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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
旧図書館棟の謎

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第二十四話 怪獣決戦 ガンダ視点→過去→シブヤ・ジャンクション郊外

 ちぃっ! あの坊主に良い所見せるつもりが、こんなことになっちまうとはな。

「全く、いつもいつも変なときに来やがって。しかもあの坊主を狙うとは。今度こそ生かしておけねえ」

「グルアッハッハッハ! お前がいつも誘いを断るのが悪いんだよぉ!」


 ビルに撃ち込まれた大砲の煙で今は視界が悪い。

 だがてめえの熱源反応は見えてるんだよ!


 俺は電動エンジンを全開にして、陸上選手がするようなクラウチングスタートを取り、脳内で空砲を鳴らす。全力全開。俺のラリアットを喰らいやがれ!

 熱源反応に向かって左腕のサイボーグ化された腕を広げながら、奴の首元を刈り取る。


 グキィッ!

 へっ。良い音するじゃねえか。

 ヴァルカンの首元を刈りとり、空中に奴を跳ね上げると一転して空中に跳びあがる。

 奴の頭部を胴体ごと掴み、ビルの屋上の床にたたきつける。


 ビルがちょっとぐらぐらしてたからなあ。良い杭になったんじゃねえか?

 屋上に沈黙が舞い降りる。


 むっ。足元に熱源反応!

 ガンダは咄嗟とっさに大きく勢いをつけ、別のビルの屋上に飛び移る。


 バゴォオオオン!

 今度の砲撃はビルを斜めに貫き、ピサの斜塔より斜めにずれ落ちていく。

 まあこれくらいでやられる玉じゃねえよな。


 グルアッハッハッハ! グルアッハッハッハ!

 崩壊していくビルからまた隕石のように砲弾が飛んでくる。

 ズドォン! ズドォン!


 こいつ、俺じゃなくてビルの足場を狙ってやがる。

 そろそろ俺の正体を見せてやるか。目をキラキラさせた坊主の前でやりたくなかったが仕方ねえ。これで嫌われても文句は言えねえ。


 片膝をつき、冷えた機械の掌を自分の胸に押し当てる。

「オーバーライド・アビリティ。コードネーム:ガンダ」

 ——声に乗せた命令が、胸の奥で反応を返す。


 心臓が一拍、二拍と強く脈を打つたびに、皮膚の下から金属の膜が這い上がってきた。

 銀白の光が関節をなぞり、筋に沿って滑るように広がる。やがて俺は、人間の寸法を超えた白い巨星へと立ち上がった。


 頭上には輪が浮かび、背中にはコードの翼が絢爛けんらんに展開する——まるで古いロボアニメの一場面が現実に起きたようだった。


 全長五メートルほどの生体金属で覆われた白いフォルムに天使のような輪を頭に付ける。

 背中と足には重力制御キットが搭載されて、コードでできた触手のような翼が生える。

 遠くで坊主の驚いた顔が視界カメラ越しに見える。



 **



「あれは……ネオセントリック教団のオーバーライド・ゼロの像に似ている」

「そうだよ。あれはオーバーライド・ゼロとおじさんの罪そのもの」

「どういうこと?」

「ミレからはまだ言えない……かな」



 **



 バクバク、グルアッハッハッハ! ガッシャン!

 ヴァルカンも変身を始めたか。

 奴は体の周りの無機物を吸収し、一時的に巨大化が可能だ。

 しかも体長は十メートルまでデカくなりやがる。


 グオオオオオオオオオ! ウオォオオン!

 奴の変身に巻き込まれビルが形を変えて、巨大な機械の犬型に変移していく。

 ヴァルカンは巨大な砲塔を背中に担いで、四足歩行の軍用犬モデルに変わる。


「グルアッハッハッハ! 怪獣決戦と行こうじゃねえか!」

「おめえは俺とキャラがかぶってるんだよ!」


 ガンダは振りかぶり、巨大な腕で何度も正拳突きを放つ。

 次第に腕の動きは音速を越え、ショックウェーブとなり巨大化したヴァルカンを襲う。

 ブゥウウウン! ズドォン! ズドォン!

 グルウウウウウ! ガアアアア!


 ガンダの放つ衝撃波がヴァルカンの装甲を削っていく。

 ヴァルカンはやられっぱなしでいられないとサイドステップで躱しながら迫り、凶悪な無機質の牙でガンダの腕に食いつく。


「アアアア! いてえ、んだよ!」

 ガンダは力任せに腕ごとヴァルカンを地面にたたきつける。

 ビル街に衝撃が伝わり、崩れ落ちたビルの破片がキラキラと月の光に煌めく。


「グルアッハッハッハ!」

 ヴァルカンは至近距離から砲弾をガンダに向けて放つ。

 バゴォオオン!


 ガンダの顔に砲弾は直撃し、少しふらつく。

 その隙を見逃さず、首元を噛みつきで刈り取ろうとするヴァルカン。

「甘いって言ってるだろ!」


 ガンダは翼と足の重力制御キットで宙を舞い、キラキラとした月の光を浴びながら、優雅に噛みつきを躱す。

 その姿は白い巨星。月の光をチャージして、翼から一本の巨大なエネルギーソードを作り出す。白い刃がヴァルカンの胴体を一閃する。

 グシャアアアア!


 ヴァルカンの体から赤い液体が噴き出る。深く刻まれた傷を負いながらもヴァルカンは後ずさり、突然体を弛緩させる。


「グルアッハッハッハ。ガンダ、てめえと遊んでいたいがオーバーライド・ゼロ様が傷を負ったようだ。今日の所はてめえの勝ちにしてやる」

「いつも俺が勝ってるだろ! だがオーバーライド・ゼロがやられた? 誰にだ」


「グルアッハッハッハ。榊友斗とその仲間らしい。俺に勝ったからこれくらいは教えてやる」

「榊友斗? ネットを騒がせてるあのガキか。いやあいつはどこかで……」

「それではさらばだぜ!」


 ウォオオオンンン!

 ヴァルカンは遠吠えを一つするとシブヤ・ジャンクション郊外のビル街を破壊しながらシブヤ・ジャンクションに向かっていった。


 ったく、榊友斗。なぜか懐かしく感じる名前だ。いや昔助けたガキか?

 いかんな。八十年も生きていると忘れっぽくなるぜ。

 俺は月を見上げる。オーバーライド・ゼロ、いや香月 健太。お前が罪を忘れても俺は忘れねえ。この体にその罪を背負って生きるぜ。もう結構がたが来ちまってるけどなあ。


 


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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