短気な6連射銃について。
「はい、亜梨沙。いったん休憩しよう?君は疲れてないかもだけどね、メーター、結構下がってるぞ。」
「ああ、そうだね。けど、燃料入れたらすぐに出発するから。」
「えええっ!?」
僕は「亜梨沙」という戦争用アンドロイド。一応、14年生きている。そして、今の驚きと悲しみと怒りの混じった奇声を上げたのは、バタフライナイフの「ピスタチオ」。まだあと他に「プラリネ」という6連射銃がいる。
「ああ、やっぱり何か食べるよ。意外にも・・・もう1時じゃないか。」
「こういう生活してると体内時計とか狂うんだね。お腹とか空かないのかい?」
「その質問、何回も答えたよ・・・。僕は、アンドロイドなの!」
「はいはい、ごめんなさい。」
ピスタチオがわざとらしく謝った。
あと少しで街に着くようだ。とても大きな街だ・・・。ああいうの、嫌いなんだよな。みんなキャピキャピしてるもん。
「じゃあさ、ピスタチオ。君はなんで喋って、弾丸を発射するんだい?」
僕がふざけて言ってみると、
「ふん、その質問、何回も答えた!・・・・・くっ、はははははは!」
僕もピスタチオも、おかしくなって笑い合った。僕の「逃亡」は、ピスタチオがいるから成立するんだ。たわいもない話で、しょっちゅう笑い合っている。笑わなくても生きていけるけど。
「はははは、ハッ!」
「ど、どうしたの?ピスタチ・・・うわぁっ!」
僕らは(僕は)ビックリしすぎてその場に立ち止まった。そう・・・。僕の背中の、
「プ、プラリネっ・・・。ごめんな、うん、ごめん!許してっ!ほんとごめんーーーーっ!」
ピスタチオが「バタフライナイフが出すとは思えないような叫び」を上げる。
「そ、そうだよ!プラリネ!そんなにメーターを上げてこっちを見なくても」
「許さん」
ダダッダダダダーン!!
「うわぁっ!」
「のわっ!」
このいきなり発砲したヤツが、6連射銃の「プラリネ」。プラリネの弾丸は、2発僕をかすめて、4発は谷の岩肌にぶち当たった。・・・が、弾丸をよけようと無理に仰け反った僕の体は、「曲げ過ぎブザー」が鳴ってしまった。
「プラリネ・・・。ごめん、ごめんよ。もう・・・メーター下げて!」
「あんたら・・・。この私を差し置いてなに笑い合ってんのかなぁ?ええ、ええ。今回は、許してあげるわ。次は許さないんだから・・・。分かったわね!?」
「はい!はい!すみませんでしたッ!!」
僕らは口を揃えて言う。恐・・・。
「それと亜梨沙。そろそろ、あなたも考えなさい。私を使いなさいよ。そんなピスタチオみたいな小さな弾丸じゃああなたの体が持たないわ。」
「ああ、分かってるよ。んだって、君は重くて、いきなり戦う時は不便なんだよ。それに、いつも寝てるから起こしていいのか分かんないんだよ。」
しかも、すぐ怒るし。・・・なんて言えない。
「ああ、そう?まっ、あなたがどうなっても知らないけど?おやすみ。」
「亜梨沙。やっぱりプラリネは使った方がいいよ。俺じゃぁ・・・、亜梨沙は守れないよ。プラリネの言う通りだ。」
こんにちは。
プラリネを出しました。
ピスタチオが、やけに悲しそうだという連想はしてはいけませぬ。