第四十五話 戦うものと見届ける者 榊友斗視点→現在→ハイスクール・シブヤ・エデュケ―ター
ハッピーニューイヤー! 今年もLDOをよろしく!
友斗達は観戦席でA02クラスとA03クラスの対戦模様を観戦していた。
今から試合が始まる所だ。
観戦席から見えるホログラムのスクリーンには校内SNSのチャットも流れる。
A02_ファン:#矛盾対決
一般生徒:A03ナオ推し多すぎ
A03応援:ユウゴは勢いだけだろ
A02クラスメイト:A02が勝ったら焼肉行く
「こいつら勝手なこと言いすぎだろ」
「校内チャットはにぎわってますわね」
「でも、ちょっと面白い」
「校内チャットをスクリーンに映す試みは面白いですね」
友斗の隣にカスミとルナが座り、ルナの更に隣にショウが座っていた。
「楽しみ、であります!」
「ふっ、俺とラピスにかかればこいつらなど全滅だ!」
「いや、全滅させたらダメだろ」
カスミの隣にはユノが座り、レオとエデュケーター・エミリアが座っている。
「お互い、より良いリンクバトルを! 試合開始!」
エデュケーター・コバルの声が響き、戦いの火ぶたが切って落とされる。
ユウゴが両腕をブレード化し、斬りかかっていくのを眺めながら友斗が呟く。
「あいつの剣は素直に見えるが、その実しっかりと計算して振っているな」
「面白い。私も戦いたい」
「わたくしは苦手なタイプですわ。近距離で詰められると厳しい」
ホログラムスクリーンに映し出される校内SNSのチャットも盛り上がる。
A02_ファン:ユウゴきたぁ!
観測班:リンク率が七十%に近づいてるぜ。
A03_ナオ推し:これまでずっとナオ様が勝ってるもの。今回も勝つに決まってるわ。
一般生徒:実況のミサキテンション高すぎ草。
鷹森ユウゴが盾を飛び越えて、後ろから斬りかかろうとするも、衝撃波で吹き飛ばされる。
『鷹森ユウゴの先制攻撃は不発! 硬い。硬いぞ! 御影ナオ!』
『やはりあの双盾は硬いです』
実況や観客席は大いに盛り上がってるな。
俺だったらどう戦うだろう。
「最初の攻防は御影ナオの勝利だな」
「俺様だったら、どう戦うだろうな」
「ユノだったら遠距離で攻める、であります」
「こういうのは勉強になるぞ。ちゃんと見ておけよ」
友斗とレオとユノとエミリアが口々に感想を言う。エミリアの言葉は教育者としての言葉だったが。
鷹森ユウゴは空中で回転するとニヤッと笑う。
対戦成績では鷹森ユウゴが圧倒的に負けているが、この勝負わからないぞ。
リンク率というシステムは普段のリンク戦闘訓練には導入されていないが、勝負において動きが良くなり、大技も撃てるようになる素晴らしいシステムだ。
鷹森ユウゴに対する声援が飛ぶ。
結構人気あるんだな。まあ、A02組のエースだしな。
「お、鷹森ユウゴが遠距離から光の刃を放って攻撃するぞ」
「かなり、押してる」
「やっぱり、遠距離攻撃は必要ですわ!」
友斗の呟きにカスミとルナが反応する中、鷹森ユウゴは御影ナオに仕掛ける。
観客席のスクリーンには。
A02_ファン:キャー! ユウゴ!
A03_ナオ推し:ナオ様は負けません! 我が盾に曇りなし!
一般生徒:これわかんねーぞ。遠距離の斬撃に押されてるからな。
A03応援:ナオ、負けるな~。
観測班:リンク率が七十五%を超えて八十%になっただと⁉
鷹森ユウゴが御影ナオの防御を崩し、セブンスブレイドでダメージを与えたな。
だがそこから御影ナオも反撃してる。
「めっちゃ熱い勝負だな」
「俺様も早く戦いたい」
「ユノも、であります!」
『素晴らしい。シールドパリィが決まった~!』
『残存体力10%未満。次手で決着です』
御影ナオはあそこから切り返すのか。相当な実力だな。
だがお互い、体力は少ない。
次の一撃で決まるな。
校内チャットの様子はと言うと。
A02_ファン:あそこからパリィ決めてくるの⁉
観測班:リンク率八十五%を超えている!
A03_ナオ推し:ナオ様は勿論だけどユウゴ君もすごいわ
一般生徒:初戦から熱すぎだろ!
謎のエデュケーター:フフフ。次の一撃で最後ですね。
校内SNSは基本的に匿名だが、エデュケーターや一部の生徒はハンドルネームで参加している。クラヴィスは「謎のエデュケーター」として、正体を隠しながら書き込んでいた。 `
何故か最後の文章は胡散臭いシルクハットのエデュケーター・クラヴィスを思い出させた。エデュケーター・・クラヴィスはA01の担任なんだよな。
なんかA01に対抗意識が湧いてくる。
「さあ、どうなる?」
「ユウゴが勝ちそう」
「ナオだって負けてませんわ」
「ユノは、ナオ推しであります」
「俺様はユウゴに勝ってほしい」
「最強の矛と盾対決はどっちに軍配が上がるのかな」
「エデュケーターとしてはどちらにも勝ってほしいのだがな」
友斗とカスミ達が口々に言いあう中、実況が叫ぶ。
『おっと! 鷹森ユウゴの剣が伸びたぁあああ!』
『あれは維持するだけで相当大変ですよ。これで勝負が決まりますね』
鷹森ユウゴが近づくと御影ナオはタワーシールドを発動させる。
強固な城壁が登場し、ユウゴの剣を阻むかに見えたが……。
友斗にはナチュラル・ハッキングによってウィークポイントが赤い線で見えた。
驚くことに鷹森ユウゴはその赤い線をみえているかのように、線に沿って城壁を切り崩し、驚いた顔の御影ナオを切り捨てる。
校内チャットの文章も次々に流れていく。
A02_ファン:ユウゴの城崩しがあああああ!
A03_ナオ推し:ナオ様がああああ!
一般生徒:うおおおおおおおお!
観測班:リンク率が八十七、八十八、九十!
謎のエデュケーター:フフフ。決まりましたね。
観客席からも歓声と悲鳴がこだまする。
土煙が上がっていて見えないが……立っていたのは鷹森ユウゴだ。
御影ナオはボロボロのアバターで崩れ落ちていた。
『この戦いの勝者は~! 鷹森ユウゴだぁ~!』
『お互い素晴らしいバトルでしたね。ですが最後は鷹森ユウゴの思いがこもった攻撃が勝ちました』
未だ立てない御影ナオを支えるように鷹森ユウゴが手を貸す。
そして何とか立ち上がる御影ナオ。両者、健闘をたたえ合うように抱き合い、背中を叩く。
「お前、また強くなったな」
「お前もな。次は負けないぞ」
二人は笑い合いながら、互いの健闘を讃えた。
「めちゃくちゃいいライバル関係だな」
「すごい、いい試合だった!」
カスミが珍しく興奮しながら友斗に抱き着いてくる。
「ショウ、私もあんな試合がしたいですわ!」
「うん、そうだね。ってなんで僕の手を握ってるのかな?」
ルナは何故かショウに甘え、不思議そうな顔をするショウ。
ユノはレオと話し込んでいる
エミリアはその様子を嬉しそうに見つめていた。
友斗はカスミの背中を叩きながら、自身の試合について考える。
ナビAIがない自分はどこまでできるのか。
――以前から抱いていた不安が、改めて頭をもたげる。 鷹森ユウゴは壁を越えた。
次は自分が壁を越える番だと決意する。
観客席の上から友斗たちを見下ろす長身のシルクハットのエデュケーターがいた。
「フフフ。榊友斗、期待の学園エースは私たちのクラスにどこまで抗ってくれるのか楽しみですよ」
実は学園のくじを決めるシステムに入り込み、次の対戦相手を自身が担任のA01クラスとA07クラスにしようとしているのである。
「榊友斗、君の“自由”な力が、私の“秩序”に勝てるとは思えないがね」
盛り上がりが止まらない校内チャットを見ながら笑うクラヴィス。
秩序と自由。どちらがより正しいのか、それを決めるのが楽しみだ。
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