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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
クラス別対抗戦開始!

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第五十四話 勝利の余韻と他のクラスの結果→エデュケータ―・クラヴィス視点→榊友斗視点→現在→体育館フィールド

「ふむ。負けてしまいましたか」

 エデュケーター・クラヴィスは顎髭あごひげをさすりながら悲しそうに呟く。


 控室で見守っていた九条リクトや神無ヒバリも少し放心状態だ。

 他のクラスメイト達も友斗の圧倒的な強さに驚いていた。


 エリートクラスの僕達がA07クラスに負けるなんて。

 ナチュラル・ハッキングずるすぎだろ!

 リンクフィールドじゃ負けないんじゃないか? あの能力。

 でも勝負の後ぶっ倒れてたから、脳にダメージが入ってるんじゃないかな。


 エデュケーター・クラヴィスは考察する。今回は秩序と自由の”自由”が勝ちましたが、あのナチュラル・ハッキングは榊友斗を潰してしまう恐れがある。


 だから賞品には手を回しておいた。友斗が脳内に負担をかけすぎない物でかつ、友斗の助けになるものを。


 エデュケーター・クラヴィスは誰にも聞こえない声で呟いた。

「君の勝ちは予想していたよ。榊友斗。だが自由過ぎる君には縛りが必要だ」


 エデュケーター・クラヴィスは行政AI側のエデュケーターだが、別にエデュケーター・エミリアと榊友斗と敵対したいわけではない。


 入学当時からクラヴィスは榊友斗に注目していたため、もはや親のような感情も抱いている。いつも倒れるまで能力を使ってしまう榊友斗を心配しているのだ。

「エデュケーター・エミリアには誤解を解いてもらいたいところですが……」


 だが――クラヴィスは自分の罪を忘れてはいない。

 動画を編集して流し、世論を誘導したこと。

 一度とはいえ、ネオセントリック教団を手引きしたこと。


 あれは......秩序のためだと思っていた。


 だが今は分からない。

 自分がやったことは、本当に正しかったのか。


 これがバレれば糾弾されることは間違いないだろう。

 それでも――友斗には、自由に生きてほしい。

「榊友斗、君には期待しているよ」


 そんなことを誰にも聞こえない声で呟いていた。


 控室に笠木カイと葉山レクトが入ってくる。他のクラスメイト達も観客席から戻ってきた。


「カイとレクト、見事なリンクバトルでした」


 悔しそうにする笠木カイとそれを慰める葉山レクト。

 クラスメイト達も思い思いに声をかけていた。

「僕も負けていますからね。二人に文句は言えません」

「ん。私が出ても負けてたくらいには榊友斗は強かった」


 九条リクトと神無ヒバリが二人に声をかける。それほど榊友斗の戦術は衝撃的だった。

「まさかナビAIにナチュラル・ハッキングを仕掛けてくるとは思いませんでしたよ」


「ん。本当にそれ」

「結果論で言えば一v一に榊友斗を引きずり出せなかったのが敗因かもしれませんね」


 エデュケーター・クラヴィスと神無ヒバリが口々に話す。

 

(私からの賞品、喜んでくれますかね?)

 そんなことをエデュケーター・クラヴィスは考えていた。



 ** 榊友斗視点

 


「友斗、馬鹿!」

「カスミ、そんな怒んなって」

「友斗は体、いつもボロボロにしてる! 首輪をつけたいくらい」

「え?」


 カスミが不穏なことを口走る。友斗は戦闘中の時よりも圧を感じていた。


「友斗、次倒れたら、首輪付けていいよね?」

「嫌だけど⁉」

「親御さん呼ぶ」

「それも嫌‼」


 カスミは少しずつ目をウルウルし始める。

 友斗はおろおろするが、体がまだいう事を聞かない。


 友斗の胸に顔を埋めながら、カスミは震える声で続ける。


「私ね、友斗が倒れるの見る度、怖いの。もし、もう目を覚まさなかったらって……。それにクラスメイトのためにいつも無茶してる」


 その言葉に、友斗は何も言えなくなる。

 カスミの涙が、友斗のシャツを濡らしていく。


 ……俺はカスミをこんなに心配させてたのか。


「そ、そんなことないぞ。俺はもっと自己中心的で……」

「だったらもう無理しないって言って! 次無理したら首輪付けるって言って!」

「それはなんか違くないか⁉」


 友斗のツッコミに動じないカスミ。

「友斗、俺様も今回はお前が悪いと思うぞ」

「友斗君、素直に首輪付けられた方がいいよ」


「友斗は何で毎回あんなに無茶するんですの!」

「ユノも、止めなかったことを怒られた、であります」

「馬鹿友斗! クラス別対抗戦であんなに無理をする必要があったのか聞かせてもらおうか」


 レオ、ショウ、ルナ、ユノ、そしてカンカンになったエミリアが入ってくる。

 他のクラスメイト達も空気を読んで静かにしていたが一人が待ったをかける。


「まあまあ、友斗はクラスの勝利のためにこんなに体を張ってくれたんだぜ? それを責めるのは違うんじゃないか?」


 この発言をしたのは青井ユウタだ。

 オレンジ髪に友斗と同じくらい長身でガタイがいい、クラスのムードメーカー。


「そうそう。友斗の気持ちも分かってやれよ」

 ユウタはカスミの肩を叩く。


「そうでござる。カスミ殿も落ち着くでござる」

 教育中AIのブライが続ける。

 黒髪短髪で忍者衣装を着た、通称ござる君。


「ユウタ、ブライ……」

 友斗は二人を見る。

 こいつら、クラスで目立たないけど、良い奴らだな。


「だって! 友斗はいつも無茶をするもん!」

「分かった。カスミ、これからはこちらでもちゃんと監視をするから許してやれ」


 カスミの心配にエミリアは監視をすると約束する。

 カスミは渋々納得するが友斗を見る目は鋭かった。


「まあ、友斗とユノが頑張って勝ってくれたおかげだ。褒めてやれ」

「分かった。友斗、よく頑張った」

「まあな。次からはあんな無茶しねえから」

「ジー」


 友斗は無茶をやめる気はさらさらなかったが。だがこの後学園側からの賞品にそれを許さない物が届くとは夢にも思っていなかった。


 友斗、流石だぜ!

 友斗様、かっこよかった!

 ユノちゃんよく頑張ったぞ!

 ユノちゃん俺と結婚してくれ!


 ツッコミ待ちのセリフがあったがユノ以外はスルーする。

 ユノはそのセリフを言ったクラスメイトに、メッ、であります! と律義にツッコミを入れていた。


 その行動で更に萌えている男子がいることは放っておいて。


「俺たちの勝利だ!」

 横たわっている友斗が腕だけ掲げて歓声が爆発する。

 A07クラスは歓喜に包まれていた。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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