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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
旧図書館棟の謎

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第十九話 仲間たちの戦い 中編 白鳥カスミ視点→天瀬ルナ視点→現在→ネオセントリック教団 仮拠点

 カスミは自身に迫りくるコードの触手を細切れにしながら友斗の元に向かう。

「邪魔!」

 

 敵の数は多い。カスミのようにエネルギーソードを持った人形データ兵もいるし、遠くからスコープでこちらの隙を窺う兵もいる。


 エネルギーソードを持った全身に金属鎧を纏った人形データ兵がこちらに素早く走りこんでくる。くるくると手首でエネルギーソードを回しなが袈裟けさ切りで一刀両断しようとするが。


 カスミはエネルギーソードを下から振り上げ合わせる。エネルギー同士の反発でお互いのエネルギーソードは離れるがまた打ち合う。


 カスミは空中で宙返りしながら、エネルギーソードを縦に振り下ろす。

 それをサイドステップで避け、カスミの腹にエネルギーソードを突き刺そうとしてくる。


「油断大敵、であります!」


 カスミの開いていた左手に喋るもう一振りのエネルギーソードが飛んできた。

 左手のエネルギーソード敵の攻撃を受け流す。


「これは……?」

「ユノであります!」

「ナビAI化したの?」


「一時的にですがカスミの武器になる、であります!」

「でも私、二刀流なんてしたことない」

「宇宙の導きに従え、であります」


 ユノが何を言っているかはわからないが、何故か左手のエネルギーソードはしっくりと来た。


「お前、強い。名前は?」

「……グランドだ」

「なんでオーバーライド・ゼロに従うの」


「……もう実態がなく、俺はデータだけの存在なのだ。だから逆らえない」

「可哀想。私がとどめを刺してあげる」

「……」


 カスミは二本のエネルギーソードをくるくると手首で回しながら左手を下に右手を上に上げ、油断なく構える。


「……俺も相棒が居ればな」

 グランドはエネルギーソードを剣道のように正眼に構えて、隙を伺う。

 

 カスミはユノが一時的にナビAI化したことによってリンクフィールド内の敵の位置、行動が手に取るように分かった。

 遠くの狙撃兵が自分に向かって引き金を引いた瞬間も理解する。


 バァンッ!


「無駄、であります」

「斬る」


 スナイパーの一射はユノの広域センサーに補足され、カスミに伝わり、エネルギーソードによって弾かれる。

 それを隙と見たグランドは二歩踏み込み、必殺の一閃を振り下ろす。


「それも予想済み、であります」

 グランドの足元が十センチ沈む。

「クッ!」


 カスミはブレる剣線を踏み込みながら頭を沈ませて躱し、下からエネルギーソードを振り上げる。


 グランドは咄嗟にエネルギーソードを盾にしてカスミの剣線を受け止めるが後ろに吹き飛ばされる。


 カスミはあえて追わず、まるで剣舞を踊るかのように、銃弾を弾き、時には反射で人形データ兵を倒しながら数を減らすことを意識する。


 時に飛んでくるコード触手を切り刻み、絡みつくコードは避ける。

 ユノのナビAI化によってリンクフィールド内の敵の位置や視界外の攻撃も手に取るように分かる。


「戦場を舞う一輪の青い薔薇だ……」

 一人の人形データ兵が呟いた。



 **



 カスミとユノが徐々にリンクフィールド内の敵を減らしながら突出して戦線を支える中、ルナはナビAIのディアブロとコンビを組んで、ガン〇タに出てくるようなリボルバーを使った戦闘をしていた。



『お嬢様。左前方と右後方に人形データ兵接近』

「承知しましたわ」


 ルナはディアブロのアシストによるオート照準で人形データ兵の頭を撃ちぬく。

 ん? 後方から敵が吹き飛ばされてきましたわ。


 ルナは周囲の敵を黒いフレームのマグナムで一掃した後、吹き飛ばされてきた人形データ兵を見る。


「んぐぅ!」


 リンクフィールド内の土煙が巻き上げられながら、エネルギーソードを杖に一人の人形データ兵が立っていた。


『お嬢様、今のうちに撃って下さい』

「ええ」


 ズキュウン! ズキュウン!

 マグナムで照準を定め、人形データ兵の頭に二発の銃弾が発射させる。

 

「ハアッ!」

 その人形データ兵はエネルギーソードで弾丸を切り飛ばす。

 その剣線はとても綺麗だった。


 ルナはそれを見て、考えを改める。

 只者ではないと。


「あなた、なかなかやりますわね。名前は?」

「……この流れは二回目だ。グランド」

「そう。でも貴方はもう……救えないわね」


「……そうだ。だが俺は抵抗する」

「何故かしら?」

「……後悔なく天に召されたい」

「そう」


 ルナは両腕を交差しながら二丁のマグナムを構える。

 一瞬電子のノイズがリンクフィールド内に走る。

 ルナの背後にコード触手が視界外に潜み、グランドが走り出したタイミングでルナに迫る。


『後方、コード触手。前方グランド、ですぞ』

「わかってる」


 ルナは後方宙返りし、コード触手をふわりと避けながら空中でマグナムを構えて……。

「バン、バンですわ?」


 あえてコード触手を左手のマグナムで弾き飛ばし、グランドに向かわせる。

 そしてマグナムの引き金を引き、一発は跳弾のように跳ねる位置で、もう一発は胴体に撃ち込む。


 コード触手は無差別にデータをハッキングするがそれは絡みついた相手だけだ。

 ルナのマグナムは無事でグランドはまずコード触手を斬り捨てるしかなくなる。


「ハァッ!」

 コード触手を斬り捨てたグランドは返す刀で胴体に迫る銃弾を弾く。

 だがディアブロの機転で硬化した地面からの跳弾には対応できなかった。


「……見事だ」

「貴方も悪くありませんでしたわ」


 地面に崩れ落ち、空の開いた胸を押さえながらデータの藻屑に消えるグランド。

 ルナはそれを見ながらため息をつく。


「救われませんわね」

『それが戦場です。お嬢様』


 どうせなら救ってあげたかったですわ。心が少し痛くなるのをこらえるルナ。


 戦場に一時の平穏が訪れた。だがその代償に一人の名のあるデータが一つ形をなくしていく。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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