その手に握られるてるものはなにか
作者の枢木戦神です。自分はこの作品を書くのが初めてなので生暖かい目でご覧ください。
ある夏の日の事だった。和馬を置いて両親と妹は旅行に行った。
いつも騒がしい家の中が和馬一人のせいかとても静かだった。和馬は自分で料理が作れないので、お湯を沸かしてカップラーメンを作った。椅子に座って麺をすする。安定の美味しさだった。
そして次の日。制服を来て、パンを咥えながらテレビに電源をつけてテレビに目を移す。すると画面に映るニュースキャスターが喋り出す。
「新幹線が線路から脱線して新幹線と新幹線が衝突するという事故が起きました。死者はおよそ80名、怪我人はおよそ94名との事です。」
テレビから目を逸らし、パンを一口食べて牛乳を飲む。
すると、電話が鳴る。
「…………?」
なんだろう、と思い電話に出る。
「もしもし?」
「もしもし、火鳥和馬さんのお宅でしょうか?」
電話から聞こえてきたのは若い男性の声だった。だがその声は和馬は聞き覚えが無く、迷惑電話かと思ったが自分の名前を言っている事から迷惑電話ではないだろうと思った。
「はい、そうですけど……どなたですか?」
「警察の者です……」
警察と聞いて何故だか嫌な予感がした。
「新幹線の事故が起きているのは知っているとは思います」
「はい、丁度のニュースでやっていますからー」
「誠に残念ながら…………」
和馬の言葉を遮って言ったその言葉の先は聞かなくても分かった。
思わず受話器を床に落とす。
頭の中が何も考えられなくなる。
「そう………ですか」
つい昨日まで話していた両親や、妹と二度と会えない。そう考えると涙が止まらなくなる。
いつの間にか電話は切れていた。そして五分ほど経って泣きやんだ。
鞄を持ち、なんとか中学校に行く。あの事故により自分の両親と妹が死んでしまった事は出回ってないものの、事故は話題になっていた。
そして授業の時間になるものの、和馬は全く集中出来なかった。ボッーと外を見ているだけだった。
そして現在、高校生。昼休み。弁当を食べる為に和馬は階段を登り屋上に上がる。
ドアを開けるとキィィと音を立ててドアが開く。
屋上には誰もいない。ただ静けさだけが和馬を迎える。
「さてさて!今日の弁当は!?」
そして蓋を開けるとそこには唐揚げと卵焼きとミートボール、ミニトマト
という普通の内容の弁当なのだが、唐揚げは妙に焦げ、卵焼きは明らかに崩れている。
「ま、まあ……明菜も明菜なりに頑張ったんだよな?多分…」
苦笑いしながらそう呟く。
「んじゃ、いただきます!」
箸で唐揚げを口に運ぶ。噛んだ瞬間になんとも言えない味が口に広がる。
唐揚げの味が濃い。が、こんな事は日常茶飯事。基本和馬も義妹の明菜も料理は基本下手である。
幾分か明菜の方が上手いのだが、どっちも下手な事には変わりは無い。
「まあ、いつも通りの味だな、可もなく不可もなくって言ったところか」
すると和馬の目の前に本が落ちてくる。
「本?」
本に近寄って拾い上げる。題名は「異世界へのご案内」
「異・世・界?へのご案内?」
気になったので一ページめくって見る。そこには訳の分からない文字が並んでいた。だが、一部だけ読める部分があった。
「ミスティリア……?」
すると和馬の下に魔法陣が発生する。
「魔法陣?ああ……アニメを見すぎてついに幻がーー」
穴のようなものが開き、和馬の体は急降下する。
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!???」
急降下するのと同時にブレスレットのようなものが右腕に着く
ブレスレットの真ん中には蒼い宝石のようなものが付いており、透き通っている。
「なんだこのブレスレット………ってんな事言ってる場合じゃねぇーー!!!!」
和馬の体は止まることなく落ちていく。
しばらくすると下に街のような物が見える。
(あ……俺死んだわ………)
さて、皆さんどうでしたどうでしょうか?自分としては失敗した感が半端ないです。