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街灯の微かな灯りのなか、私は人を待っていた。待ち合わせ時間は五分前に過ぎている。
そろそろ秋も終わるのだろう、七分袖では肌寒い。
壁にもたれて待っていると、ふと他人の気配を感じた。
「遅刻癖は直ってないのね」
「待たせたか?悪いな、θ《シータ》」
ごく平凡な……いや、むしろ親しみやすい顔立ちの男だが、その瞳は「親しみ」など感じさせないほどに鋭いままだ。
最後に会ったのはたしか三年前の真冬。
雪で視界が悪い中の任務だった。
街灯の微かな灯りのなか、私は人を待っていた。待ち合わせ時間は五分前に過ぎている。
そろそろ秋も終わるのだろう、七分袖では肌寒い。
壁にもたれて待っていると、ふと他人の気配を感じた。
「遅刻癖は直ってないのね」
「待たせたか?悪いな、θ《シータ》」
ごく平凡な……いや、むしろ親しみやすい顔立ちの男だが、その瞳は「親しみ」など感じさせないほどに鋭いままだ。
最後に会ったのはたしか三年前の真冬。
雪で視界が悪い中の任務だった。
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