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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
天才レオの苦悩

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第四十一話 友斗とカスミのデート! 前編 多視点→現在→シンジュク・エデュケータ―連合区。

 カスミの白いニットが、街の光を反射して眩しく見えた。

 友斗は手をポケットに突っ込み、風に揺れるカーディガンを整える。

 金髪が白と銀を基調としたビル群に自然と映えて見える。

 カスミの青髪も光を浴びて淡く光る。


「わーすごいな! シンジュク・エデュケーター連合区!」

「友斗、はしゃぎすぎ」


 友斗とカスミはシブヤ・ジャンクションを抜けて、シンジュク・エデュケーター連合区に来ていた。何をしているかって?

 デートである。


 事の発端はレオを救い出した戦闘の後に、無理をしていた友斗の世話をしてくれたカスミの勇気ある言動からだった。


『で、デートする!』


 今でも友斗は思い出すと顔が赤くなる。なのでカスミの方を向かずにあえてシンジュク・エデュケーター連合区の街並みを眺めていた。

 シンジュク・エデュケーター連合区はAIがデザインした街並みだ。


 ガラスとセラミックの素材が白と銀を煌めかせていた。

 どのビルも光を反射して淡く輝く。エアカーが立体的に交差された空中道路を走る中、友斗とカスミは普通の道路を歩いていた。


 人混みは多いがクラクションはほとんどない。ざわざわとした人間の声だけが街に広がっていた。花壇や並木すら人工樹木。整然としていてまるで模型のようだった。


 そんな街並みに歓声を挙げていた友斗に対してカスミはふくれっ面だった。

「……友斗」

「ん?」

「……察してよ」

「もう仕方ねえなあ」


 友斗はそれだけ言うとカスミの方を向き、手を取る。

 友斗は178センチくらいでカスミは160センチ。


 身長差のあるカップルだが不思議と街に調和して見えた。

 友斗はそれとなく普通に手をつないだのだが、カスミに恋人繋ぎに変えられる。

 二人はシンジュク・エデュケーター連合区を歩き始めた。



 **



 そんな2人を尾行する姿が後ろに合った。

「もう! カスミったら友斗と手を繋いで!」

「ルナ、声が大きいよ。ってか何で僕もついていかなくちゃいけないのかなあ」

「あの二人の恋路を邪魔するのは……いやでも女にはやらないといけない時があるのですわ!」

「全然聞いてない。しかもその決意間違ってるよ……」


 ため息をつくショウとハンカチを口に噛んで悔しがるルナ。

 ショウは友斗の監視の目的もあるため、ルナの提案を受けたがもうすでに後悔し始めていた。


 ルナは悔しがりながらも、ショウの手を掴むとつかつかと歩き始める。

「ショウ、行きますわよ! あの二人を尾行するのです!」

「引っ張らなくていいから! 普通に歩くから!」

 

 こうして、疑似的なダブルデートが始まった。



 **



「シブヤ・ジャンクションはもっと雑多な感じだったけどシンジュク・エデュケーター連合区はすごい綺麗な街なんだな」

「それはそう。でも、ちょっと息苦しい」

「俺はAIと人間の調和って感じで好きなんだけどな」


 街を二人で歩いていると時々群衆から注目される。

「お、おい。あっちのカップルの男の方、どっかで見たことねえか?」

「あの人……思い出したわ! ハイスクール・シブヤ・エデュケーターの英雄、榊友斗様じゃない!」

「え? 何で様付けなんだ?」

「だってイケメンだし身長高いし、かっこいいじゃない! 服装もお洒落だわ」

「俺は?」

「あんたはいつも通りでしょ」


 どうやら二人組のカップルのようだ。そのカップルの言動を一端に街にざわめきが起きる。


「え? 榊友斗じゃん! あたしファンなの!」

「あっちの青髪の女の子も可愛い! カップルなの?」

「こめかみ、トントン見せて~!」


 黄色い声援が飛び始め、町は騒然とする中、友斗は道行く人にサインを求められながら、丁寧に断り、街を進む。

「ごめんな。今、カスミとデート中なんだ」

「わりい、サイン書けねえんだ。でもこめかみ、トントンは出来るぜ」


 群衆にはナチュラル・ハッキングについて聞く人もいた。

「榊友斗様! 生身でハッキングできるって本当ですか!」

「それはトップシークレットってやつだな」


 友斗が歩くたびに群衆も周りを歩く。

 カスミはひどく嫉妬していた。でも友斗は手をしっかりと握ってこっちを見てくれる。

 その気遣いが心地良かった。


 何とか、群衆に断りをいれて目的のお店にたどり着いた二人。

「もう、友斗! 人気過ぎ!」

「わりいな。でも今日はカスミとのデートだからな」

「……もう」


 ふくれっ面のカスミの頬をちょんちょんしながらそのお店に入る。

「このお店に来たかったんだ。シンジュク・小福屋」

「なんで、この店?」

「カスミはAI苦手だろ? 最近のお店はAIが勧める服屋ばっかりだけどちゃんと調べたらこういうお店もあるってわかったんだ」


 シンジュク・小福屋は二十一世紀のファッションを基調とした古民家風の古服屋だ。

 店内には招き猫が至る所に飾られている。

 友斗が今着ている灰色のカーディガンもここで買ったものだ。


 カスミは目を輝かせる。

「この店、なんか好き」

「そうだろう? まあ最近の半透明の素材に光る服はちょっと目のやり場がなあ」

「服、探す!」

「おお、いいぜ」


 まず友斗に似合う服を探すということでジャケットやカーディガンを探すカスミ。

「うん。これもあり」

「おお、革素材のジャケットじゃん! でも三万円もするのか」

「友斗、今お金持ち」


 友斗やカスミ達は行方不明の生徒たちの捜索や廃工場の闇市場の売人のアジトで活躍したことによってAI評価がぐんと上がり報奨金も出ていた。

 そのおかげで学生とは思えないくらい貯金がある。


「うーん。でも高くねえか?」

「じゃあ私が半分出す。でも私の買う服にも半分友斗が出して?」

「それはあんまり変わらない気がするけど。まあいいか」


 友斗は朧げにこういう日常も悪くないなと思いつつ頭を掻き、カスミに笑いかける。

「ったく、仕方ないな」


 カスミはその友斗の不意打ちの笑顔に顔を赤くしていた。

「どうした?」

「ッ! 何でもない!」


 カスミは照れながらも友斗の手を取り、女性物の服のコーナーに歩き出す。

 この日常がずっと続けばいいのに、と思いながら。



 **



「このお店に入っていったのですわ」

「友斗の周りはめちゃくちゃ人が多かったからね。撒かれないか心配だったよ」

「でも店内が見えないですわ……」

「もう、二人で偶然来たみたいな感じで入っちゃおうよ」

「それはそれで恥ずかしいですわ」


 渋るルナの手を今度はショウが取り、店に引っ張っていく

「あっ」

「何してるの? 行くよ」


 ルナはショウの男らしさを感じて少しだけ赤くなった。

 ショウの抱える孤独をわたくしが和らげられたら。

 そんなことを以前旧図書館棟でペアを組んだ時に思ったことを思い出す。


「ショウ、本当に楽しいの?」

「うん。ルナと一緒だから」

 その言葉に、ルナは顔を赤くした。

「……私も」

 二人は店に入りながら、自然と距離が近づいていた。

 お嬢様系のルナと眼鏡をかけた雰囲気イケメンのショウ。

 この二人もまたお似合いのカップルに見えたのだった。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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