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ー【第2項】ストレスが消えて餓死すると思われたフワリだったが、マシロの「好きすぎて辛い」という激甘な恋の悩みを主食にしてピンク色の巨大球体へと進化を遂げた

第2項 ストレスが消えて餓死すると思われたフワリだったが、マシロの「好きすぎて辛い」という激甘な恋の悩みを主食にしてピンク色の巨大球体へと進化を遂げた


 放課後。いつものようにマシロが俺の部屋にやってきた。

 俺の悩み、それはフワリのことだった。

 フワリは「負の感情」や「ストレス」を餌にする精霊だ。

 マシロとの関係が良好になり、父親との和解も果たした今、俺たちのストレスは激減している。

 このままではフワリが餓死してしまうのではないか?

 そんな心配をしていたのだが――。

「カズマくん、カズマくんっ!」

 マシロが玄関を入るなり、俺の背中に飛びついてくる。

「学校で話せないの辛すぎ。一分一秒でも離れてると禁断症状が出るの。ねえ、私のこと好き? どれくらい好き? 私は宇宙一好き!」

 全開のデレ。糖度三〇〇〇パーセントの甘えん坊将軍である。

 俺が「はいはい」とあしらっていると、俺の肩にフワリが現れた。

 だが、その姿は以前とは別物だった。

 かつては白く儚い綿毛のようだったフワリが、今は毒々しいほどのショッキングピンク色に染まり、バレーボールくらいの大きさに膨れ上がっていたのだ。

 しかも、重い。

 フワリはマシロの頭上に浮かぶと、彼女から立ち上るピンク色のオーラを掃除機のように吸い込んだ。

 そのオーラの正体は、「恋の悩み」だ。

 『好きすぎて胸が苦しい』『もっと触れたいのに恥ずかしい』『彼が他の女子と話してるとモヤモヤする』

 そんな、贅沢で甘ったるい「幸せな苦しみ」。

 フワリにとって、それは極上のデザートらしい。

『――受信。対象、恋愛依存度SS。糖分過多。推奨、塩分補給』

 フワリがゲップをしながら、俺の脳内にメッセージを送ってくる。

 どうやらこいつは、以前よりも健康そうに、そして丸々と太ってしまったようだ。

 俺たちの平穏な生活は、このピンク色の毛玉によって支えられている。

 マシロが俺の腕に頬擦りをするたび、フワリがまた一回り大きくなるのを見て、俺は苦笑するしかなかった。

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