第18話 クマの着ぐるみのその中身とは?
□王都ルセス 中央広場 クロウ・ホーク
ログインすると、ユティナがそこにいた。
「あら、早かったわね」
「おう、感動の再会にむせび泣いていいぞ。死んだと思った相方が五体満足で生きて帰ってきたんだ」
「そうね、クロウが死んだら猫カフェに行く約束がどうなってしまうのか地獄の果てまで追い詰めて確認する予定だったけれど、再会できてうれしいわ」
「絶対思ってないだろ。そんな薄情な子に育てた覚えはないぞ」
「誰に似たのかしらね?」
たぶん、どうしようもないほど性格の悪い奴だろうな。
俺は存じ上げないが。
存じ上げないが!
「そうだ。ユティナ、ありがとうな」
「うん……? そのお礼はなににかしら」
「最後のサポート完璧だっただろ。よく合わせてくれたなって」
<プレデター・ホーネット>に最後に攻撃を仕掛けた時、俺が欲しいタイミングにしっかり合わせて《反転する天秤》を使ってくれたのだ。
「当然でしょ、この私よ?」
「自信満々なことで」
一体誰に似たんだか。
それはさておき。
「それじゃあ、ハニーミルクと連絡を取るか。お互いの報酬についても話し合わないとだしな」
「メッセージ機能で連絡がとれるのよね」
「ああ。とりあえず冒険者ギルド待ち合わせでいいだろう」
あそこなら、そう迷わずに集まれるはずだ。
パーティにはステータスが表示されフレンド欄にいるハニーミルクの名前はログイン状態になっている。
メッセージを送り少し待つと、デスペナルティ明けであろうハニーミルクからも連絡が返ってきた。
一言、OKとだけ書いてある。
「よし。それじゃ向かうか」
「ええ、そうしましょう」
メッセージを送った俺は、ハニーミルクと話し合うために冒険者ギルドへ向かった。
☆
□王都ルセス 冒険者ギルド本部 クロウ・ホーク
「まだ、ハニーミルクは来てなさそうだな」
「そうね、それにしても……」
「ああ、多いな」
冒険者ギルドの中はかなり込み合っていた。
プレイヤーを示す紋章がある人が多くおり、<アルカナ>のような動物もちらほらいる。
ゲーム内の時刻はそろそろ昼過ぎに差し掛かるといったところだが、確実に昨日よりも人が増えている。
「旅人はクロウと同じ世界から来てるのよね?」
「仮の肉体だけどな」
「ふーん。それなら人の少ない方へ向かいましょ」
ギルド備え付けの酒場の端の方に移動する。
適当に注文をすませ、ハニーミルクに酒場の方にいることを連絡しつつ、本日の成果を確認することにした。
「お、【呪術師】のレベルが1上がって55になってるぞ」
「<プレデター・ホーネット>の経験値がそこまで多かったってことよね」
「一応パーティ組む時、貢献度制にしといたから貰えても1割から多くても2割ってところだろうけど」
【Eternal Chain】でパーティを組んだ時は経験値の分配を貢献度制と等分配制のどちらかから選択することができる。
貢献度制は、戦闘の貢献度によって経験値が分配される。
それも画一的なものではなく、モンスターのHPを削った量から始まり、囮役や盾役、回復の貢献度はどれぐらい影響を与えたか、そのモンスターが倒されるまでの総合評価を基に経験値が分配される方式だ。
明確に実力や貢献が数字として表れるため、ゲリラ的にパーティを組む時や実力を高めあう時に使われるだろう。
等分配制は文字通りモンスターを倒したときにパーティメンバー全員に等しく分配される方式だ。
いざこざを防ぎたかったり、仲のいいメンバーで集まる際やレベルが低いプレイヤーのレベル上げなどに使われるだろう。
ただ、レベルに応じた適正狩場補正の問題があるので、強引なレベル上げをしようとすると結果的に効率が悪くなることもある。
ついでに、他のパーティに横取りやラストアタックを取られたときは基本的には貢献度システムが適応されるので、経験値だけ奪われるといった事態にはならない。
しかも横取りした側には【害意判定システム】によって悪意が確認された場合、経験値の取得ができないこともあるらしい。
場合によっては横取りした側が受け取るはずだったドロップアイテムや経験値すらも、その横取りされたパーティーに配分されることもあるそうだ。
一言かけるか、善意での支援が推奨されるようになっている。
「そんで、【賞金首】のドロップアイテムはっと……おお!」
「すごい量ね」
「ああ、そうだな」
そこには大量のドロップアイテムと共に、40000スピルを超える大金が入っていた。
ドロップアイテムの中には武器や回復アイテムも転がっている。
アイテムボックスの積載量が80%を超えたという表示がされているし、整理しないとだろう。
「それで、このスピルはどうするの?」
ユティナはそう聞いてきた。
このお金の一部は恐らく、【賞金首】たちに脅されたプレイヤーのものだ。
ユティナはこのお金をどうするか、確認したいということだろう。
いつ、どこで、誰が奪われたのか、俺たちが知ることはできない。
このスピルの所持権は既に【賞金首】の、そして俺の名前で上書きされてしまっているからだ。
そして、これに関して俺は決めていたことがある。
「これは使わずに取っておきたいんだけど……いいか?」
「ええ、いいわよ」
「そうだな、理由はちゃんと……ん?」
「どうしたの?」
「いや、理由は聞かないのかなと」
ユティナと俺は《念話》で話しあうことはできるが、考えを全て理解しているわけではないのだ。
「考えがあるのでしょう?」
ユティナは、いつか見たような、なにか面白いものを見ているような顔で俺のことを見ている。
「……ああ、少なくとも適当に装備買うよりはよっぽど世のため人のためになる、とびっきりの使い方がな」
「そう? それなら、楽しみにしているわ」
「楽しみにしておいてくれ、面白いものをみせてやるよ」
そんなことを話しながら、俺は冒険者ギルドの入口を眺める。
色々なプレイヤーがいて、見ていて楽しいのだ。
モヒカン頭にしている世紀末風のプレイヤーもいれば、エルフやドワーフであろうアバターで仲良くパーティを組んでるものもいる。
黒一色と白一色の服装と意図的にしてるであろう2人組や、獣率70%ぐらいの獣人など、個人の趣味嗜好が色々現れていた。
今ギルドに入ってきたのは、はちみつ色の長い髪をツインテールに纏めた小さなプレイヤーだ。
ツインテールは不思議とふわふわ浮いている。
こだわりを感じられるな。
俺も色々試してみてもよかったかもしれない。
そして、そのツインテールのプレイヤーは辺りをきょろきょろと見渡し、俺の方へ一直線に……
「ん?」
「……」
見られている。
身長は140センチほどなので、ちょうど席に座っている俺達と視線が並ぶぐらいなのだが、俺とユティナを傍でずっと見ている。
「えっと……席に座りますか?」
「ん」
返事をして、彼女はユティナの横に座った。
というか。
「お前、もしかしてハニーミルクか?」
「何言ってるのクロウ、身長が合わないでしょ。クロウと同じくらいはあったじゃない」
「いや、そうなんだけど……」
「くま」
「私もなんかそんな気がしてきたわね……」
やはり、ハニーミルクだ。
「そうか、最後の攻撃の衝撃でクマの着ぐるみの耐久値が0になって装備できなくなったのか。斧も壊れてしまったんだな。結局猛毒ではなく、自傷ダメージによる被害が大きくなってしまったと……」
「すみす」
「わるいな、鍛冶屋の伝手はないんだ。あとで冒険者ギルドの受付で修繕におすすめの店を探してもらえばいいんじゃないかな。相談に乗ってくれるだろ」
「くま」
「普通に会話してるところ悪いけれど、装備の身長とかみ合ってないわよね!」
ユティナの指摘を受けると同時に、ハニーミルクのツインテールの先っぽからちいさな何かが飛び出してきた。
なんかふわふわしてるなと思ったら、
「それは、蜂か?」
「きゅーと」
「そうだな、確かにかわいいかもな」
「……もふもふが足りないわね」
ミツバチをベースにした<アルカナ>だろうか。
確かに蜂の中でもかわいらしい見た目をしてはいる。
「《武具切替》」
ハニーミルクは小さなナイフを取りだした。
そして蜂が軽く光った後2つに分裂し、片方がそのナイフに取りつく。
そのまま蜂はナイフの柄の中に潜りこんでいった。
「ナイフに埋まってくな」
そしてナイフはなにもしていないのに浮き上がった。
蜂が潜り込んだ柄を起点としているようで、重心があるナイフの刃が下に垂れ下がるようになっている。
「なるほど」
ハニーミルクの方を見ると蜂はさらに複数に分裂している。
その数、10体以上。
「装備に寄生して、寄生箇所へ浮遊の特性を付与する能力か……」
「はちみつちょうだい」
装備に<アルカナ>が寄生することで寄生した箇所を起点にして、空中浮遊の特性を獲得する能力なのだろう。
原理としてはユティナの《限定憑依》に近いものだ。
であれば、クマの着ぐるみの身長と合わないのも納得できる。
「クマの着ぐるみもあの大きな斧も、すべてに<アルカナ>が寄生して強引に動かしてたんだな。そしてハニーミルクは中に入っていたと」
「ええ……それ怖くないのかしら?」
「ふぁん」
いわば絶叫系アトラクションに乗っているようなものだ。
空中に浮遊し、斧の重心と斧を振り回す遠心力を利用して縦方向に高速回転をする。
戦闘を見た限り制限はない。
おそらく、空中に浮遊した武器や防具は<アルカナ>の活動域であれば自由自在に飛び回れるはずだ。
それこそ空を飛び回る蜂のように。
統制や制御の仕方はどうやっているのか気になるが、俺とユティナのような《念話》や意思を<アルカナ>に伝えるスキルが他にあればコントロールするのも理論上は不可能ではないはずだ。
女王蜂がハニーミルクで、<アルカナ>が働きバチみたいな関係なのだろう。
「それで体のサイズに合ってなかったのは、装備の調整機能をオフにしてたと……」
「くま」
「ネタバラシを迫ったみたいで悪いな。俺達の能力は装備のマイナス補正をプラス補正に変換したり、ユティナが武器や俺に憑依してステータスや能力補正を強化するんだ」
「私は【天秤の悪魔】ユティナよ。よろしくね」
「くま」
気にしてないと、ハニーミルクは言った。
「それで、今日の報酬の分配なんだが、とりあえず約束通り、俺が入手した<プレデター・ホーネット>のドロップアイテムはハニーミルクに渡すよ」
そう言うと、ハニーミルクは手の平を前に出してきた。
お断りってことか?
「いいのか、欲しがってただろう? 少ないとはいえ、ドロップアイテムはあるんだぞ」
貢献度の都合、確かに数は少なかったが、ハニーミルクが欲しがってた高級蜂蜜らしき名前のアイテムがある。
というかほとんど蜂蜜だ。
俺の貢献度から報酬枠が確定して、ランダムでこうなったのだろう。
「はちみつあげる」
「そうか、ハニーミルクもドロップしてたんだな。おめでとう、でいいのか。それなら、あの【賞金首】のドロップアイテムもハニーミルクが有効活用してくれ。これを機にクマの着ぐるみ以外の装備も揃えたらいいんじゃないか?」
あ、そうだ。
「ユティナ、勝手に決めて悪い。これでいいかな?」
「問題ないわよ、あの混戦の中<プレデター・ホーネット>の相手をしながら【賞金首】を仕留めるのは私たちだけじゃ骨が折れたはずよ。乱入がなかったとしても負けること前提で何人道づれにするかって話だったし、全員倒せたのは間違いなく彼女のおかげだもの」
ユティナの許可も取れたことだし、これでよさそうだ。
アイテムボックスを整理しないといけないから、待たせるのも悪かったしな。
そんなことを考えていると、ハニーミルクはユティナの方に向き直った。
「……ユティナ」
「は!? な、名前!? 呼べたのか!?」
「え、ええ!? な、なにかしら!」
そして突然ハニーミルクは、ユティナの名前を呼んだ。
びっくりした、不意打ちもいいところだぞ。
ユティナも突然名指しされて驚いている。
「ハニーミルク」
「え?」
「ハニーミルク」
「えっと、ハニーミルク、ちゃん?」
そうユティナが名前を呼ぶと、ハニーミルクはご満悦と言った様子になり、アイテムボックスから何かを取り出した。
「はちみつあげる」
「え、ええ。ありがとう……これは、クッキー?」
「たべて」
「うん、いただくわ。ありがと……ん!?」
クッキーを食べると同時に動きが止まった。
そして、ユティナの目がキラキラしだした。
「おいしい! このクッキーすごくおいしいわ!」
「クロウ、あげる」
「お、おお。俺もか!? ありがとう……うま!?」
やはり蜂蜜クッキーだ。
ただ、味は想像を超えてきた。
上品な甘みが口いっぱいに広がる。
「すごいな。今まで食べてきたクッキーの中でも一番おいしいんじゃないか」
「はちみつ亭」
「へー、ドロップした高級蜂蜜と購入したレシピを渡して宿屋の女将さんに作ってもらったのか」
「くま」
「私もなんとなくわかるようになってきたけれど、裏の意図までよくわかるわね……」
そういうこともできるのか、なかなか奥が深いな。
あとユティナ、考えずに感じればなんとなく理解できるはずだ。
「とりあえず報酬の確認は終わったけど、ハニーミルクは今後なにをするつもりなんだ?」
そう聞くと、ハニーミルクは胸を張り堂々と言い放った。
「せかいせいふく」
「世界を蜂蜜で埋め尽くすだと!? なんという恐ろしい計画を立てているんだ!」
「そんなこと考えているの!?」
「はちみつとらっぷ」
「俺たちはその最初の礎に過ぎない! もう蜂蜜の呪縛から逃れることはできないということか!?」
「なんてこと!?」
「カイゼン樹林」
「とりあえず、金策と蜂蜜をため込むために<カイゼン樹林>で今まで通り狩りを続けるんだな」
「あ、そこは普通なのね」
ユティナは拍子抜けといったような顔をしているが、ハニーミルクにとってはそれが何よりも大事なのだろう。
りんご飴が猫カフェを開きたいと思ったように。
ゴーダルが己の力はどこまで通じるのか知るために決闘をしているように。
俺達がこの世界を旅したいと思ったように。
彼女にとっては、味覚が完全に再現されたこの世界で蜂蜜を食べ、そのおいしさを広めるのがこのゲームをする理由なのだ。
「俺たちはしばらくレベル上げだろうな」
「くま」
「おお、またどこかで一緒に狩りでもしような。なにかあったらメッセージを送ってくれ。こっちも用事があれば送るから」
「ハニーミルク、ちゃん。またどこかで会いましょう」
「ユティナ、クロウ。ばい」
「またな」
そうして、ハニーミルクは去っていった。
「……なんていうか、不思議な雰囲気の子だったわね。もう少し、怖い見た目を想像していたわ」
「まぁ、兵士さん曰くプレイヤーは基本変人が多いらしいからな」
「それ、クロウもよね」
何を言う。
これほどまでに清廉潔白で高潔無比な男はそういないぞ。
「……」
「クロウ、どうしたの?」
「いや、ちょっとな」
ハニーミルクの最大の攻撃手段は、本人も言っていた通り超高速縦回転による《大回転割》である。
【斧術士】はスキルのクールタイムが全体的に長かったり発動が遅い、最大火力になるのに時間がかかるという制約の都合かなり癖が強いジョブだ。
【槍士】や【剣士】のようなシンプルな強さというものではなく、いかに大きな火力をタイミングよくあわせて押し付けるかという重量級武器のような立ち回りになるだろう。
《大回転割》なんて一部じゃ隙だらけのネタスキルとまで言われているのだ。
あのような回転数に応じて威力が上がるスキルを、総じてぐるぐるバット攻撃と呼ばれたりもしている。
サブジョブによっては、今後新たな構築が開拓されるだろうが、現状は最初に選んだジョブ単体での運用に偏りがちだ。
そう考えれば、<アルカナ>による装備の浮遊という特性を利用し、斧の刃にある重心と振り落ろすことによる遠心力を利用した超高速回転による空中機動攻撃は実に理にかなっているといえよう。
実現可能であるならば、だ。
縦回転によってコンマ数秒で移り替わりゆく視界から得られる情報の処理能力。
10を超える<アルカナ>の起点へ的確に指示をだし、自らの肉体を傷つけないよう完璧に制御し勢いを落とすことなく回転空中飛行を行う思考能力。
何百本も生える木の隙間を揺れるように流れるように飛び回りながら、高速で飛行するモンスターを認識し的確に攻撃できる瞬時の判断能力。
そして、なにより飛びぬけているであろうアバター操作のセンス。
中に入っているだけ?
絶叫アトラクション?
寝言は寝て言え。
当然ジョブスキルによる補正もあるのだろう。
しかし、空気抵抗や重心のブレ、頭が焼けるほどの情報処理を行使しておきながら、それを感じさせずに、ましてや楽しいという余裕をハニーミルクはもっていた。
あれほどの勢いだ、物理演算が存在しているこのゲームではどこかにぶつかった際には大ダメージは必至だろう。
事実、彼女は高度から放った最大威力の《大回転割》による攻撃の反動によって、デスペナルティになったのだから。
つまり、あの最後の高火力がレベルを上げステータスを積み重ね、経験を積むことによって彼女にとっての普通の攻撃になるのだ。
<アルカナ>の成長という未確定要素も存在している。
必死に練習したというのであれば理解できる。
しかし、サービス開始3日目のこの時期に<プレデター・ホーネット>と正面から殴り合えるレベル60前後のプレイヤーがそんな練習をしている暇はない。
他のVRゲームで培ったノウハウだとしても、この短い期間で完璧にチューニングしたというのであれば、それはそれで異常である。
彼女は誰よりも早くレベルを上げ、誰よりも早く<プレデター・ホーネット>に挑んだのだ。
同じジョブ構成を、<アルカナ>の能力を与えられて、全く同じ運用方法をしようとして実現せしめるプレイヤーはどれだけいることか。
──ゆえに彼女は、VRという環境において人の道理を外れている。
「人外、か……」
与えられたハードは同じでも、ソフトの性能が常人とは違う。
ハニーミルクは、俺がこのゲームで初めて出会った【人外】だった。
☆
さてと。
「それで、悪かったな。待たせただろ」
「いや、いいさ。僕が来たのは彼女の後だったからね。彼女も気づいていたみたいだし、急かしたようで申し訳ないよ」
《気配感知》はどうやら、自分に意識を向けている相手と向けていない相手も識別できるらしい。
そんな発見をしたのも、今目の前にいる男が少し前からこちらを伺っていたからだ。
その姿を見るのは、サービス初日依頼だろうか。
「久しぶりだなガーシス、ゲーム内時間で4日ぶりぐらいか?」
「久しぶりだねクロウ。殺し合ったぶりだ。元気そうでなによりだよ」
俺とこの世界で最初に殺し合った3人組のプレイヤーのうちのその一人。
ガーシスが、そこにいた。
 




