100話目
ついにここまで来てしまいました(*ノω・*)テヘ
まずは感想、ありがとうございます(^^)
誤字報告、いいね、ブクマ、評価、全て支えとなりましたm(_ _)m
そして、最後みたいな雰囲気出してますけど、全然終わりません←
キレ良くしたので、短めですみません。
私として初めてのキャラ紹介文作ってみましたので、一緒に投稿します。
拙い作品ですが、萌だけは大量投入してますので、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
「あちゃー、我ながらひどい顔だ」
フュアさんに連れられて改めて顔を洗いに来た俺は、鏡の中の自分の顔を見て思わずそんな声を洩らしてしまう。
「赤くなってしまいましたね」
鏡越しに俺の顔を覗き込んだフュアさんも心配そうに見ている俺の顔は、さっきのギャン泣きのせいで目元が赤く腫れてしまって泣いていたのがバレバレだ。
「この顔でお茶会行ったら、ナハト様にからかわれるよなぁ」
「からかうよりは、心配されるかもしれませんね」
冷たい水でバシャバシャと顔を洗ってみたが、その程度ではもちろん赤みは引かず、しかし気分だけはすっきりする。
「心配させちゃうかなぁ……」
フュアさんにタオルで顔を拭いてもらいながらブツブツと呟いていた俺は、午後のお茶会で会うナハト様より先に会うことになり、かつナハト様並みに心配してくれるであろう相手を忘れていることに気付かなかった。
プリュイに目元を冷やしてもらいながら朝食の準備を終えた俺は、テーブルのセッティングと片付けをプリュイとフュアさんにお願いして、主様を起こすために寝室へと向かう。
俺のせいで変な時間に起こしてしまったから、もしかしたらまだ寝てるかなぁと静かにベッドへ近付いて行くと、やはりというか先ほどとほとんど変わらない姿勢で眠る主様がいて。
「寝かせといてあげたいけど、主様もお茶会呼ばれてるからなぁ」
声に出して呟いてみても主様はピクリともせず、呼ばれていないなら主様はこのまま寝ててもらって、俺だけナハト様と一緒にお茶会へ参加するのでも大丈夫なんだけど。
お茶会の主催者のグラナーダ殿下はそもそも主様のファンなんだし、主様欠席は無理だよな。
そんな今考えても仕方のないことを考えながら主様を起こそうとしていた俺の頭の中には、さっき見た自分の酷い顔のことなんかすっかり抜け落ちていた。
「主様、朝ごはん食べられそうか?」
泣き過ぎてちょっと声掠れてるかも、とか頭の隅で考えながら主様の体に手をかけて軽く揺さぶった俺は、気付いた時にはベッドに組み敷かれていて、視界いっぱいの主様を見上げることになる。
「ぬ、主様? 俺だけど……」
侵入者だとでも思われたかとおずおずと自己主張してみたが、組み敷く力は弱まる気配はない。
しかし、俺を見下ろす主様の目はきちんと俺を認識してるっぽいので、俺だとは気付いてるようだと判断した俺は、あえて抵抗せず話しかけ続ける。
「主様? どうかしたのか? 怖い夢でも見たのか?」
ま、抵抗しても無駄だってわかってるのもあるけどな。
つい先日押し潰されて眠った件を思い出しながら、首を傾げてへらっと笑っていると、主様の手が伸びて来て確かめるように優しく目元をなぞられる。
「ロコ、泣いたんですか? 誰が私のロコを泣かせたんですか? あの男ですか? それとも白い害虫ですか?」
どちらから消し去りましょうか。
歌うように美しい主様の声で囁かれ宝石のような瞳で覗き込まれると、操られるかのように頷きたくなったが、俺ははたと気付いてぶんぶんと首を横に振る。
「主様って声まで美人……って、そうじゃなくて、泣いたのは自分が不甲斐なくて泣いただけで、誰のせいでもないから!」
混乱していたせいで言うつもりのなかった一言が転がり出たのをノリツッコミの勢いで回収しつつ、エノテラと何でか同列にされた異世界の害虫の関与を否定する。
思い切り否定してから一瞬だけ『あれ? 害虫は殲滅させられても良いのか?』とか思いかけたが、食物連鎖というものがあるので一つの種を人為的に絶滅させるのは生態系に良くない……はずだ。
「ロコのせい?」
俺の言葉が相当予想外だったのか、きょとんと呟いて見下ろしてくる主様はあどけなくて可愛らしい。
とりあえず思い留まってくれたようなので安堵から余裕が出て、俺はつい余計な一言を答えに足してしまった。
「そう。俺が泣いたのは俺のせい」
どうしても消し去りたいなら俺だな、とそんな蛇足でしかない一言を冗談めかせて呟くと、体を起こした主様から背骨がミシミシいうほどの力で搔き抱くようにして抱き締められる。
これは『そんなことしない』という主様からの意思表示の抱擁なんだろうが、そのせいで俺の意識が彼方へ飛びそうだ。
プロレスだったかのギブアップする時みたいにタップすれば通じるか、とか遠のきかけた意識で考えていると、シリアスな空気を全く読まない音が俺の腹部から盛大に響く。
当たり前だがその空腹を訴える鳴き声は主様にも聞こえたらしく、腕の力が弱められて、いつも通りぽやぽやした主様から顔を覗き込まれる。
「本当に誰かに泣かされたんじゃないんですか?」
「違うよ。本当に自分に腹が立っただけ」
俺が答えるのとほぼ同時に、また俺のお腹から情けない鳴き声が聞こえて主様はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
「朝ごはんにしましょうか」
しばらくしてから、ふっと吐息混じりの笑みを溢した主様は、そう言って俺を抱えたままベッドから降りて立ち上がる。
「主様は顔洗って来いよ。俺は先に行って待ってるから」
片腕で俺を抱えてる体勢なので、主様も色々し難いだろうと声をかけたのだが、返ってきたのは無言のぽやぽや笑顔だ。
あ、これは離してくれないやつだ。
色々悟ってしまった俺は早々に抵抗を諦めて、少しでも主様が作業しやすいようにと主様の首へ腕を回してしがみつく。
こんな光景、出会った頃から考えると想像つかないよな。
そんなある意味感慨深いようなことを考えながら、俺は主様にバレないよう少しだけ甘えるようにすりと額を擦り寄せて、一人密かに笑っていた。
そんな俺を見て、主様が蕩けるような微笑みを浮かべていたことなんて気付かずに。
いつもありがとうございますm(_ _)m
誤字報告ありがとうございます。私は正しい言葉だと思ってましたが、どうやら我が家だけの謎言語だったようです(*>_<*)
前書きにも書きましたが、ついに100話です。
適当に5話ぐらいで終わるはずが、ジルヴァラ大暴走して、気付けばここまでほぼノンストップ_(┐「ε:)_
これに関しては、何となくの終わりは決めてるのでそこまで辿り着きたいです。
さて、何話で行けるか……。
もう少しお付き合いよろしくお願いします(^^)