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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
天才レオの苦悩

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第三十五話 ラピス奪還戦 秋月レオ視点→現在→シブヤ・ジャンクション郊外

「レオ、しっかりしろ!」

「ラピス……」

「まだ完全に取り込まれたわけじゃねえ! 天才ハッカーなんだろ? ここで諦めるのか?」

「ぐうううう!」


 レオは歯を食いしばって立ち上がる。


 友斗とレオの傍にカスミ、ユノ、ショウ、ルナ、コバルが集まってくる。

「友斗、貴方の能力を使えば、取り戻せるかもしれません」

「俺の能力?」

「エモーショナ―」


 ルナとショウの言葉が重なる。

「なんだそりゃ?」

「友斗は疑問に思いませんでしたか? 自分と関わるAIが感情を高ぶらせることを」

「友斗のエモーショナ―は父上曰く、人間の感情をデータ波形に変換する能力だと言っていましたわ」


「よくわかんねえが、俺がレオの感情をラピスに届ければいいんだな?」

「……友斗、散々迷惑をかけた俺様に協力してくれるのか?」

「お前は俺のライバルだろ。たまには協力くらいするさ」


 その言葉にレオは天を仰ぎ、涙をこらえるように目をつぶる。

 そしてその目に力強い光が戻る。


「よし! 友斗とショウに協力を頼む。他の者たちにはクルドとラピスの足止めをしてもらえるか」

「よっしゃ! いいじゃねえか、レオ」


 後ろから拳銃をホルダーに収めたスコープも来る。

「俺もクルドに聞きたいことがある。協力するぞ」

「スコープか。信用できるのか?」

「ああ、スコープは大丈夫だよ」

「わたくしもそう思いますわ」


 ショウとルナの肯定によりスコープの参戦も決まった。


「ラピス! 奴らの包囲網を破りながら逃げるよ!」

「かしこまりました。クルド様」


 すでにクルドの強制書き換えプログラムはラピスの主を誤認させるところまで至っていた。あまり時間はない。

「ひとまず、僕がナチュラル・ハッキングでクルドの強制書き換えプログラムがどうなっているか調べるよ」


 ショウが数字と電子の海に潜る中、スコープがクルドを狙い撃つ。

「全身鎧でも鎧の隙間に撃てばいいんだよ」


 バン、バン!

 二発の弾丸がスコープの拳銃から放たれる。

 電子武装化された拳銃から薬莢が零れ落ちる音がする。


「ラピス! グラビティ・ウェーブ!」

「申し訳ありません。まだその機能はチャージ中です」

「何とかしろ! この愚図!」

「かしこまりました」


 ラピスを愚図と呼ぶクルドにイラつくレオ。

 だが心は燃えていても頭は冷静だった。


 電子武装の鎧の形が歪み、鎧の隙間を埋める。

 スコープは舌打ちすると、スナイパーライフルに換装しようとする。

「スコープ、あまり傷つけると強引に書き換えられたラピスが壊れる可能性がある」


「じゃあどうするんだ?」

「……何か目くらましになるものはあるか?」

「ほう、それならあるぞ」

「それで頼む」


「レオ君! クルドの強制書き換えプログラムはラピスの感情を司る領域を乗っ取り、教団の供物化AIに変えようとしているみたい!」

「ふむ、ならばこうだ! スコープ!」

「待て! 何かしようとしているぞ」


「何をしようとしているか知らないけど、とっとと逃げるに限るさ! ギャッハッハッハ」

「クルド様、パワーチャージ、いつでも行けます」

「あばよぉおお!」


 青いレーンが友斗たちとは違う方向に示される。

 あれは……廃工場の壁をぶち抜いて、逃げるつもりだ!

「筋肉エンジン! 全開!」


 青いレーンに立ちはだかる、エデュケーター・コバル。

「無駄だよぉおお!」


 蒼い一筋の光が、上裸になったコバルの体に激突する。

 コバルの全身の生体筋肉がきしみ、唸りを上げる。

 下半身を踏ん張り、パワーチャージの突進を両手でつかみ、こらえるコバル。


「だらあああ、しゃぃいいい!」

 そのまま、廃工場内の壁まで押されたものの、突進を抑えるコバル。


「何だって⁉」

「理解不能。いくらパワー型のAIとはいえ、パワーチャージを止めるなんて」

「スコープ!」


 スコープは弾種を切り替え、スナイパーライフルから光の弾を放つ。

 シュバアアアン!


 光の奔流がクルドを襲う。

「ぎゃあああああ! 目が! 目が見えない!」

「レオ、今だぞ!」

「ああ、友斗!」


 レオはラピスとの様々な出来事を思い出す。

 友斗はレオの手を握り、無言のままだ。


 いじめられた時にいつも守ってくれたこと。

 クソ親父に叱られて、泣いているときに慰めてくれたこと。

 そして、いつもレオのことを想って忠告をしてくれたこと。


「ラピス! 今まで済まなかった。俺様のことをいつも思っていてくれていたことはわかっている」

 友斗の手から虹色の光の波長が飛び出し、目を回しているクルドを通じてラピスに降り注ぐ。


 ラピスはまだ……答えない。

「俺様はAI至上主義だ! だが人間にもいい奴はいるし、AIにも悪い奴がいることを知った。今は俺様を心配してくれる仲間がいる!」


 クルドの電子武装化された装備が溶け始める。

「またラピスと一緒に居たい! もうお前の忠告を受け入れる! 俺たちは一心同体だ。戻ってこい! ラピス!」


 レオの叫びが鬣を蓄えた虹色の百獣の王の姿となる。

 百獣の王はラピスに優しく寄りそい、人鳴きするとラピスに吸い込まれていく。

 しばらく廃工場に沈黙が訪れる。


「全く……レオ様にはいつも手を焼かされますね」

「その声は!」

「はい。貴方のいつもそばにいたラピスですよ」


 ラピスは電子光を放ちながら青水晶が人の彫像になったような姿でレオの前に現れる。

 レオは、ボロボロと涙をこぼしながらラピスの前に跪く。

「済まなかった。お前がいなくなった時、俺様は本当に辛かった」

「フフフ、全くレオ様はいつまでたっても泣き虫ですね」


 友斗たちも二人に駆け寄る。

 皆、手を取り合い、勝利を分かち合う。


『全く、こんなガキ共に負けるとは。期待外れですね』

 突如、暗闇が支配する廃工場に美しい女性の声が響く。

「ああ、人間どものくだらない友情ごっこ。嫉妬嫉妬嫉妬」


「な、誰だ!」

 レオは怯えたように声を出す。

 何故か根源的恐怖の圧力を感じ取っていたからだ。


「ギャッハッハッハ……。嫉妬のネレイア……様」

 閃光弾の目の痛みから回復したクルドが体を震わせながら力なく笑う。


「失敗失敗失敗。クルド、お前はガラクタでしかない」


 ギィイイイイイ。


 黒板をひっかいたような不快な音が響き、突如、暗闇から空間が切り取られ、片目だけ鏡のように他人を写す鏡の目をした女性が顔をのぞかせる。


「ネオセントリック教団、七つの信律 “嫉妬”のネレイアです。以後お見知りおきを」

 圧倒的な負の感情が廃工場を支配していた。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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