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カウントダウン開始
もしも、あなたの命があと1カ月だとしたら。
そして、そのことは絶対に変えられないとしたら。
あなたは残りの1カ月、どう過ごしますか──
「好きです。付き合ってください」
「……はい?」
「好きです。桐沢真生さん、あなたが」
ここは、学校の告白スポット、体育館下ではない。
そして、告白をここですれば最低半年は続くという噂がある公園でもない。
周りに人はいない。
私の家の前である。
「わざわざ家まで」
「夏休みなので」
「クラスメイトなんだから学校で言えばよかったのに」
「1年間悩み続け、やっと勇気がでました」
……1年間、か。
「ところで、私はまだあなたの名前を聞いていませんが」
「クラスメイトだぞ。覚えてないのか」
「覚えていません」
「きっぱり言うな。さすがだ」
なにがさすがなのかわからない。だいたい、予想はできるが。
「俺の名前は──……」
「山崎遼。私と同じ2年5組。出席番号は1番最後の40番」
「覚えてないんじゃなかったのか?」
「信じていたんですか」
嘘に決まっているのに。
「それにしても詳しいな」
「好きだから、って言ったら信じますか?」