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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
旧図書館棟の謎

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第十三話 禁書庫突入 榊友斗視点→現在→旧図書館棟

 三組は友斗が見つけた、三つの本をはめる場所に集まっていた。

「それにしても、過去、現在、未来か」

「友斗、気になる?」

「おう、カスミ。さんかくかって言われると違うなって思ってな」

「それは思う」


 友斗とカスミが首をひねりながら、喋っているのをしり目に他の四人は別の事を気にしていた。

「もしかしたら、禁書庫の先に地下通路があるかもしれない」

「え? それはどこに繋がっているのですの?」


「それはわからないけど……シブヤ・ジャンクション郊外かもね」

「朝霧レンはその通路をどういったのか。そもそも生きているのかさえ分からないな」

「少女と一緒に行ったのかもしれない、であります」


 会話が程なくして、友斗は三つの本を過去、現在、未来の最後の未来を頂点にはめる。


 すると、がこっと音がして本棚がドドドと動き、少し階段を下りた先に、禁書庫が見えた。

 

 ユノが何気なく監視カメラを見上げると、青い点がつき作動していることが分かった。

「監視カメラが作動しているであります! 青い点はおかしい気もする、であります」


 ドンドンドン!


 旧図書館棟の正門が突如、何者かに叩かれる。

「クソっ! 朝霧レンの日記の通りだな!」

「何かが来るぞ!」


 正門が開き、四足の節型の足を持った警備ロボットが三台やってきた。

「警備ロボットか! 私はエデュケーター・エミリアだ。危険はな……」

「ピーピー、危険人物発見。排除します」


「何? エデュケーターを認識していない! しかもこいつらも青い点がついているぞ!」

「青い点? 青ってネオセントリック教団の旗印と同じ色だよ!」

「つまりこいつらはネオセントリック教団に乗っ取られてるってことか!」


 クソッ! 禁書庫の扉も開ききるには時間がかかるみたいだ。

「全員でやるしかないみたいだな!」


「友斗君、僕らは今生身だよ。リンクフィールドがないと友斗君のナチュラル・ハッキングは生きないでしょ?」

「それは問題ない! エデュケータ―権限でどうにかなる」

「なら、ユノも戦う、であります!」


「私も戦う」

「わたくしも足止めくらいなら……」


 エミリアは自身のホログラム端末を操作し、叫ぶ。


「エデュケーター権限発動! 簡易リンクフィールドを使用!」


 旧図書館棟の棚を飲み込み、廃墟の中に遺跡が広がる簡易リンクフィールドが形成される。これ、現実をリンクフィールドが飲み込んでるよな? どういう原理なんだろう?


 だが疑問を口にしている時間はない。警備ロボットはすぐにリンクフィールド内に自身のアバターを生成していた。

「なんかデカくないか?」

「大きさを変えるなんてできるんですね」

「無駄口、しない」


 警備ロボットは元々全長二メートルくらいだったのが四メートルくらいにまでデカくなっていた。それが三体だから手に負えない。


 カスミは自身のエネルギーソードで剣舞をしながら戦意をたぎらせている。

 ショウはファンタジー世界の青白く光る長剣を召喚している。

「それ、どうやってやってるんだ?」


「秘密です」

「ケチ」

「全く、お前たちは余裕だな! 動きが1.5倍になるバフを掛けるぞ!」


 エミリアがホログラム端末を操作し、全員のアバターの速度を速めるコードを組み込む。


『敵正反応六人。排除します、排除します』

 一体の警備ロボットが四足走行で触手のような腕を体に生やしながらこちらのアバターを薙ぎ払おうとする。


「全員散開!」


 幸い簡易リンクフィールド内はまあまあ広い。半径二十メートルはありそうだ。

 全員、バフのおかげで突っ込んできた警備ロボットを避ける。

 だが二体の警備ロボットは触腕から銃器を生やしてきた。


「させませんわ! ディアブロ! 対AI用兵器、小型レールガンモード!」

『承知しました。お嬢様』


 低い中年男性の声が響き渡り、目の前で執事服を着た白髪の男性がポリゴンに変わりながら漆黒の銃器と青いフレームを放ちながらルナの左腕に装備される。


 ルナは自身の左腕を右手で抑えながら、しっかりと下半身を落としまず一体の警備ロボットに狙いを定める。


「ディアブロ、行きなさい!」

『照準完了! エネルギー充填。いつでも行けますぞ』


 ルナは小型のバスターのようなレールガンを光らせ、緑色のレールガンを一体の警備ロボットの触腕に打ち込む!


 それは雷撃のような速さだった。

 警備ロボットの触腕に打ち込むと触腕が一瞬でちぎれて、青い光をまき散らしながらポリゴンに変わる。


 もう一体の警備ロボットがルナに狙いを定め触腕からマシンガンを放つ。

「させねえぜ!」


《脳内インターフェース接続完了。リンク:簡易リンクフィールド:第一階層》

 友斗の視界は0と1に満たされたコード内に沈み込み、簡易リンクフィールド内に入り込む。


 ふむふむ。ここを書き換えてカスミの持ってるエネルギーソードを作れば……!

 できた。友斗はナチュラル・ハッキングをやめて通常の視界に戻す。

 友斗の手にはカスミとは色違いのエネルギーソードが握られていた。


「ルナは俺が守る!」


 友斗は某フォースの導きを得ている銀河騎士のようにブゥンブゥンと音を鳴らしながらマシンガンを叩き落とす。


 友斗の脳内にショウが武器を作り出せる仕組みはこれではないかと一瞬よぎる。

 ショウはナチュラル・ハッカー? まあ今はいい。


 ルナは友斗の背中にキュンと来ていた。わたくしの好きな相手は友斗、ショウ? どっち?

 複雑な乙女心は揺れ動く。


 ショウとカスミは突っ込んできた警備ロボットと近接戦を繰り広げていた。

「速い!」

「そうだ、ねぇ!」


 カスミがエネルギーソードで打ち合っている間に、ショウが警備ロボットの四足に切りこむ。警備ロボットは触腕でカスミのエネルギーソードを弾きながら、ショウの青白い長剣は巧みなステップで躱す。

 

 警備ロボットは戦闘用プログラムが組み込まれている。訓練用AIよりも強い。


「ここは誰が作ったフィールドだと思っている?」

「コード書き換えはユノにもできる、であります!」


 突如、三体の警備ロボットの足に地面の土が絡みつく。

 足を取られた三体にそれぞれが攻撃を加える。


 ショウとカスミは警備ロボットの四足を全て切り離し、ショウがそのままの勢いで宙返りしながら空で一閃。

 一体の警備ロボットは頭蓋のアバターを割られ、活動停止する。


 遠くの一体の警備ロボットに友斗が迫り、エネルギーソードで胴体に深い一撃を。

 ルナはレールガンから緑色の光を放ち、頭を撃ちぬく。

 三体の警備ロボットは沈黙する。


 だが、正門から別の警備ロボットの足音が聞こえる。

「友斗君! 禁書庫に入った方がいい」

「とっととずらかるぜ!」

「時間がもったいない、であります」


「速く!」

「待て、私を置いていくな!」

「ああ、友斗とショウどっちもカッコいい……」


 一名は別の事を考えていたが禁書庫に無事入る。


 六人は足早に禁書庫に入り、中に入ると扉を閉じる。

 三冊の本は鍵が締められると自動で浮き上がり、元の本棚へと戻っていった。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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