音を起こさずに獲物を捕らえ、脇差しの木刀を抜き取った。木刀を振りかぶり相手に向けて振り下ろした。微かな殺気に気付かれ、寸でのところで避けられた。一定の距離をお互いに取り暴れまわった。向こうがすばしっこい為自分なりの必殺技の構えをとった。正面から突っ込む化け物に対しサッと後ろに回った。そして決着の刻、
「木刀だが、イメージ通りになれ‼️必殺!龍ノ業―斬―」
見事にクリーンヒットして、胴体が真っ二つに切れた。以外に脆かった。暴れまわった音を聞いたのか女将が部屋に現れた。
「何事ですか、お客様....きゃあああああ」
「ハァ..ハァ..あ、女将ですか?警察に電話してれます?一大事なんで」
女将は目の当たりにしている光景に目を反らしすぐに警察へと電話を掛けた。2時間後警察が、到着し事のすべてを神威と同伴した宿したの人が話した。事情聴取だけで済んだが、神威には、嫌な予感が残ったままだった。バイクの燃料はまだありそうなので荷物の片付けを再度済ませ宿を出ていった。「行ってらっしゃいませ」ではなく、「助けていただきありがとうございます」という言葉で見送られた。神威はこの世界が崩壊したなかで唯一信じれるのは情報だと思った。情報は何事にも大事だと、心に強く刻み込んだ。
最初の小説ですが、温かい目でご覧ください。
連載を予定しています。もし、気になる方は心を広くしてお待ちください