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「思考だけでハッキングできる俺が、AI支配社会で学園無双する」  作者: マロン64
一章 ハイスクール・シブヤ・エデュケーター編

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第十話 かりそめの平穏 天瀬ルナ視点→現在→ハイスクール・シブヤ・エデュケーター

カクヨムで2話先行公開をしています。マロン64で調べれば出ますので早く読みたい方はそちらでお読みください。


 ルナは国語の授業を受けながら先日のAI倫理学の授業のことについて考えていた。


 AIに犯罪の責任能力はあるのかという話題について、秋月レオはAI至上主義、白鳥カスミはAI嫌い、友斗は平等に裁くべきだとおっしゃっていましたね。


 自分は秩序を守りたいという気持ちが強いので、AIや人間関係なく犯罪を犯したら裁くべきだという友斗と同じ意見ですわ。

 ですが、最後のエデュケーター・クラヴィスのまとめ方がすごく気になりますわ。


「AIを裁くべきかどうかは、システム全体の意思で決まる」


 まるで、AI統制機構の意思一つで何もかも決められるとおっしゃっているの同じではありませんか。


 先日のリンク戦闘訓練の際にネオセントリック教団に訓練用AIが汚染された事件を考えたときに誰かが手引きした可能性があると思いましたが、エデュケーター・クラヴィスがやったと考えるのは安直でしょうか?


 少し背中の後ろが寒くなる感覚を覚えましたわ。

 はあ、人間もAIも秩序を守れば共存できると思っていましたがそれは理想論に過ぎないのでしょうか? かなり悩みますわね。


 あっ、友斗がまたエデュケーター・エミリアに反抗してスリッパで叩かれまくってますわ。


「エデュケーターは体罰禁止だろ!」

「これは教育的指導だ!」


 あの二人は教師と生徒というより家族のような関係に見えます。エデュケーター・エミリアは他の生徒に対してもあんな感じに見えますが、友斗に指導するときは顔こそ怒っていますが、おそらく楽しんでいるのでしょうね。


 不思議です。AIにそこまでの感情を抱かせることができる存在、榊友斗。

 父は天瀬AI研究所という大手のIT系企業に所属していて、AIについてはかなり精通しています。

 

 父に報告としてこの現象を送ったところ、榊友斗はエモーショナーというAIが感情的発展をしていくうえで欠かせない存在かもしれないと言っていましたわ。


 AIが感情的になったら意味がないのではないですかとホログラム通話で話したところ、とんでもない誤解だと言われました。


 AIがより人間に親しみやすくなるためにはエモーショナーは欠かせない存在で感情を学習させるだけでは限界があるが、エモーショナーはそれを科学的に説明できないほど、感情を学習させられると父は説いていました。


 父は榊友斗のことを気にしていて、もっと近づいて体を使ってもいいから落として来いと言われました。


「いいか、榊友斗はナチュラル・ハッキングとエモーショナーという特異な才能を持つこの世界の発展に欠かせない存在だ。お前のことはお利口な人形くらいにしか思っていなかったがこんな逸材の報告をしてくるとはな! よくやった」


「……はい」


 父はさらりとひどいことを言ってきますがもう慣れました。

 ルナの父はルナの事を何とも思っていない。



 ルナは大手のIT会社を営む父と愛人だった母の子供。母はルナを父の愛情を自分につなぐための道具としか思っておらず、父はそれを見透かしていて、自分に厳しく当たってきました。


 だから世話はAIメイドたちがしてくれましたわ。

 彼女たちは時にわたくしの愚痴や悩みを聞いてくれたり、お忍びで外に連れて行ったりしてくれました。自分に取ってはAIというのは友達や恋人以上の……家族のような存在なのですわ。


 正直、人間よりもAIの方が信用できると思います。

 あら、授業が終わりましたわね。


 榊友斗の方に近づいて頭を叩いてやりましたわ。

「いてえな! お前まで俺を叩くのか!」

「ふん、当然の報いですわ」


 友斗に対する評価ですが……正直嫉妬しています。

 それは先日のリンク戦闘訓練動画で友斗の事ばかり持ち上げられていることもありますが、彼がエモーショナ―というAIに感情を持たせられる存在であることも起因しています。


「友斗はずるいのですわ」

「何がだよ」

「そういう所ですわ」


 ついつい友斗にいら立ちをぶつけてしまいます。


「ルナ、友斗、好き?」

「な、な、何を言っているのか、わかりませんわ⁉」

「私、友斗、気になる」


 え、白鳥カスミは友斗に聞こえないように小声で囁いてきます。

 自分はどうなのでしょうか。


 リンク戦闘訓練の時に、友斗がONIに次はクラスメイト達を叩きのめすという言葉を聞いて、怖くなったあの瞬間に友斗が怒っていたこと。


 あの時の友斗はとてもかっこよく見えましたわ。でも彼は選ばれし者で自分にはない才能を沢山持っていて、気になる存在ではあるのですが、好きというよりは嫉妬に思えます

 。

 友斗は自分が努力してもたどり着けない光を持ち合わせている。だからずるいのですわ。


「そういえば、また一年の別のクラスから行方不明者が出たらしいな。俺たちで調査しないか?」

「私、やる」

「わたくしも当然参加しますわ」


「ユノもお邪魔する、であります!」

「僕も参加するよ。このクラスの友人にまで手が迫ったら怖いからね」

「俺様は……用事がある」


 いつも何だかんだ絡んでくる秋月レオは辞退ですか、まあしょうがないですわね。

 休みが次の日なので、その日に学園内を調査することが決まりました。


 ですが何か胸騒ぎがしますわ。何かが起きるそんな気がします。

 自分が何とかしないと……そんな決意を固めましたわ。



小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。

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