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106話目

おはようございますm(_ _)m


いつも感想ありがとうございます(。>﹏<。)


しっかりと燃料投下されてます(*´艸`*)


もちろん、読んでくださってる全ての方にありがとうです(`・ω・´)ゞ

少しでも一緒にニマニマしていただけたら嬉しいです(^^)

「んー……」



 ぐっすり眠ったおかげで目覚ましいらずのすっきりした朝を迎えた俺は、ぐーっと伸びをしながらベッドから降りる。

 いつ戻ったかわからないが、今はベッドで爆睡している主様が運んでくれたのだろう。

「いつもありがと、主様」

 主様を起こさないように小声で囁くと、俺はパタパタと寝室を出て洗面所へ向かう。

「おはよ、プリュイ」

 今日はぶつかることなく途中で出会ったプリュイへ、へらっと笑って挨拶すると、伸びて来たプリュイの触手に頭を撫でられる。

「おはようございマス、ジル」

 触手に頭を撫でられる子供って傍から見たらホラーだよな、と少し眠気の残っている頭でぼんやり考えていると、触手がするする戻っていく。

「寝癖ついテまシタ」

「ありがと、プリュイ」

 結局本日も飛びついて癒し系ボディを堪能してから俺は洗面所へ向かい、洗濯物を干しに行く途中だったプリュイとはそこで別れる。

 冷たい水でバシャバシャと顔を洗ってシャッキリした俺は、ぷはっと顔を上げて鏡を見ながらタオルで顔を拭く。

 そういえば洗面所にも踏み台が設置されたので、顔を洗うのにいちいち風呂椅子を持って来る必要がなくなって楽だ。

 この踏み台は、一つじゃ足りないだろうとガンドさんが気を利かせて後日届けてくれたものらしい。しかもその時、お金は受け取ってくれなかったらしい。

 イオの所へお礼に行く時、ガンドさんの所にもお礼を言いに寄らないとなぁと思いながら、鏡の中の自分と見つめ合っていると背後にぬっと赤色が見えたと思ったら、体が持ち上がる。

「ロコ」

「おはよう、主様。……なんで持ち上げるんだよ」

 俺の名前は挨拶か、と思うような呼びかけにへらっと笑って鏡越しに挨拶を返した俺は、宙ぶらりんになって落ち着かない足先を揺らして犯人である主様を振り返る。

「おはようございます……つい?」

「ついかよ。ほら顔洗いに来たんだろ? 俺持ってたら洗えないぞ?」

 本当に何も考えてなかったのか首を傾げる主様に、俺はくすくすと笑いながら降ろしてくれアピールをする。

「…………わかりました」

 とてもとても残念そうに答えた主様によって、ゆっくりと床へと降ろされた俺は、また捕まる前にと顔を洗っている主様を置いてキッチンへ向けて駆け出した。

 昨日、主様はちゃんと夕ごはん食べられたんだろうか。



 朝ごはんの用意をしながら俺はふと思いついた事柄に不安を覚えて、卵液に浸してフレンチトーストにしようとしていた食パンの枚数をそっと増やしておく。

 俺はお腹パンパンになるまでおやつというか早めの夕ごはんを食べて爆睡した感じだけど、お茶会の最中主様が何かを食べていたのを見た記憶がない。

 ほぼずっと俺に張り付いて、目を光らせていた気がする。

 まさか、またあの変な貴族のおじさんが乱入してくるとでも思ってたのか?

 あのおじさんなら捕まって……。

 そこまで考えて、俺は主様に毒物を食べさせようとした極悪人がどうなったか知らないことに気付く。

「ていうか、そんな罪に問われないんじゃ……」

 いくら主様が強くて王族に多少の顔が利いてもただの冒険者な訳だし、あの貴族っぽいおじさんが『あくまでも好意だ』と知らぬ存ぜぬで押し切れば……。

 創作でよく見る腐った貴族なら有り得そうな展開に、俺はバットに張った卵液へ食パンを浸しながら舌打ちをする。

「次会ったら……」

 精一杯の憎しみを込めて呟いてみたが、俺が蹴飛ばしただけで大怪我しそうな見た目だった中年男なおじさんへの仕返しは思いつかず、呟いた言葉はそこで途切れる。

「えぇと……ハゲ散らかせ、とか?」

 波風立てないように生きてきた前世と、動物達と暮らしていた今生では口喧嘩とかもほとんどしたこと無かったので、思いつけたのは俺が言われたちょっと嫌だなと思う一言だ。

 口に出したら結構嫌だったので、これであのおじさんにもダメージを与えられるだろう。


「ジル、ワタクシ、毛髪ありマセンが……」


 一人で満足感に浸っていたら、手伝ってくれていたプリュイの方から、そんな力ない突っ込みが聞こえてくる。

 視線をそちらに向けると、洗い物をしてくれていたプリュイが、俺の方を見てふるふるふるふるといつもより高速で震えている。

「え? 違うからな? プリュイに言ったんじゃないぞ? 俺が嫌なヤツに会った時に言おうと思った台詞を練習してたんだよ。びっくりさせてごめんな?」

 ちゃぽちゃぽと音がしてきそうな高速振動に、俺は手にしていたフライ返しをパタパタと振りながら慌ててそう説明する。

「嫌なヤツ、デスか?」

「そう。プリュイならなんて言う? こう、嫌だとか嫌いな相手を罵倒というか文句言う感じの言葉」

 主様作のプリュイなら何か語彙能力高そうだからと思いついて訊ねると、高速振動を止めたプリュイは可愛らしくこてんと首を傾げて悩み出す。

「たいそう賑ヤカデいらっしゃいマスが、無事ニ明日ノ朝日ヲ眺めタイなら、お黙りニなるカ、もう二度と息ヲしないデくだサイ……ぐらいでショウか?」

「さすがプリュイ、丁寧……いや丁寧……? というか、煽ってる?」

 前世の某知恵袋で見た質問と答えが思い出されるプリュイの言葉に、俺はフレンチトーストを焼きながらブツブツと呟く。

 そんな俺に対し、プリュイは頬に手を当てて照れたような仕草を見せている。

「あまり経験ナイので、すみまセン」

「……いや、うん、なんか逆に攻撃力高そうだよ」

 申し訳なさそうなプリュイに、力なく苦笑いして首を振って返した俺は、プリュイが持って来てくれた皿へ焼き上がったフレンチトーストを入れていく。

「後はフルーツに……確かヨーグルトあったな」

 冷蔵庫の中身を思い出しながら、冷蔵庫を開けた俺は、減っていたはずの物が補充されていることに気付いて、フルーツをカットしてくれているプリュイを振り返る。

「これ、プリュイが買ってきてくれてるのか?」

「イエ。ワタクシは、許可無ク家ヲ出られマセンので、幻日サマヲ通シテ信頼ノおケル冒険者ニ指名依頼ヲ出してマス」

「へぇ、そうなんだ」

 そこで主様へ買い物を頼まないあたり、主様の生活能力の無さが垣間見えるなぁとか、そういえばゲームでもお使いクエストみたいなのあったなぁとか思いながら相槌を打ちつつヨーグルトの瓶を取り出す。

「……何か足りない物でもありましたか? 必要ならすぐに買ってきますが」

 その瓶を背後から伸びて来た手が奪っていき、ついでにそんなことを言われた。

「主様、なんで時々気配消すんだよ」

 一瞬ビクッとした俺だったが、聞こえてきた声とふわりと香ってきた落ち着く匂いに、身構えていた体から力を抜いて驚かせた犯人である主様へへらっと笑いかける。

「ロコの反応が……」

 それだけ言って言葉を途切れさせた主様は、一旦ヨーグルトをテーブルの上へ置くために視線を外してから、俺の方を向き直って頬に触れてくる。

 途切れさせた言葉の続きを言うのかとしばらく無言で待っていたが、主様の方も無言のままぽやぽやしていて、ひたすら頬をぷにぷにと押される。

「……俺の反応が面白いんだな」

 無言の主様から、途切れさせた言葉の先を想像した俺は、じとりと主様を睨みつけてから頬を押してくる手をふいっと避けて、カットしたフルーツを持って待機してるプリュイの元へと向かう。

「ありがと、プリュイ」

 プリュイがカットしてくれたバナナとかイチゴとか、あとは正体のわからないフルーツをそれぞれの皿へと取り分けて、ヨーグルトを豪快にドバッとかけたら出来上がりだ。



「さぁ、朝ごはんにしようぜ?」



 フレンチトーストとフルーツ入りヨーグルトというメニュー名だけは女子力高めの朝ごはんだが、見た目は…………察して欲しい。

 お盆に乗せられた朝ごはんを眺めた俺は、誰にともなく内心で言い訳をして、手伝いたくてぽやぽやしている主様へお盆を預けて、俺はミルクの入ったカップを両手に持って朝ごはんの場へと移動する。

「プリュイの分、ここに置いとくな?」

「ありガトウございマス」

 片付けをする手を一瞬止めたプリュイからのお礼にへらっと笑顔で返し、俺は自身も朝ごはんを食べるため、少し進んだところでこちらをちらちらと見ている主様を追って歩き出した。

いつもありがとうございますm(_ _)m


そして、感想をくださる方は皆様エスパーでしょうか(笑)

そろそろ、あれの話を書かないとなぁとぶっ込むタイミング悩んでたんですが、まさにピンポイントで質問いただきました(ノ´∀`*)

伏線……というほどのものでも無いですが、この流れで数話先にぶち込む予定ですm(_ _)m


まぁ、大した設定じゃないですが。たぶんヒロインちゃんの方が詳しいです←


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