247話目
いつも感想ありがとうございます(^^)
今現在は、メールで執筆して存在しないメール執筆用の送り先に送って送信BOXに移動させて、さらにそのメールをコピーして……という流れで作業してます。
精神的ショックで凹んだヘルツさんを眺めながら、主様はふふんと小さく鼻を鳴らして上機嫌な様子で俺へ頬擦りをしている。
どうやら自分は俺に頬擦りしても嫌がられてないってところを改めてヘルツさんに見せつけたいらしい。
いや、俺だって人前は恥ずかしいからな?
主様が嬉しそうにぽやぽやしてるのもあるし、俺自身も嫌ではないからおとなしく頬擦りされてるけど。
プリュイ程ではないが、俺の頬ももちもちでふわふわだからな。
あ、それ以上に主様の頬は艶々さらさらなんだけど、触り心地を知る人は少ないよな。
脳内で誰へ向けてかわからない自慢をドヤッとしている俺の現在地は主様の膝上で、その主様はいつもの暖炉前のソファに腰かけている。
そう、今いるのは玄関先ではなく家の中だ。
何が幸いするかわからないもので、精神的ショックに凹んだヘルツさんを確認した主様は、家の中へ招くことを了承したのだ。
ヘルツさん達に敵意がないのを理解したから……だよな?
精神的な追撃して楽しんでるとかじゃないよな?
ヘルツさんと並んで腰かけてるファラドさんが、仕方ないなぁと言わんばかりの呆れた表情をしているから日常茶飯事っぽいし、あまり心配しなくてもそのうち立ち直るんだろう。
俺はドヨンとしているヘルツさんをチラ見しながらも、ファラドさんからの丁寧な謝罪とアルコールが入ってないとやたらと強調されたお菓子を受け取る。
「実害は無かったんだから気にしなくていいのに」
へらっと笑って謝罪とお菓子を受け取った俺に、ファラドさんは真剣な表情のまま大きく首を横に振る。
「ロック鳥の素材とテーミアスの素材。どちらも難易度は下級の冒険者が受けるような依頼ではない。特にロック鳥は運が悪ければ死んでいたとしてもおかしくないんだ」
真っ直ぐ俺を心配してくれてるファラドさんの言葉をそれ以上否定するなんて出来ず、俺は無難な相槌を打つ。
テーミアスの口利きでロック鳥から羽根を貰ったりしたから、何かズルをした気分だけど、アシュレーお姉さんからそのことはあまり言わない方が良いと言われてる。
あと、
「そうなんだ……って、主様痛い痛い、俺生きてるし、無傷だから! 一緒に風呂入ってるんだからわかるだろ?」
運が悪ければ死んでいた、という言葉に過剰反応した主様から全力で抱き締められ、今にも服を剥ぎ取られそうになった俺は、必死に説明をする羽目になった。
で、ついでに、
「おれの目が黒いうちはジルぼうずに不埒なことはさせないからな」
てな感じで、ヘルツさんが劇的な復活を果たしてしまったため、俺を抱き締めてる主様と睨み合うことになる。
そのおかげで主様の手が止まったのは幸いだ。
その後は主様とヘルツさんが、どちらが俺に好かれてるかという謎マウントをとり始めたりもしたが、概ね平和にお茶とお菓子を一緒に楽しみ、あのぬいぐるみのお礼を伝えて、ヘルツさん達とはお別れとなった。
昼ご飯を一緒にと誘おうとしたところ、俺は主様によって無言でローブの懐へしまわれてしまった。
それを見たヘルツさんが何か怒鳴っていたようだが、ファラドさんが黙らせたらしく静かになったので、俺は主様のローブの内側から二人へ向けて挨拶をした。
主様がさっさと家の中へ戻ったみたいだから、聞こえたかはわからない。
咄嗟に俺から飛び立ったテーミアスにあとから聞いた話によると、ファラドさんが笑って頷いてくれたらしいので、きちんと聞こえていたようで何よりだ。
ヘルツさんは見えなくなるまでブツブツと主様への文句を言い続けていたらしいけど。
●
「そういえば……」
昼ご飯を食べた後、主様の膝枕で昼寝をした俺は、読書をしようと俺用になっている書庫な部屋へ向かう途中、先程の爆発音を思い出して主様産の雪が積もっている庭へと向かう。
「ヘルツさん達も無傷だったし、主様が威嚇で鳴らしただけだよな?」
これで雪が吹き飛ばされてて、皆の雪だるまやかまくらにダメージがあったら嫌だなぁと思いながら庭へと降り立った俺は、目の前の光景にしばし固まる。
いや、降り立つ前から掃き出し窓から見えてはいたが、あまりの変わり様に降り立って確認するまで信じられず、見間違いかと思ってしまったのだ。
「溶けるどころか、増えてるし……」
思わずポツリと洩らしていると、俺が庭へと出たことに気付いたプリュイが飛んで来て、毎度お馴染みなもこもこ姿へ大変身だ。
着込まなくても、服の中に昼寝をしているテーミアスが入っていて温かいのだが、プリュイは無言で微笑んでぷるぷるしていたので諦めて着せてもらった。
そんなことより、目の前の庭の光景の方が重要だったせいもある。
思わず洩らした呟きが示した通り、庭に積もっていた真っ白な雪はこの日差しの中でも全く溶けてはおらず、それどころか中々な高さの雪山まで増やしていた。
「…………これもしかして主様か? あ、もしかして、プリュイの言ってた『大丈夫になる』って、こういう意味だったのか?」
「ハイ」
おずおずとプリュイに問いかけると、つるりとした面に笑顔を浮かべて返事をしながら、満足そうに三体並んだ雪だるまの方を見ている。
「これなら春までは一緒にいられそうだな」
主様に限って、魔力足りないとか魔力勿体無いなんてことは無いだろうから、春まで雪だるまの無事は確定したも当然だ。
「そうデスね。──ズット一緒デス」
俺の隣に立ったプリュイは、俺の言葉にしっかりと同意してくれて、嬉しくなった俺はプリュイへとしがみついてえへへと笑った。
「よし、せっかくの雪山だし、上から滑ろうぜ?」
主様作の雪山は、触れてみるとスキー場のゲレンデのようなしっかりとしたものだったので、俺はそんな思いつきを口にする。
高さもそこそこあるので登るのもいい運動になるなぁと思って眺めていたら、出来る魔法人形なプリュイが階段まで作ってくれた。
「これなら、春までにまたナハト様とイオを呼んで遊ぶのもいいな」
家の二階とほぼ同じ高さな雪山の天辺から周囲を眺めていると、窓からこちらを見ている主様と目が合う。
「主様、ありがと!」
叫んだら聞こえたのか、主様からは蕩けるような微笑みが返ってきて、俺の方も蕩けそうになって雪山から落ちそうになり、それを見て慌てた主様が窓をぶち破って飛んで来て、落ちそうになった俺を抱きとめて助けてくれた。
「ナニをしてるンデスか?」
窓をぶち破った主様は、プリュイからちょっと怒られていた。
いつもありがとうございますm(_ _)m
そのうちに慣れるのかもしれませんが、とりあえずまだ慣れません。
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