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第24話 ニュービーと初心者狩りと初心者狩り狩り

□ゴズ山道 クロウ・ホーク


 <ゴズ山道>はルクレシア王国西部に存在する初心者用の狩場で、鉱物系や石を纏ったモンスターが存在するエリアだ。


 その性質上、普通に攻撃するとダメージを与え辛いが、弱点であるコアや柔らかい部位を見つけ攻撃することで、楽に倒すことができるのをコンセプトにしたようなモンスターが多くいるらしい。


 俊敏な個体が少ないので、魔法職や後衛職の的当て練習場のような立ち位置にもなっている。


 見通しが悪いが、周囲からは話声や戦っている音が聞こえてくるし、目の前にも普通に初心者であろうプレイヤーが何人も戦っている。


 リポップ方式はモコ平野と同じように、岩の隙間や地面に空いている穴から<ロックラット>という岩を纏ったネズミや、<キューブ>という正方形の岩が動きだしたりしている形だ。


 初心者用の狩場の決まりなのかもしれない。

 <カイゼン樹林>は普通にランダムエンカウントだったからな。


 ルクレシア王国の管理している採掘場に続く街道も整備されているため、NPCの兵士の見回りも定期的にされている。


 街道には行商人らしきNPCが護衛と共に馬車を引いて移動しているのも見えた。


 アイテムボックスがあるのに、馬車は現役なんだよな。


 この場合、荷台を引いているのは馬ではなく調教された魔物なので魔車と言った方がいいのかもしれないが。


 人を運ぶ必要もあるということなのだろう。


(目的の場所は奥の方らしい)


(進みましょうか)


 メリナからは逐一情報の更新のメッセージが来ているので、それに合わせて移動するとしよう。



 ゴズ山道は兵士が見回りをしているという性質上、基本的に街道から外れ、人の目が届きづらくなったところでPKや恐喝行為が行われる。


 少し自信がついて、効率的にレベルを上げるために人が多い場所から離れ孤立したプレイヤーが狙われるわけだ。


(メリナから連絡が来た。そろそろくるぞ)


(わかったわ)


 俺はりんご飴から貰ったポーションを飲み、幻惑の仮面を装備した


 とりあえず7色のアフロをイメージしてみる。


(……ふざけているのかしら?)


(笑ってくれたら儲けものだな、隙が生まれる)


(それもそうね……)


 どうやら考えた通りの髪型にしてくれるらしい。

 まぁ普通に金髪ロングヘアーにしておこう。


 予め待機していたところから少し移動し、目標の位置が見える場所に着く。

 そして待つこと数分、数人のプレイヤーが談笑しながら近づいてくるのが見えた。


(あの人たちかしら?)


(ああ、特徴が一致してる、が1人違うな。誘い込まれた初心者かもしれない)


 3人組のパーティだ。

 2人は聞いていた情報と特徴が一致しているが、1人は初心者用の装備のままだ。


 初心者らしき少年は弓を背負い頭の上には、小さな竜が止まっていた。


 PKグループは【斧術士】と【土魔法師】、そして【爪術士】の3人組という話だが。


(【爪術士】がいないわね)


(そうだな、そいつが【賞金首】だから、誘い込む役にいないんだろう)


 そして、【土魔法師】の男が突然動き魔法を発動させ、少年の<アルカナ>を土魔法で拘束した。


(《土縛(アース・バインド)》だな。まずは前衛の【斧術士】を先に仕留めるぞ)


(そうね)


「《戦士の極意》」


 俺は《戦士の極意》発動し、《スラッシュ》と《武具切替》を指定した。

 そして、<呪われた投げ石>を思いっきり投げ駆けだす。


「え、え? なんですか!?」


「いやぁ、ほいほいついてきてくれて助かったよ」


「そうそう、さっさとアイテム全部置いて行ってほしいんだよね」


 男たちは、少年を脅すのに夢中になっている。

 隙だらけだな。


「え、嫌ですけど?」


「ああん!?」


「いいから黙っ……ん、反応? いて」


「痛くはないだろ、石……?」


 狙い通り【斧術士】の頭と、傍にいる鰐の<アルカナ>に強めに石が当たったのを確認する。


 ちゃんと、ダメージ判定はありそうだ。


「広がれ《呪縛(カース・バインド)》」


(《限定憑依(リミテッド・ポゼスト)》)


 対象を増やしつつ、【斧術士】と<アルカナ>に《呪縛》を発動させた。


 ユティナは《呪縛》の発動と同時に、俺から適当な防具に《限定憑依》の対象をずらす。


 わざわざ仮面を用意した意味がなくなるからな。


「なっ!? 後ろ……うご、けね」


「はぁ!? 《気配感知》はどうし……っくそ!?」


「ふっ!」


 <カイゼン樹林>で【mu-ma】を倒したときと同じだ。

 動きが止まった【斧術士】の首筋に<呪われた鉄剣>を叩きこむ。


 薄く光輝く剣は無抵抗な【斧術士】の首に吸い込まれ、《スラッシュ》と《首狩りの呪い》により威力を上乗せする。


 そして、【斧術士】の首は宙を舞い、そのままポリゴンとなって砕け散った。


 【土魔法師】の男は逃げていたので、警戒しながらメニュー操作で素早く別の剣を取り出す。


 《早食い》で《首狩りの呪い》の自傷ダメージを回復するのも忘れない。




 目と目が合ったら、まずは元気に挨拶するのを心がけよう。




「こんにちは、PKども! 楽をしすぎて戦闘の勘が鈍ってるんじゃないのかなああ!? あ、1人はもう俺の声聞こえないか!」


「て、てめぇ! なにしやがる!?」


「見てわかんねえのかよ? お前らPKを狩りに来たんだよ!」


 まずは俺の目的を伝える。


 これで仮面を被ったPKKがいるという情報がPK界隈で広がるはずだ。


 メリナから広めるのはリスクに繋がるから、これは俺の仕事だ。


 魔法職には【呪縛】は通らないため無理はできない。


 確実に【斧術士】を仕留めたかったため、始まりは上々といえるだろう。


(<アルカナ>はローブの下だな。情報通りだ)


 【土魔法師】のローブの中からタコのような触手が飛び出している。


 服の下に絡ませてプレイヤーを守るガーディアンタイプだっけか。


 《反魔触撃》という魔法攻撃に反応する迎撃スキルを覚えているらしいが、俺にはあまり関係ないな。


 【土魔法師】の男は戦闘態勢といった形で敵意を俺にぶつけてきているが……


「……微妙?」


「はぁ!?」


 物足りないと、そう感じてしまった。


 <プレデター・ホーネット>のような怖気の走る殺意もなければ、ハニーミルクみたいな理不尽な強さもない。


 奇襲されても的確に迎撃態勢を整えて反撃してきた【mu-ma】や【右手にポン】のような対応力もないし、【刃歯】のような何かをやらかしそうな無鉄砲さもない。


 味方が倒された横でただ距離を取るだけとか、想定よりも下だった。


 そして、ゴーダルやメリナのようなひりつくプレッシャーもないとなれば。


「殺意が、スリルが足りねえ……」


(クロウ、大丈夫? これが終わったらもう寝る?)


(いや、大丈夫だ。心配してくれてありがとな……)


(そう? それならいいわ)


 ゴーダルやメリナのことを言えないな。


 どうやら俺も戦闘やスリルを楽しんでいたらしい。


「なに言ってやがる! というかなんで俺たちがここでPKをするってわかった!?」


「お前らの行動を張ってたからに決まってるだろおお! わざわざ背後から襲ってやったのにわからないのかなあああ!?」


(行動を張ってたのは俺じゃねえけどなぁ!)


(メリナのおかげよね)


 《嘘感知》スキルは覚えてそうだな。

 メリナの言っていた通りPK界隈だとすでに情報が共有済みらしい。


 裏切者の存在を疑って問いかけてきたんだろうが、ぼろを出すわけがないだろ。

 スパイとして活躍しているメリナの存在は俺たちの切り札の一つだ。


(クロウ)


(ああ、わかってる)


 この会話は情報収集の意味がない以上、相手にとって無駄な時間だ。


 確認が済んだのなら、さっさと魔法を撃ってくればいいのに、まるで時間を稼ぐかのように俺の注意を引き付けている。


 つまり、来る。




 【土魔法師】の男がニヤリと笑った。




 ──下方より《気配感知》に反応あり。




「殺意ってのはこういうことかああ!」


 地面から隠密していたであろう大きなモグラ型の<アルカナ>とともに男が飛び出してきた。


「《三重爪撃(トライエッジ)》!」


 そのまま俺は、地面から軽く吹き飛ばされ宙に放りだされる。

 否、自分から合わせて上に飛び衝撃を和らげ、そのまま跳躍力に変えた。


「死ね!」




 ──目標を捕捉。




 俺は手元にある剣を手放し男の視線の正面に軽く(ほう)った。


「《呪爆(カース・ボム)》」


「ぐぁ!?」


 目の前で起きた爆発により動きが鈍った【爪術士】の攻撃を、モグラの<アルカナ>の背中を足場に軽く跳んでかわす。


 揺れる視界の中、空中で無理やり態勢を整え、隙を晒した男の首に向けて無手のまま振りかぶる。


「あ、当たってな……!?」


「しぃっ!」


(《反転する(インバージョン・)天秤(リーブラ)》)


 《武具切替》により再度<呪われた鉄剣>を取り出し、強く握りしめ、そのまま、振るう。


「……ッ!?」







「おっと!」


 俺は上半身から地面に軽く叩きつけられる。

 受け身を取りつつ、すぐに立ち上がり体の感触を確かめた。

 落下の衝撃でダメージは受けたが……


「よし、もう一匹と」


「……は?」


 そして、今回のターゲットである【賞金首】の首を切り落とし、男はそのままデスペナルティになった。


「あっ」


(壊れたわね……)


 <呪われた鉄剣>が壊れた。


 《呪爆》と合わせて武器を2つ消費したが必要経費だなこれは。


 <呪われた投げ石>で簡単に試してはいたが、やはり《呪爆》も使えそうなスキルだ。

 近距離での牽制札として十分役に立つ。


 《首狩りの呪い》も自傷ダメージが痛いが強かったし、今度作り直すとしよう。


 時間を見つけて現状最大火力である《カースインパクト》も大量に作る必要もあるしな。


 次の武器を取り出して、と。


「あとは、お前だけだな」


「くそ! なにが俺に任せろだよ!」


 このPK達のレベルも、メインジョブもサブジョブも、【爪術士】が地面に<アルカナ>とともに潜航し奇襲してくるのも、メリナからの情報でほとんどわかっていた。


 全員レベルが52か53とのことなので、結局<カイゼン樹林>や他の中級者向けの狩場でレベル上げをしていないのだろう。


(メリナが情報全部抜いてくれたから楽に追い込めたな)


(……私、メリナのことが怖いわ)


(俺もだよ。ただ、それ以上に頼りになるのも確かだ)


 あとは、俺が地面からの奇襲に対応できるかだけだったが、できるという確信があった。


 わざわざ襲うタイミングを【土魔法師】の男が教えてくれたのもあっただろう。


 今なら、<カイゼン樹林>で【mu-ma】や【右手にポン】が即座に迎撃態勢に移れたのも理解できる。


 隠密状態であろうと攻撃行動に移った時には、その状態は解除される。

 【斧術士】がデスペナルティになる前に俺の存在に気づいたのもそれが理由だ。

 反応が鈍かったのは、単純に【斧術士】の警戒が足りなかったからだろう。


 そして、敵がこちらに意識を向けてきた瞬間に必ず生じる一瞬の《気配感知》の感覚のズレ。

 それを見逃すことなく、対処すればいい。


「これは、癖になるな……」


 現実の身体では考えられない動き、拡張されていく感覚。

 システムアシストによる動作補正。

 スキルによる戦術の多様化。


 次のジョブを何にするか、今から楽しみだ。


「そこの少年! 相棒は助け出したか!」


「あ、はい! 無事です! ありがとうございます!!」


 【土魔法師】から目を離さず、PKに物資を狙われていたプレイヤーに声をかける。

 どうやら、ちゃんと<アルカナ>を助け出せたようだ。


「それじゃあ、あそこにいる人型モンスターを俺と一緒に倒さないか?」


 ついでに、少年を狩りに誘ってみる。


「え、でもそれって……」


 少年はどこか躊躇しているような感じだ。


 モンスターを狩りに来て、声をかけてくれた人が実はPKで脅されて、そこをいきなり他のプレイヤーが助けにきてくれて、そのいかにも怪しい仮面を被った長髪の男が今度は一緒にPKKしようぜと誘ってくる。


 うん、今すぐ逃げ出してもおかしくないな。


 ただ、せっかくなので初心者であろう彼にも、この楽しさを知ってほしい。


「いいや、あれは人じゃない。モンスターだ!」


「モンスター、ですか?」


「そうだ、会話も通じない自己中心的な行動原理、口を開けばアイテムを寄こせと言ってくる知的生命体ではありえない蛮行。信条もなければ覚悟もない。あれをモンスターと言わずに何と呼ぶ!」


「さっきから好き勝手言ってくれやがって! ぶっころ……」


「パウル! ドラゴブレス!!」


「は」


「え?」


 少年の<アルカナ>から放たれた竜の息吹が【土魔法師】の男に向かう。



 ──切り替えが速い!



「あ、《アースウォ、ぐがぁ!?」


「パウル、突っ込んで! 《集中(コンセントレーション)》、《早撃ち(クイックドロー)》、《追跡付与(チェイス・エンハンス)》、《破壊矢(ブレイクアロー)》! 《毒矢(ポイズンアロー)》! 《麻痺矢(パラライズアロー)》!」


 突然の攻撃に対処できなかった男が魔法で防ごうとしたが間に合わず、竜の息吹の直撃を食らう。


 少年がスキルを連続して発動し攻撃を仕掛けると同時に、小竜は突進する。

 それを【土魔法師】の<アルカナ>が叩きおとそうとするが。


「あれは、麻痺か!」


 触手の動きが鈍い。

 【土魔法師】の男も、まともに動けていなさそうだ。


「魔法のスキル発動もうまくできないのか……」


 魔法職は麻痺の対策必須だな。

 麻痺は確か、麻痺属性攻撃を食らって一定以上の蓄積値になると状態異常になるはずだ。

 即効性がない代わりに効果時間もそこそこ長く、強力な状態異常という位置付けだったはずだが、あのドラゴンのブレスは高い麻痺蓄積能力を持った攻撃ということだろう。


「麻痺のブレスを放てる前中衛の<アルカナ>と後衛の【弓術士】の組み合わせ、か」


「パウル、今のうちに削りきるぞ!」


「グギャアオ!」


 俺はいつでもサポートできる位置に待機して、その一方的な戦闘を見守った。


 【土魔法師】の男は不意を突かれた結果ついぞ反撃もできず、そのままデスペナルティとなりポリゴンとなって砕け散っていった。



「ありがとうございました!」


「いいや、無事でよかったよ」


 PKを撃退した俺と少年は、近くの岩に腰掛け話をしていた。


「オレ、ゴン太郎っていいます! こっちが相棒のパウルです」


 パウルと呼ばれた小竜は「ぎゃお」と一鳴きし、こちらに擦り寄ってきた。

 かわいいなこいつめ。


「俺は仮面屋とでも呼んでくれ。顏は一応隠して活動してるんだ」


「その仮面、前見えてるんですか?」


「被ってみるか?」


「いいんですか!?」

 

 俺はアイテムボックスから予備の<幻惑の仮面>を取り出し、ゴン太郎に手渡した。

 これでもトレードが成立できる。


 りんご飴はしばらく、<アルカナ>の情報は秘匿すると言っていたので、りんご飴が作ったことは知られる可能性は低い。

 そもそも、少しレアな<幻惑草>というアイテムを使えば普通に作れる装備らしい。

 メリナからも他のプレイヤーにも配っていいと言われてるので、問題ないだろう。


「おおお! 視界の邪魔にならないんですね!」


「ああ、装備スキルも見てくれ」


「はい! ……へー、装備中は髪型を自由に、ぶっふぉっ!?」


 俺の7色のアフロヘアーを見て、ゴン太郎は盛大に噴き出した。


「な、なんですかそれ! すごい!!」


「ある程度イメージ通りにできるらしいぞ」


「ほんとですか! どうです、変わってます?」


「おー、7色のモヒカンになってる」


(無表情の仮面との絵面はなかなか愉快ね……)


 あ、そうだ。


「そういえば、【通報権】はきてるか?」


「え。あ、来てますね。3人の名前が書いてあります。通報しますね」


「オーケー」


 俺には【通報権】が来ていない。

 つまり、彼らの反撃はPKではないと処理されたんだろう。

 俺から仕掛けたという都合、逆にこちらが通報される可能性もあるかといえば、そうでもないのはメリナが検証で確認済みだ。


 通報されたプレイヤーはPKフラグが立っていると考えていいらしい。


 あの悪女、本当に知りたい情報全部抑えてるな……


「よし、そしてこれだ」


「あの、トレード申請が来たんですけど……」


「ああ、さっきの【賞金首】たちを倒せたのはゴン太郎とパウルの頑張りのおかげだ。当然報酬は山分けしないとな」


「いや、そうじゃなくて名前……クロウさん?」


「あっ……」


(やったわね)

 

 やべ、せっかく仮面屋とか名乗ったのに普通にバレる行動をしてしまった。

 わざわざ幻惑の仮面を手渡しした意味もなくなったな。


(ま、まぁクロウなんてどうせ大量にいるし! ユティナという<アルカナ>とクロウを関連付けされなきゃいいんだよ!)


(<カイゼン樹林>のPK達には思いっきりバレてるけどね)


 細かいことは気にしない。

 少しでも情報を隠した方がいい程度の効果を期待しただけなんだし、バレても問題ないんだよ。

 どうせ、あと1週間もせずに終わらせる予定だからな!


「そこまで隠してたわけじゃないけど、一応オフレコで頼む……」


「はは、大丈夫です。絶対いいふらしたりしません! でも、いいんですか? オレは最後にいいところ持っていっただけなんですけど……」


「いいんだよ、俺がレアモンスターのドロップを横取りした形だしな。エンカウントしたのはゴン太郎が先だ。あの魔法使いは【賞金首】じゃなかったからドロップもないだろうし」


「それじゃ、ありがたく貰います! これで装備買い揃えて、オレもこう、ズバンと強くなります!」


「おお、頑張れ」


 再度カイゼン樹林でレベル上げをするために、ゴン太郎とはそこで別れた。


 メリナの方も自分が疑われないように、PK狩りするタイミングは調整するから、次の予定は少し待ってほしいと言われた。


 ちょうど、他のプレイヤーともコンタクトが取れたので、俺に頼む回数は減る可能性があるとのことだ。


(よし、適当に見回りしつつレベル上げに戻るか!)


(<カイゼン樹林>に戻るついでにルセスで適当に露店も覗きましょう? りんご飴に渡されたアイテムの相場ぐらいは把握しておいた方がいいわよね)


(それもそうだな、貰いすぎないように様子をみながら進めようか)


 俺たちは、次のPKK活動に備えるために<ゴズ山道>を後にした。

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