表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
200/399

とあるルーティン

これが通算200となる投稿なので、記念ではないですが本編には関係ない話を一つ。


本編には関係ないので、見なくても全く問題はないですm(_ _)m


ここまで来れたのも、読んでくださった皆様のおかけです。


5話で終わる予定だった話なのが、なんでこうなったかはわかりませんが最後まで書き切りたいです。


これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m

●とある幼児の一日


 ──早朝。


 自らのベッドで目覚めたのは、年齢の平均より少し小さめな黒髪の幼児。


「ん、またいる……」



 寒くなったから仕方ないと受け入れたら、ほぼ毎朝ベッドに潜り込んでくるようになった家の主人を見て一言ポツリと洩らす。

 暑くなると来なくなるのか、と思いながらもちょっとそれは寂しいと思っている模様。

 主人の眠りが深いのでゼロ距離でも完璧な寝顔を堪能してから活動開始する。



 途中自分よりさらに早朝から活動していると思われる魔法人形と遭遇。

 めり込んでから朝の挨拶を交わす。

 顔を洗ってもらい、朝食の用意をしてから意外と寝汚い主人を起こして一緒に朝食。



 ──日中。



 以前は本人の知らぬ所で家の主人による首輪付きで檻へ監禁フラグが建ちまくっていたが、魔法人形からの『ウザがラレて嫌われマス』の一言により主人が今は我慢しているのではないかと思われる。


 閑話休題。


 主人の我慢により一人での外出が叶うことになった幼児は、楽しそうにパタパタと軽い足取りで外出。

 行き先は買い物か冒険者ギルド、または某騎士団長のお屋敷となる。

 某騎士団長の屋敷の場合だけ、家の前に馬車が横づけされる。

 某騎士団長の屋敷では、次男と三男と遊んだり、共に屋敷の主人から剣の稽古を受けている。

 ここは安全地帯だとわかっているので、幼児ものびのびと過ごしている。

 冒険者ギルドへ行く場合は、当社比程度のキリッとした面持ちで向かう幼児だが、大体の場合冒険者ギルドには後見の面々の誰かがいて、幼児を愛でている姿が見られる。

 某受付嬢からの『そんな小さな子が〜』のいつも挨拶じみた小言を聞き流しながら、仕事の出来るベテラン受付嬢から依頼を受けて出発。

 無事にこなして、行き先で昼食をもらったり自分の弁当を出して食べたりしてから、冒険者ギルドへ帰着。

 依頼達成の報告をして帰宅の途へつく。



 その様子を遠くからずっと眺めている赤色がいることに気付けるのは、冒険者ギルドのギルドマスターと色々悟ってしまっている幼児の後見達ぐらいだろう。




 ──夕方。



 無事に帰宅した幼児を、何事もなかったように玄関で迎える家の主人と魔法人形。

 どちらが幼児の世話をするかでさり気なく揉めているうちに、一人で洗面所へ向かう幼児を『話し合い』で世話役を勝ち取った方が回収。

 夕飯のメニューは幼児の気分と、幼児の作ることが出来るメニュー、最近熟読している『タロサの料理帳』からメニューを決めることもあり。

 家の主人が特にお気に入りなのは、幼児お手製の体があたたまる野草入りスープとカレーライス。

 揚げ物は幼児の火傷率が高いため家の主人が厳戒態勢に入ってしまうので、最近は魔法人形が揚げ担当になっている。

 食べこぼしはほとんどしないが、どうしても口周りなどは汚してしまう幼児を、家の主人と魔法人形が嬉々として世話しながら夕食は終了。

 ちなみに食事中の世話に関しては、どのタイミングでも同じ現象が見られる。



 ──夜。



 その日の行動により入浴のタイミングは違うが、あまり汗を掻いたりしてないようなら夕食後、汚れたり汗を掻いてるなぁと思ったら帰宅後すぐ入浴となる。

 一人でも入浴出来る自立心溢れる幼児だが、この幼児限定世話好きな家の主人と、もとより人の世話を焼くように造られた魔法人形による入浴介助がもれなくついてくる。

 その後、眠る前に勉強をすることもあるが、眠気に弱いのですぐにうとうとし始めてしまい、魔法人形による読み聞かせ付きで自室のベッドにて就寝。



 これにてとある幼児の一日は──。



 幼児が眠りに落ちる頃、ガチャリと部屋の扉が開き、ひっそり部屋へ入ってきたのは家の主人で。

 魔法人形の冷たい眼差しなど気にも留めず、眠る幼児の隣へとそっと横になる。

 稀に幼児が目を覚ましてしまう場合もあるが、家の主人が微笑んで頭を撫でるとふにゃふにゃと笑ってまた眠ってしまう。



 これにて本当に、とある幼児の一日は終わり、また同じような一日が始まるのだ。



●とある魔法人形の一日



 ──真夜中〜早朝。



 閑静な住宅街の中で、近隣が全て空き家というかなり静かな立地の一軒家の中を歩くのは、真夜中に出会ったら悲鳴を上げられること間違い無しの青く半透明な人型をした魔法人形。



 睡眠を必要としない魔法人形は、家人が寝静まった後も気配を消して活動をしている。


 この時間帯の主な仕事は、家へと近寄る『害虫』の『掃除』となる。

 世界最凶と名高い創造主により一度破壊され、その結果泣いてしまった幼児の機嫌を取るために直された際にとてつもなく高機能な改修を施されているので、一体で軍隊並みの戦力となっている。

 だが今のところその恐るべき高機能は、とある白い害虫退治と守るべき幼児の世話と料理の手伝いぐらいにしか発揮されていない。

 普段は歩くとてちてち音がする魔法人形だが、幼児が眠っている間に動く際は全くの無音で室内を移動している。

 近所はほとんど無人なので、真夜中に窓の外側を原型を留めない姿で拭いている姿が見られることもある。



 ──朝〜夜。



 あえて幼児の移動ルートをゆっくり掃除して、朝から体当たりをかましてくる幼児をやんわりと叱ってから二人きりの時間を過ごす。

 朝食作りの手伝いをして、幼児から自分用の朝食をもらってちまちま味わって食べている。

 創造主でもある主人がいない際は、幼児と食事を共にすることもあるが、基本的に一人での食事となる。

 幼児と食べる際は、毎回幼児が喜ぶので口からきちんと味わってみせるが、幼児の見ていない所ではスライム的な捕食をしていることが多い。

 どちらでもきちんと味はわかっている模様。



 ──夜。



 幼児の世話焼き担当を主人と地味に取り合い、勝った場合は幼児と一緒に入浴して寝かしつける。

 負けた場合でも風呂上がりの世話は魔法人形の担当となる。

 絶妙に他人の世話が不得意な主人が全て世話を焼くと、幼児が湯冷めしてしまう確率が高いためだ。



 幼児を寝かしつける際は読み聞かせをするものだと何処からか情報を手に入れた魔法人形は、幼児の体調が悪い時以外は眠る前の読み聞かせを欠かさない。

 読み聞かせる本を選ぶのは魔法人形に一任されているので、魔法人形は幼児用に主人が用意した本棚から適当に選んだ本を読み上げている。

 たまに幼児から要望があれば、もちろんそちらを優先して読み聞かせをしている。




 幼児が眠ってしまうと魔法人形は柔らかい眼差しを一心に注ぎ、忍び込んでくる主人を幼児へ向けていた眼差しとの温度差の凄まじい冷め切った目で見てから、そっと幼児の部屋を後にする。




 ──再び真夜中〜早朝。



 眠りを必要としない魔法人形は、今日も幼児と………………念のため主人の眠りを守るため、キリッとしてふるふると屋敷内を見回っているのだ。




●とある最凶人外の一日



 ──朝。


 黒髪の幼児をしっかりと抱えて目を閉じているのは、夕陽色と幼児が例える美しい赤毛を持つ類稀なる美貌の青年。


 青年の朝は眠ったふりをして隣ですやすやと眠る幼児をガン見………………見守って始まる。

 たまに堪え切れず頬を甘噛みしたりもするが、幼児は朝までぐっすり眠っているので今のところは気づかれていない。

 幼児が起こしに来てくれるまで寝たフリを続け、その後幼児が作ってくれた朝ご飯を幼児をガン見しながら食べる。

 依頼を受けている場合は、後ろ髪を引かれつつ外出する。

 ない場合は──…………。



 ──昼〜夕方。



 依頼を受けている場合は外で適当にナニかを食べていたが、最近は幼児お手製のお弁当、または作り置きして収納に入れてある料理を人目のつかない場所で食べている模様。

 幼児と共に家にいる場合は、幼児と一緒に昼ご飯を食べてから、午睡をする幼児を抱えてガン見しながら書類仕事をしていることもある。



 幼児だけが一人で外出している場合は、常に色んな手段を用いてストー…………陰ながら見守りをしている。

 今のところは幼児には(・・)バレていない。




 ──夕方〜夜。



 帰ってきた幼児をしっかりと抱き締めて全身舐め回すように見て無事を確認する。その際、1日中ガン見していたことなどおくびにも出さない。

 幼児が話す内容をぽやぽやと無言で聞きながら、万が一にも自分が知らない所で何かあったなどという話が出て、それに原因となった相手がいた場合は…………。



 幼児との入浴の際は、特にお気に入りな幼児の黒髪を念入りに洗う。

 体を洗うのは何故か不得意で、毎回幼児を押し倒してしまっている。




 ──真夜中。



 部屋の主である幼児が寝静まった頃、熟睡している幼児を抱きかかえて自室へと戻ってしっかりと懐へと抱え込む。




 大切な大切な宝物が誰にも奪われないように。




 最近はその『宝物』が自分が夢遊病なのではと悩み始めた上、魔法人形からの軽い脅しもあって幼児をベッドから拐う回数は不承不承だが減らしている。



 寒さを理由にすればベッドに潜り込んでも気にされないと気付いてからは、魔法人形の冷たい視線など全く意に介さず──今日も幼児のベッドへ潜り込んで、とある最凶人外の一日は穏やかに終わりを告げるのだ。







 …………始末すべき相手がいない場合に限り。

本当にここまでありがとうございますm(_ _)m


ジルヴァラが暴走していくので話が全く進んでくれませんが、なまあたたかく見守っていただければ幸いです(^^)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ