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238話目

お読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m


感想、ありがとうございます!

ざまぁに関して不足があったようなので、タグを少し変えました。

それに関しては一つ前の活動報告にて書きましたので、特に本編を変えたりはしないつもりです。よろしくお願いしますm(_ _)m

「夕ご飯はカレーライスと……冷えるから主様の好きなあのスープにするか」

 アルマナさんに絞られた衝撃からまだ立ち直れないらしい主様を背後に背負いながら、俺は主様が少しでも元気になるようにと考えたメニューを夕ご飯にすることにした。

 どちらもよく作るメニューなので、プリュイもすっかり手順を覚えてくれていて、いつもより早く出来上がってしまった。

「ほら、主様。ご飯にしようぜ?」

 しまってもらうのを忘れてて茶色くなってしまっていたバナナを剥き、チョコレートと生クリームをぶっかけてデザートとして付けて、今日の夕ご飯は完成だ。

 一汁三菜の食卓にも憧れるけど、体を壊さず美味しく食べられれば何でも良いよな。

 主様に関して言えば、生肉丸かじりな食生活に比べれば、大概の物がマシになるか。

 そんなどうでも良いことを考えながら、プリュイに手伝ってもらって食卓に出来上がった料理を並べていく。

 その間も主様は背後霊のようにべったり俺の後ろに陣取っている。

 先程までとは違うのは、背後でくんくんと匂いを嗅いでる気配がするので、食欲が出て来たのだろう。

 カレーの匂いの持つ力は、前世のバラエティ番組でネタにされて検証されるぐらい強力だから仕方ないよな。

「ほら、冷める前に座って食べようぜ?」

 主様にテーブルを挟んだ向かいのソファを示して、俺もソファに腰を下ろそうとしたのだが、無言のまま主様に腰を鷲掴みにされて膝の上にオンされる。

「カレーは汚れるから自分で食べたい……あーもー、わかったよ」

 食べさせる気満々な主様の視線に俺が勝てる訳もなく、脱力しながら主様へと身を預ける。

 最悪の場合、そのままお風呂へ直行しても良いし、服に付いたとしてもプリュイなら何とかしてくれる……はず。

 これぐらいで主様の気分が浮上するなら安いもんだ。


「あーん?」


「あーん……」


 上機嫌にぽやぽやしている美人さんからのあーんという羞恥プレイな夕ご飯を終えて、やっぱりというかベタベタになった口周りは主様に舐められた後、プリュイがしっかりと綺麗にしてくれた。

 毎回思うけど、プリュイがいる自宅では主様が舐める必要性はゼロだと思う。

 かと言って、外なら〜ってなる訳じゃないけどさ。

 主様が自分の分のカレーライスを食べ始めた姿を横目に、俺は主食を食べ終え、デザートのバナナを自分で食べていく。

 主様はデザートも食べさせてくれようとしたのだが、主様自身が全く食べてないことに気付いて何とか心を鬼にして止めたのだ。

「ロコ、美味しいですか?」

「んっ」

 バナナを目一杯口に詰め込んだタイミングで問いかけられてしまい、俺は無言で頷くことしか出来ない。

 焦ってしまったせいで、たっぷりとかけたチョコレートと生クリームと口の端から垂れた気もする。

 こうなるとまた主様に、と思っていたが、すかさず伸びて来たプリュイがてちてちと俺の顔を撫でてサッと去っていった。

「ありがと、プリュイ」

 やっと口内のバナナを飲み込み、引っ込んでいくプリュイにお礼を言うと、言葉の代わりなのかゆらゆらと触手の先っぽを揺らして返してくれた。

 猫の尻尾みたいで可愛いなあと思って笑顔で見ていると、

「ちっ」

と背後から明らかな舌打ちが聞こえる。

 バッと背後を振り返るが、そこにいたのはぽやぽやとしながらバナナを食べている主様だけだ。

「テーミアスの寝言か?」

 舌打ちらしきものが聞こえたのは間違いないので、もしかしたら暖炉の前の籠に入って丸くなっているテーミアスの寝言だったのかとそちらを見る。

 少し離れているのでわかりにくいがよく寝ている。

「なにか夢でも見てるのかな」

 モゴモゴと口元が動いてるのが確認出来たので、やはりテーミアスの寝言だったのだろう。

 そう納得した俺は、夢中になって食べたせいか頬に生クリームを付けている主様に気付き、ちょっとした悪戯心から先程のお返しとばかりに舐めておいた。




 怒られはしなかったけど、主様のぽやぽやが消え失せて真顔になってしまった。




 やり返されるのは苦手らしい。

 夕ご飯が終わって一休みしたら、いつも通りのお風呂の時間だ。

 主様と一緒に入るのはすっかり決定事項になってしまったようで、今さら一人で入るなんて言い出せない空気になってしまった。

 嫌ではないのだが、俺がもう少し大きくなったとしたら気恥ずかしさから想像するだけで茹だりそうだが、その時には一人で入浴するようになっているだろう……たぶん。



 そんな少しシリアスなことを考えて現実逃避をしている俺が何をしているかというと……。



「たのひい……?」



 浴槽内で向かい合う体勢で主様の足の上に乗せられ、楽しそうに頬をほんのりと染めて微笑んだ主様によってもちもちと頬を揉まれていた。

 別に俺が特別もちもちな頬の持ち主という訳ではなく、六歳児の標準装備だ。

 主様は普段から子供と触れ合うタイプじゃないから、俺の頬の柔らかさが妙に気に入ってしまったらしい。

 浴槽に浸かってから、ずっと楽しそうに揉まれている。

 痛くはないけど、微妙な気分だ。

 けれど、揉んでいる主様が楽しそうだから、俺も楽しいというか嬉しい。

 でも、これをされていると主様と話せないのが、少し寂しくもある。

 そんなことを相変わらず少しシリアスに考えながら、俺は主様が満足するまで頬を揉まれ続けるのだった。

 お風呂から上がって自室のベッドへ転がっていた俺は、読み聞かせにやって来たプリュイを見てとあるお願いを口にする。

「プリュイ、頬少し冷やしたいんだけど、お願い出来るか?」

「ハイ。……どうしマシタか?」

 本をしっかりと掴んだまま、左右の脇腹から出した触手でひたっと俺の頬を冷やしてくれたプリュイは、心配そうに冷やしつつ頬をさすってくれる。

「んー? 主様が触り心地気に入ったみたいで、お風呂入ってる間中ずっと揉まれたから、なんか熱持っちゃってさ」

 苦笑いしながら肩を竦めてみせると、プリュイも呆れた様子でゆるく震えている。

「デハ、ジルが寝るマデ冷やしテおきマス」

「ありがと。頼むな」

 冷却シートや湿布と違っていくら動いても剥がれないプリュイのひんやりとした感触と、読み聞かせをしてくれる優しい声を子守歌に、俺はゆっくりと穏やかな眠りの世界へと誘われ目を閉じる。



 うつらうつらと微睡みの中で、プリュイの読み聞かせの声が途切れてベッドが傾いだのを感じた気がし、ほぼ眠りながらも俺は口元を緩ませて……、



「おやすみ……」



 かろうじて紡いだのは、ベッドを傾がせた相手への言葉か、読み聞かせをしてくれたプリュイへの言葉なのか。

 ほとんど眠っていたので俺自身にもわからないが、何処よりも安心してしまう温もりに包まれて、俺の意識はあっという間に深い眠りへと落ちていった。


いつもありがとうございますm(_ _)m


感想などなどいつも反応ありがとうございます!


前書きで書きましたが、誤解しないで欲しいのですが過激なアンチでなければ、ご意見も大歓迎ですので。

このタグだと勘違いされるよーとかこういうタグ付けたら?とか、正直助かります。


皆さん、よくあんなに上手くタグ付けされるなぁと感心しております。


色々語りましたが、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m




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