第六十一話 シブヤ地下ネットでの出会い→榊友斗視点→現在→シブヤ・ジャンクション郊外
カクヨムで2話先行公開をしています。マロン64で調べれば出ますので早く読みたい方はそちらでお読みください。
この話を持って、不定期更新とします。ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
その日の朝から事態は慌ただしく進展し始める。
ハイスクール・シブヤ・エデュケーターに昨夜起きた事件を説明し、暫く休学することを説明した。
ジャンブル爺は渋っていたが、エデュケーター・エミリアの説得によって、八人の休学は認められた。
クラスメイト達は驚いていたが事態を説明すると、俺たちを応援してくれたんだ。
友斗、死ぬなよ!
友斗様ならやってくれる!
レオ君、気を付けてね。
優太君とブライも気を付けてね。
カスミやルナにショウとユノも気を付けろよ!
「おう! 俺たちは、無事戻ってくる!」
俺は虚勢を張って、力強く片腕を挙げる。クラスメイト達は喜んでくれた。
何故か、エデュケーター・クラヴィスも見送りに来ていた。
「榊友斗。行政AIのサーバーは地下にあります。まあどこの組織を頼るかは予想がつきますが、気を付けなさい。地下には門番がいますから」
「へっ。まあ素直に忠告を受け取っておくぜ」
エデュケーター・クラヴィスはそれだけ言って、少し神妙な顔つきになっていた。
あいつも何か知ってるのかもな。
ショウはホログラム端末でどこかに連絡を入れていた。
「ええ。……はい。今回は僕の権限で友斗君たちを連れていきます。はい。絶対死なせません」
ショウの権限も気になるな。
まあ後で説明してくれるだろう。
皆が食料やシブヤ地下ネット”スカジャン“に向かう準備を整えたところで、エデュケーター・エミリアが俺たちに声をかける。
今回のメンバーはエミリア、俺、カスミ、ルナ、ショウ、ユノ、レオ、青井ユウタとブライ、アカリだ。
「今回はこの九人でシブヤ地下ネットを経由して行政AIに立ち向かう。強制じゃない。いやなら断ってもいい」
「まあ俺は行くしかないからな」
『私も友斗さんに微力ながら協力します』
エミリアの言葉に友斗とリミナが言葉を返す。
「私も行く。友斗のために」
「わたくしも勿論行きますわ。友斗もショウも心配ですもの」
「ユノも役に立つ、であります」
カスミは瞳を大きくして、力強い光が目に宿っていた。
ルナとユノは少し不安そうではあるもの、負けないという気力を感じられた。
「俺様は友斗や皆に恩がある」
『レオ様を助けてくれた恩を返すために私、ラピスも頑張ります』
レオと実体化したラピスは蒼い光を放ちながら決意を見せる。
「俺は正直怖いよ。でもここで逃げたら後悔する」
「拙者も同じ意見でござる。AIではありますが――やるときはやるでござる」
青井ユウタとブライは初遠征で不安そうではあるものの、俺のためについてきてくれる。
みんな……ありがとな。
友斗は、仲間たちを見回す。
カスミ、ルナ、ショウ、ユノ、レオ、青井ユウタ、ブライ。
みんな、俺のために戦ってくれる。
俺も、みんなを守らないとな。
「ならば、向かうぞ。シブヤ・ジャンクション郊外の地下メトロからシブヤ地下ネット”スカジャン”に接触する」
歩きで向かうと時間がかかるので大型のエアカーを使う。
そうだ。久しぶりにハチポチ号も呼ぶか。
俺はエアカーを呼んでいる間にハチポチ号を呼ぶ。
青色の光を明滅させながら、クラクションを鳴らして俺の所に来るハチポチ号。
ホバー型のスクーターを唸らせ、俺になんでここまで放置したのか、と抗議しているようだ。
「ごめんな。ちょっと立て込んでてな。でもお前と会えて嬉しいぜ、ハチポチ号」
嬉しそうな顔文字を見せるハチポチ号はやっぱりかわいい。
準備ができたという事で、ハチポチ号は手で抱えて、大型のエアカーに乗り込み、シブヤ・ジャンクション郊外へと向かった。
**
「着いたか。地下メトロの入り口に」
俺たちは朝日に照らされる廃墟のようになったビル街に来ていた。
所々に割れた窓ガラスが散乱し、浮浪者やスカジャンを着た若者がこちらを鋭い目つきで見張っている。
ビル街の中に住んでいる人もいるようで、俺たちはホログラム端末のカメラを向けられているようだ。
あれって……SNSで話題の奴じゃないか?
どれどれ、榊友斗だよ!
隣には秋月レオもいるぞ。
この前榊友斗と一緒にデートしてた美少女もいるわ!
どうやら、俺はかなり有名になったみたいだな。
ちょっと嬉しいけど今はそこまで応対する気分になれねえ。
控えめに手を振ってくるので、会釈だけしておいた。
「それで、ショウの持ってる権限ってのは何なんだ?」
「まず、僕の就いている職業から明かさなきゃね」
「ただの学生じゃないのか?」
友斗とショウとエミリアが重要な話を始める。
「僕は――公安監査室のコードネームS。任務は友斗君、君の監視だよ」
その瞬間、空気が凍りついた。
「え……」
友斗は言葉を失う。
カスミが目を見開く。
ルナが息を呑む。
レオが拳を握る。
「ショウ……お前、まさか……」
友斗は、ショウを見つめる。
ショウは、申し訳なさそうな顔をしていた。
「刑事みたいなもんか?」
「まあ、似たようなものだね。ただ、僕らは主にAI関連の事件を扱うんだ」
「それを俺に言ってしまってもいいのか?」
「もう、君は危険な思想の持ち主ではないとわかっているからいいんだ。公安監査室の仕事は多岐にわたるけど……仕事の一つに行政AIの監視と捜査という仕事もある」
「つまり?」
「今回はエミリア含めて捜査を皆に協力してもらうっていう形を取ろうと思うよ」
「そんなことは可能なのか?」
「元々行政AIの暴走には公安監査室も手を焼いていたんだ。だからいい機会なんだよ」
皆は納得した表情を浮かべていた。
そうやって話をしていると、地下メトロから人影が現れる。
スーツ姿の男AI――スコープだ。
友斗が以前、レオを助ける際に最終的に共闘したAI。
「あ、スコープじゃん! 後ろの三人は?」
スコープの後ろには、三人の人物がいた。
半身サイボーグの大男。
白いワンピースを着た少女AI。
そして、緑髪の中性的な少年――
「ど、どうも。朝霧レンです」
友斗は驚く。
「よう、榊友斗とショウたち。知らない二人もいるが……まあいい」
「ど、どうも。朝霧レンです」
「え? 行方不明だった朝霧レン?」
カスミが思わず、驚きの声を出す。
「ミレだよ~! 友斗兄ちゃんに、ショウ兄ちゃん! お久しぶり!」
「おう、久しぶり~!」
友斗は嬉しそうに手を振る。
「うう、あの時、ハッキングできなかった少女ですか」
ショウは、ミレの顔を見て苦い顔をする。
そういえば、ショウは以前ミレをハッキングしようとして、失敗したんだっけ?
友斗は思い出す。
ミレには、特殊な防御プログラムがあるらしい。
「はっはっは。若いもんはいいなあ。俺はガンダだぜ」
「え? 昔、俺がネオセントリック教団に連れ去られそうになってた時に助けてくれた人に似てる!」
「お前さんは榊友斗だな? 確かにお前さんを助けたのは俺だぞ」
友斗の発言に嬉しそうにするガンダ。
「マジか! ガンダ、かっけえ!」
「ガンダおじさん、やる~!」
「ミレ? おじさん、じゃねえ!」
友斗達と朝霧レン達が出会う時、未来への歯車が動き出す。
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