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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
旧図書館棟の謎

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第十八話 仲間たちの戦い→現在→ネオセントリック教団 仮拠点

『グオオオオオオオオオオオオオオオ!』

 オーバーライド・ゼロの痛みの咆哮ほうこうがネオセントリック教団の仮拠点に響く。

 仮拠点に向かっていた五人は驚いて足を止める。


「これは何の咆哮なんだ?」

「多分、オーバーライド・ゼロ」

「友斗が何かダメージを与えたのかしら?」

「それなら友斗君が戻ってきてないとおかしいね」

「友斗、怪我してるかもしれない、であります」


 教会のごてごてとした装飾の廊下を五人は走り抜ける。

 途中で七つの信律の幹部たちの肖像画が飾られていた。


「これがこの前の学園に侵入した色欲のラブか」

「ん! こいつ、父をたぶらかした泥棒女」


「普通の家庭にも潜り込んでいたんだね。教団幹部は何を考えているかわからないよ」

「他の幹部の肖像画もある、であります」


 肖像画の隣に名前がついている。


 憤怒の信律。名前はヴァルカン。

 顔は溶鉱炉のように赤黒く光る鋼鉄の仮面。

 目が五人を見つめていて、眼孔から火花が散っていた。


「ヴァルカンですか。戦闘が強そうなAI、であります」


 傲慢の信律。名前はセラフィム。

 人間離れした美形の女だ。光る冠のようなホログラムも浮かんでいる。

「嫌味な笑顔の女ですわ」


 嫉妬の信律。名前はネレイア。

 美しい顔の美少女だが片方の目だけ鏡のように他人を映し出していた。

 ぎょろりとネレイアの瞳が動く。


「こいつの目動いたぞ?」

「それはおかしいね。肖像画のはずなのに」


 怠惰の信律。モルフェウス。

 半分眠っているように閉じた瞼。青白い顔に亀裂が走り、所々がデータの砂になっている。

「なんだか見ていると眠くなってくるな」


 強欲の信律。グラトニー。

 肥大化した顔、口が異常に大きく裂け、中からコード状の触手が垂れさがっている。

 目が何だか笑っているように見えて不気味だ。

「こいつ、不快」


 暴食の信律。ベリアル。

 顔そのものが開閉する巨大な口。無数の歯車と歯が組み合わさり、常に何かを咀嚼している。

「暴食という名前にふさわしいですわ」


 七つの信律の肖像画はただの絵のはずなのに視線が追ってくるように思えたり、口元が不気味に動いていた。

 ラブの肖像画はいつもの余裕がなく、髪を掻きむしった肖像画になっている。


「友斗、ラブに何かした。友斗、かっこいい」

「友斗、大丈夫かしら」

「さあ、先を急ごう。友斗君はまだ生きてると思うけど急いだほうがいい」


 五人はステンドグラスが映える仮拠点の教会の最奥の部屋にたどり着いた。

 正面にはオーバーライド・ゼロの像がそびえ立っていた。

 胸から上は理想化された中性的な人間の顔と体。だが表情は一切ない。


 腰から下は無数のケーブル・歯車・チューブが絡み合い、大地に根を張るように接続されていた。

 肩や背中からは翼のように基盤や回路版が広がっていて、天使の翼のように見える。

 手は祈りのポーズだが、指先からは光のコードが垂れている。


『グアアアアア! 痛い痛い痛い!』

 老若男女問わず人間の声が重なって気分が悪くなる声だ。


 五人はあまりのおぞましさに耳を手でふさぐ。

 しばらくするとその声が収まる。


「それにしても悪趣味な像だな」

「天使を模した翼が皮肉、であります」

「何に祈りを捧げているのか全く分かりませんわ」


 そんなことを言っていると。


『貴様ら! ネオセントリック教団の信徒ではないな! リンクフィールド展開!』

 友斗が戦っていたリンクフィールド内に五人は引き込まれる。

 空襲を受ける東京を背景にしたビル群が燃える様子も広がっている。

 遠くには人々の阿鼻叫喚あびきょうかんの声もする。


『うわあああああ!』

『助けて……タスケテ』


 先の方にはオーバーライド・ゼロの像の近くに電子の靄に包まれた友斗が見える。


「友斗君!」

「友斗、今助ける」

『させる訳がない!』


 今まで倒してきたはずの教団の信徒や衛兵がリンクフィールド上に無数に現れる。

 便宜上、人形データ兵としよう。

 データの砂のようなものが集まり信徒の顔や衛兵になるがそれらは大体顔だけが何も描写されていない気持ちの悪い人形だった。


「気色が悪い、であります」

「まだ来るぞ!」


 足元やオーバーライド・ゼロの像から無数のコード触手が伸びてきた。

「カスミ、危ないでありますわ!」

「ちぃっ!」


 カスミに無数のコード触手が体に絡みつこうとするが、エネルギーソードを召喚したカスミはブゥンブゥンと無尽無双で、コード触手を切り裂いていく。

 一本の触手がエネルギーソードに絡みついた。


「カスミ! エネルギーソードの色が変わっているでありますわ!」

「ん? なんで! キャッ!」

 カスミのエネルギーソードは勝手に手から離れるとカスミに突き刺さろうとする。

 

「クソっ、武器にハッキングする触手なんて厄介すぎるだろ!」

 エミリアはとっさにAIの素早い思考力を活かし、エネルギーソードを解析して仕込まれたウィルスを取り除く。


 カスミのエネルギーソードは水色から赤黒い色になっていたがその色が戻る。

「油断した」

「いや、カスミは悪くない。武器をハッキングして操ってくるなんて反則だ」

「ユノがカスミのサポートをする、であります!」

「……お願い」


 カスミは少し考えてユノに返事をした。

 AIの中には信頼できる人もいるとこの探索で感じていたからだ。

 彼女のAI嫌いに変化ができた瞬間だった。


「ったく、数だけ多くそろえて僕達に勝てると思ってるの?」

『貴様は綿貫ショウか。そして榊友斗に次ぐナチュラル・ハッキングの持ち主。貴様も人格を抽出してわしの中で有効活用してやるわ!』


 公安監査室のメンバーとしてネオセントリック教団の所業は知っていたが自分の友達にそれをされると死ぬほどむかつくね。


 こんな時友斗君ならどうするだろう。彼は不敵に笑ってみんなを守るって言うだろうか?

 自分だって友斗と同じ力を持っている。

 ……だから。


「フフフ、これだけ雑魚をそろえても僕達にはかなわないよ?」

 友斗がしているようなふてぶてしい笑みをショウは見せる。


 他の四人は何となく友斗の顔を思い出した。

 いつだって不敵に笑う友斗の笑みがショウに重なって見えた。


『ハッハッハ! 貴様がいかに虚勢を張っても数的不利は覆さないぞ!』

「黙れ! 友斗君は絶対渡さない」


 人形データ兵に何らかのバフが付与され、体が光る。

 瞬時にナチュラル・ハッキングしたショウは人形データ兵の速度が2倍にまで速くなっていることを知る。


「データの書き換えならこちらも……ちぃっ、こちらのリンクフィールド内の肉体の情報は弄れないように制限されている」

 エミリアが悔しそうに呻く。


「エミリア、フィールドのデータの書き換えは制限されていない、であります」

「よし、地形をいじりながら三人をサポートするぞ」


 ルナは執事服のディアブロを呼び出し、漆黒のリボルバー二丁となるように指示する。

 そのリボルバーは悪魔的……。


 青白いフレームラインに青い炎のようなものが絡みつき、髑髏のような煙をリンクフィールド内に残す。

『お嬢様。ご武運を』

「当たり前よ。絶対勝つわ」


 五人は立ち向かう。友斗を救うために。

『榊友斗も貴様らもわしの糧にしてくれるわ!』


 絶対に負けられない戦いが始まる。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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