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第28話 災厄の星

質問があったため後書きにMP上限解放の仕様について追記しました。

□ラヴァルの鍛冶屋 クロウ・ホーク


「こんにちは。装備の受け取りに来ました」


「いらっしゃい。師匠を呼んでくるから少し待っててね」


 翌日、ラヴァルの鍛冶屋の戸を開きウルさんに声をかければ裏の方へと戻っていった。

 待つこと数分、とても鈍重な足取りでバランラは大きなあくびをしながら現れる。


「んがぁああ……おう、来たか」


「眠そうだな」


「徹夜で仕上げたでな。とりあえず、こっちは返しておくぞ」


 バランラから<マグガルム・コート>の上下を受け取る。

 強化されたことでプロパティと耐久値が上昇したうえ、見た目も新品のような仕上がりになっていた。


「作業のいい息抜きになったでな。そいつらを作った職人の名前を聞いてもいいかい?」


「ルクレシア王国にある服屋ネーエライの店主。名前はバーティだ」


「ほーう、バーティね。覚えておこう。んで、こいつが注文の品だ」


 バランラが片手に持っていた白布をカウンターの上に置いた。

 そのまま包んでいた布を取り外していき……()()()()()が露わになった。


「己が認めよう。それは、【超越装備】の成功品だとな」


 全てを喰らいつくすような漆黒の剣身。

 装飾は控えめで、純粋に破壊することを突き詰めたような見た目。






「──銘を<災厄星の光剣ディザスター・ファング>」






 【超越装備】、<災厄星の光剣>。


「鞘はサービスだ。主から受け取った素材をふんだんに使っておいたでな。それであれば、その暴れん坊を収めることができるだろうぜ」


 ついでと言わんばかりに、雷のような装飾が刻まれた鞘も一緒らしい。


「ありがとう」


「気にすんな。己も久々にやりがいのある仕事だった。それで、銘はどうするよ? 今なら変更することもできるでな」


「このままでいいよ。いや、このままがいい」


 鞘に納められた剣をバランラから受け取る。

 所持権利が俺へと移ったことで確認できるようになったプロパティを早速見て……




***

災厄星の光剣

装備可能条件:合計レベル300以上、STR3000以上、基礎INT7000以上

耐久値:2500/2500

装備補正:STR+50%、INT+50%、MP上限解放+50000

装備スキル:

《光喰い》

剣身を中心に周囲の【光】を喰らい魔力に変換する。

災厄星(ディザ・スター)

喰らった【光】を消費し極雷の斬撃を放つ。威力は吸収した光量に依存。

消費SP:吸収した光量に依存

クールタイム:吸収した光量に依存

***




「……はっ」


 あんまりな性能に思わず笑ってしまった。


(インフレやべー……)


 耐久値2500という異常な数値。

 装備するだけでSTRとINTが1.5倍になりMPの上限値が50000上昇。

 光を喰らうことでMPを回復し、吸収した光量依存ではあるものの雷属性の斬撃攻撃もできる。

 バーティが前、<マグガルム・コート>を高めに見積もって上の下の性能と言っていたが……あれは嘘でもなんでもなかったようだ。


(え、これマジで俺の装備でいいの?)


 マグガルムは進化すれば月光だけでなく光そのものを吸収して己の魔力に変換するようになったのかもしれない。

 そうであれば、条件が【月光】から【光】になっているのもうなずける。

 思わず笑みを浮かべそうになり……装備可能条件に目が移った。


(合計レベル300以上)


 問題ない。


(STR3000以上)


 これも問題ない。

 そして最後に……


(基礎INT7000以上……あ)


 基礎ステータスというのは他の装備の補正やアイテムやバフスキルの上昇を考慮しない場合の値だ。

 そして、INT7000は多くの設定可能ジョブを魔法職にしてカンストすればようやく届くぐらいの値である。

 ようするに、だ。


(装備できないわこれ)


 具体的に【闇魔法師】や【呪術師】がカンストした時のINTが1100だと言えばわかりやすいか。

 俺は【闇魔法師】に【呪術師】がカンスト済み。【魔術師】のカンスト時のINTが800なのでここまでで合計3000。ここ数日の上級モンスター狩りで【高位呪術師】の合計レベルが24まで上がったのと、他の下級職のお情け程度のINTが加わった程度。


 7000には到底届いていない。

 少なくとも魔法系統の上級職を1つはカンストしないと無理だろう。

 つまり、俺の今のステータスやジョブ構成ではこの装備を運用できないということだ。

 ジョブ構成を見直して、レベルを上げれば使用できるようになるが……


(そ、そうだったああああああ! 装備できるかどうかは別の話だった!?)


 強い装備だからといって汎用性が高いわけではない。

 装備条件が軽いものが汎用的に使える装備なのだ。


(終わった……)


 悪い、俺まだお前のことを使う資格がなかったみたいだ。

 装備できるようになるまでアイテムボックスでも肥やしておいてくれ。

 あと、超越装備舐めてました。

 生意気言ってすみませ……ん?


(……ユティナ。俺に憑依してくれ)


(え、ええ。わかったわ)


 百面相の俺にどこか引いた様子だったが、頼めば素直にユティナは憑依してくれた。

 これは装備でもなければアイテムによるバフでもない。

 スキルではあるが、ステータスを上昇させるものでもない。

 憑依時にユティナのステータスを俺のステータスに()()するスキルだ。

 俺の基礎ステータスを()()するスキルだ。

 ユティナの4000近いINTが俺に加算されたのを確認した後、そのままメニューから装備可能か確認し……


「──ユティナ、ありがとう」


「え?」


「本当にありがとう」


「え、え? 何が?」


 ただ、今はユティナに感謝を。



「挨拶は終わったか? どうやら、使えねえ問題もどうにかできたみてえだな」


「バランラ……?」


 バランラはなぜか小さくため息を吐いていた。


「……そうだな。主なら大丈夫だろうが、一応言っておくかのぉ」


 白い髭を弄りながら言いたくはない、が言わなければならないとでもいうべき態度。

 そして、そのまま鋭い目つきで俺を射抜いた。




「吞まれるなよ」




 それは、これまでで一番重みをもった言葉だった。


「装備が強くなったからと言って、主が強くなったわけじゃねえ。なんなら、そこから生まれる油断や慢心といった精神的な未熟さまで考えりゃあ逆に弱くなるなんて可能性もあんだ」


 過ぎたる力は身を亡ぼす、と言っているのだろう。

 一体どれだけ見てきたのだろうか。

 装備の強さに驕り、呑まれてきた者達を。

 どれだけ見送ってきたのだろうか。

 この老人は……


「驕り、油断、脆弱な精神なんてつまんねえ理由で装備を腐らせんな。使われんな。ちゃんと、使いこなせ。誰が主人か叩き込め」


 言葉はどこか暴力的で。

 だが、これこそが彼なりの激励なのだろう。


「それができて、ようやく主は超越者の遺物(超越装備)を扱う資格を得るわけだ」


「ああ、肝に銘じるよ」


「……よし、己から言えることはそれだけでな」


 言いたいことは言い終えたのかバランラはしっしと、まるで追い払うように腕を動かし……




「さっさと、あのクソ野郎(死の森)をぶっ殺してこい」




 竜人国の長老は相も変わらず、にまりと威圧感のこもった笑みを浮かべた。

Q:MP上限解放とMP+の違いは?

A:MP+10%は装備すれば基本的には現在値から計上してそのまま数値分が増加します。(基礎ステータスの残存値との減算率などから上昇量が変化するので、無限に装備を切り替えて実質消費MP0ような使い方はできませんが)

MP上限解放は装備してもMPの現在値が一切増えません。

また、ステータス表記の仕様上これでMP10000以上求められる装備の条件は達成できません。

同様にMP回復速度は据え置きのままです。

同様に割合MP回復系のアイテムも据え置きのままです。

MPを10%回復するアイテムで5000回復のようなことはできず、元々のステータスのMPの10%が回復します。

また、この上限解放は他の装備の影響の対象外であり一切変動することはありません。

装備状態が解除されると実質リセットされます。


参考の挙動として現在のMPが1000/1000の場合、

MP+10%の装備を付けると1100/1100になります。

MP上限解放1000の装備を付けると1000/2000(1000+1000)のようになります。

つまり、MPの基礎ステータスや装備の性能が高いほど装備を切り替えた時に相対的かつ早くに恩恵を受けられるのがMP+○○%です。

MPの上限解放はMPが回復するのを待たなければなりません。

外付けのハードディスクのようなものです。


Q:超越装備の作成費用が250万スピル+@は安すぎないか?

A:失敗のリスクや災片という素材の中で一番高価な素材を持ち込んでいる関係上作成費用はそれぐらいの価格に落ち着きます。また、完成品は価値が跳ね上がります。なので、ここでいう製作費の大半は職人の腕の値段です。そして、完成品の超越装備は基本値段がつけられません。


Q:超越装備強すぎない?

A:仕様です。ただ、装備可能条件に縛られているので一概に強いというわけではありません。

超越装備を2つ持っていても同時に使用できないなんて可能性も普通にあります。

超越装備の装備可能条件は

・合計レベル300以上

・指定のステータスが○○以上

・指定の基礎ステータスが○○以上

・指定の属性スキルを使用できるジョブに就いている

・○○を達成している。

・○○の実績が○○以下かつ○○であること。

のようなものがベースにあります。

これらの他にもっと複雑なものであったり、厳しい条件が課されている場合もあります。

旅人が大量に訪れるようになる前までは超越装備を担える天職を持つイデアはそれだけで貴重でした。


Q:装備条件を満たしてないと使えないのか?

A:耐久値2500で切れ味もあるとても頑丈な剣としてなら使えるので、一定の価値はあります。装備可能条件を満たしていないからと言って武器としての機能が死ぬわけではないためです。ただ、装備補正も乗らず、装備スキルも使用できないのでよっぽどちゃんとした装備をした方が火力は出ます。



解放条件を満たしたので以下の装備の情報を全て解禁します。


【超越装備】

震壊の魔杖(コラプスロッド)

装備可能条件:合計レベル350以上、基礎MP13000以上、一定威力以上の土属性魔法を使用可能

耐久値:2200/2200

装備補正:INT+70%、MP+100%、土系統魔法威力+30%

装備スキル

崩壊(コラプス)

振動系大規模破壊魔法。魔法に触れた対象を高密度の振動によって崩壊させる。

※防御無視。一定以下の格の装備の耐久値無視。

消費MP:100以上

クールタイム:10秒

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― 新着の感想 ―
超越装備も強化はできるのですか?  また強化できるとしたら最終強化までされた超越装備なんて 臨界装備に並ぶ性能になりそうでワクワクします。 でも超越装備の熟練度をためるのはとても長い道のりになりそう
他の武器種を選んでも性能は同じなのかな 個人的に刀がどうなっていたのか気になる
ついにマグガルムさんが仲間になりましたね
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