04話 リンチプレイ
「ま、まさか星奈まで!? アイツがオレに恋する乙女とかになったらどうすんだ!」
ドタドタと走って居間に飛びこんだ。
「お、お兄ちゃん? なによ、入らないでって……言ったでしょ……」
「あ、あれ? 星奈のお兄さんって……こんなカッコよかったっけ?」
星奈と堀那さんがやけに熱い目でオレを見る。
その側には、かの”エベレストのおいしい水”ペットボトルが中身半分ほどになって置いてある!
「ギャーーッ! やっぱり!!」
星奈がフラフラとオレににじり寄る。
「あのね……お兄ちゃん、悩みがあるんだ」
そして「プチプチ」と胸元のボタンを外してゆく!?
「最近、おっぱいが大きくなって重くて痛いの。見てくれる?」
ギャーーッやめろ! 許可をとらずに胸元はだけるな!
それは肉親であっても、男にしてはいかん悩みだ!!
「ちょっと、星奈なに言ってんのよ! 兄妹だからっておかしいでしょ!」
ありがとう、堀那さん。妹の暴走をとめてくれて。
「あ、でも胸なら最近アタシも痛いかも。お兄さん、アタシなら妹じゃないからいいよね?」
ナニいってんだ堀那さん! 赤の他人にそれ言ったら、完全に痴女だ!
てか、君も胸を見せようとするんじゃない!!
思わず二人から後ずさると、ドンッとなにか柔らかいものにぶつかった。
それはいつの間にか背後に居た花京さん。
彼女は何も言わず後ろから抱き着いてスリスリする!
「わああああっ、ちょっと花京さん!! ヒイイイイッ」
そして前からは、とろけたような目をした星奈と堀那さんが胸元はだけて迫ってくる!
女の子三人にモテモテってキツいんだな。
このままでは理性がブッ壊れて家で乱交になりかねん。
それに妹も含めた彼女らをこんなにしてしまった罪悪感がヒドい。
さすがに耐えきれなくなったオレは、みんなにすべてを話すことにした。
「…………というワケだ。君達がオレにそういう感情を抱いたのは、このホレ薬のせいなのだ」
「な、なんですってぇー! なんて卑劣なヤツ! クスリで女の子の気持ちを操るなんて!」
「許せない! この初めての胸の高鳴りも、全部ニセモノだなんて! コノォ!」
ボカスカ ボカスカ ボカスカ
年下の女の子三人にメチャクチャに殴られた。
「うわあああああっゴメンよおおおっ。何でもするから許して!」
「だったら命ください。あなたを見て、こんなときめく体にしたあなたを許せそうにありません」
まさか死ぬほどの罪を犯してただなんて!
結局三人にさんざん殴られ蹴られ、ズダボロにされてしまった。
痛くて動けない。
「ハァハァ、どうだ、まいったか」
堀那さんはオレの真上でズウンと仁王立ち。
いや、それは良いんだけど、スカートでそうされると……
「あ、あの堀那さん。オレの真上でそうやっていると、その……見えてしまいますよ?」
そうなのだ。角度的にオレの目の前にはあざやかな青いパンツが。
「なによ。女の子のパンツを真下から見上げるなんて本当に卑劣なヤツね。見たいなら見なさい、この変態!」
ええっ! いや、コレは見せているんだろう?
なんでちょっと嬉しそうなの?
「むむっ、だったら星奈も! それ、お兄ちゃん!」
星奈までオレの目の前でスカートをまくり上げた!?
やめてくれえええっ! 妹のそんな姿は見たくない!!
「くうううっ、こんな最低野郎に見られるなんて! 屈辱で死にそうだわ」
花京さん、それはわざわざ二人に並んでスカートをおずおず上げながら言うセリフじゃないぞ。
しかもパンツの色は真っ赤。なんでそんなハデなのはいているの?
赤、青、白のパンツと三人の女子高生の下半身を見せられてクラクラする。
「やめろおお! 女の子が男にそんなもの見せてはいけません!」
「フフフフ苦しんでいるわね。だったら、もっと苦しめてやるわ。ホラホラァッ!」
堀那さんはグイグイとパンツを近づけてくる。
他の二人も対抗してからか、彼女に続く。
ヤバイ! この子たち、薬のせいで痴女化している!!
罪悪感にさいなまれて、この光景楽しむどころじゃないよ。
「フン、こんなものおっ立てちゃって。こうしてやるわ」
「ギャーーッ! そこはダメぇ!」
女の子の大事なものを見せつけられて、いつの間にかオレのムスコも元気に跳ね上がっていた。
それを花京さんはグリグリと踏みだした。
「らめぇっ! そこはキミたちにはまだ早い場所なの! まだ、さわっちゃダメェ!!」
「ククク……ホラホラぁっ!!」
なんだか、すごく恍惚としたエロい顔をしている。
オレのムスコを踏みながら苦しむ様を見てこんな表情するとか、いけない本性を引き出してしまったのか?
星奈と堀那さんも続いてオレをグリグリ踏み始める。
いや、これはもうリンチじゃなくプレイだろう!
三人の女の子たちが変態化していくうううっ!!
「ゴ、ゴメン。ホレ薬という魅惑ワードにときめいたオレもバカだった。ゼーレさんに頼んでそれを治してもらうよ」
もう女の子の心を薬で操ろうなんて考えないよ。
罪の重さを体中に刻まれた。