厄日の終わり
明日って....今さ!!!!
はい、嘘です。明日出しますとか言ってたのに気づいたら1週間経っていました。
ほんtttttttっとすいません。
ちょっと忙しかった(言い訳)。後思いのほか手が進まなかったんです(これも言い訳)。
ま、まぁ?多分って強調してたから半分くらいは許されると思うんですよねぇ|д゜)
つ、次からは気を付けるからゆるしてほちい。まぢすんません。
続きは土日のどっちかに出る,,,,と思う。(希望的観測)
はぁ..今日は厄日だなぁ...
虚空を見つめ自分の不運を嘆きながら目の前に現れた盗賊に刃先を向ける。
盗賊は大きな体を揺らしながら全力で、しかも結構な距離を走ってきたのかとてつもなく息が荒い。
こちらと目が合ったとたん顔をゆがめる。
「くそっ!こんな時にぃ!どけ!このガキ!!」
そう言いながら腰に差していた短剣を抜きこちらへ突進してくる。わき目もふらずこちらへ突進してくる姿はその大きな体躯も相まって猪のようである。
俺はその突進を横へステップして回避しすれ違いざまに背中を蹴りつける。
蹴りによる衝撃と突進してきたときの勢いもあってか盗賊の男はバランスを崩し、顔から転んでしまう。
俺はその隙を逃さずナイフを持っている手を蹴って反撃の手段を潰し、背中の上に跳躍しながら乗る。男は手を蹴られた痛みにもだえ、そのすぐ後背中から全身に伝わる衝撃に思わずといった感じで声を出す。相当痛かったのか手足をじたばたさせ痛みを紛らわせようとする。
背中に乗っており暴れられると少々鬱陶しいかったので動きを止めるため俺は脅すように首の近くにナイフを突き刺す。すると「ヒィィ」と見た目にそぐわないほどの甲高い声を上げ男の体は金縛りにあったかのように動かなくなる。
「お、お願いだ!こ、殺さないでくれぇ..頼むぅ..」
男は出来るだけ首を傾け、こちらの顔を見ながら今にも泣きだしそうなほど必死な声で命乞いをする。
しかし残念なことにその命乞いは俺に全く響かなかった。
なぜなら俺の脳内のほととんどはもう既に別のことで埋め尽くされているからだ。
俺なら殺せる...殺せる..殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。殺せる。
人を初めて殺した少し前の光景がフラッシュバックするもそれをかき消すように何回も、何回も脳内で「殺せる」という言葉を反芻し、男の顔をしっかりと視界に捉える。
すると盗賊は「ヒィィ..や、やめてくれぇ...」と怯えたような声で必死に懇願する。
しかし俺は相手の命乞いなど無かったかのように無視し、地面に突き刺さっているナイフを右手で抜き左手で相手の顎を持ち上げ刃先を首に密着させる。
俺なら出来る。出来る、出来る、出来る、出来る、出来る、出来る、出来る、出来る、出来る、出来る。
こいつを殺せる、殺せる、殺せる、殺せる、殺せる、殺せる、殺せる、殺せる、殺せる、殺せる!!
甦る匂い、感触、光景。人間は殺しちゃだめだ、一線をもう超えてはならないと繰り返す言葉に比例して増える囁き。一瞬力が抜けるがそれらを払いのけるように何度も何度も強く呪詛のような言葉で脳を埋め尽くし、いつのまにか乱れていた呼吸のまま右手が小刻みに震えるほど力を籠める。
やれる。やれる、やれるやれるやれるやれるやれるやれるやれるやれるやれるやれるやれるやれるっ!!
「嫌だっ...!!死にたくないっ!!頼むっ..!何でもするから...命だけはっ!!!」
今まさに命を奪われようとしている盗賊の男の鳴き声が響くが、それが届くことはなかった。
「っ....ああああああっ!!!」
一閃。押し当てていたナイフを進め勢いよく喉を掻き切る。
すると切り裂いた場所から水風船が割れたかのように鮮やかな血が勢いよく飛び散り俺の手を、そして地面を緋色に染めていく。赤く染まった俺の左手に首で支えられていた分の重さがのしかかるが、すっと左手を離したことで男は自分の血で作り上げた湖に飛び込むことになる。
俺はその光景を一通り眺めた後血で真っ赤に染まった両手に視線を移す。
気持ち悪い。そう感じてはいるものの初めて人を殺したあのときと比べて気色悪さが幾分増しになっている気がする。吐き気もそこまでしないし乱れていた呼吸はもう既に落ち着き始めている。
どうしてかと頭の中で一人考える。たかが1回人を殺しただけで耐性がついたのか?それとも魔獣を殺した後でその感覚と重なったからか?そもそも俺はなぜこんなにも冷静でいられるんだ?
ああでもないこうでもないと一つの考えを出しては否定を繰り返す。
少し前の自分ならとっくに嘔吐していたしまともに頭も動かなかった。なのに今はこんなにも理性的に物事を考えられている。そのことに過去の自分を乗り越えたと少し嬉しさを感じるが同時にどこか自分が自分じゃないような少し恐ろしい気分がした。
「ぼ、坊大丈夫ですかい?」
隠れていたヴァーレが終わったのを見てかこちらに近づき、中々動かない俺を見て心配そうに声を掛ける。
「大丈夫だよ、怪我してないし。」
「それなら良かったっす..」
俺は心配してくれているヴァーレに淡白な返事をする。
それに対しヴァーレは本心ではないと分かるほど歯切れが悪い返答をする。
「「.....」」
その後ヴァーレは声をを掛けてよいのか、どう声を掛ければよいか分からず口を閉じてしまう。俺から話しかけることもなかったのでその場は沈黙に包まれてしまう。
それから少ししてヴァーレが何か話そうと声を発したとほぼ同時に複数、それもかなりの数の足音が聞こえてくる。敵の可能性があるためナイフを握り直し周囲を警戒する、がその警戒はすぐに解かれることになる。
「よぉクロ、こっちは片付いた...って大丈夫か!?」
足音の発生源がガルフと奴隷の人達だと分かったからだ。
ガルフは広がる血だまりと突っ伏している男、そしてその上に座っている俺を見て普段話すような声音から未確認生命体でもみたのかというほど驚いた声音へ変える。
後ろにいる奴隷の人達も目の前に広がる惨状を見てざわついている。
「大丈夫だよガルフ。ほら怪我無いし、ちゃんと盗賊は殺したし。」
腕を広げ怪我してないアピールをするも返り血のせいで説得力がまるでない。
「そうか..ならいいが..無理はするなよ。」
しかしガルフは俺の言葉を聞き納得した模様。ホント理解があって助かります。
「無理なんかしてないって。全然平気だ...あれっ..」
俺は立ち上がりガルフの方へ向かおうとするもバランスを崩し転びそうになる。
が、しかし近くにいたヴァーレが咄嗟に俺を支えたおかげで転ぶことはなかった。
「大丈夫っすか!?坊!」
俺を支えながら大きな声を出すヴァーレ。端から見たら完全にどこかの組織のボスか組長の子供とそのお付きの人である。
「だ、大丈夫ちょっとバランスを崩しただけだから、でもありがとねヴァーレ。だけど今度からは近くで大きな声出さないでよ。」
「あ、す、すいません。」
他の人の視線が気になったためヴァーレに感謝とちょっとした文句を言い、ヴァーレから距離を取りおぼつかない足取りでガルフの方へ歩こうとする。
その姿を見たガルフはため息をつきやれやれといった感じで言う。
「クロ、無理すんなっつたろ。お前は想像以上に疲れてんだ、自分の体大切にしろよ。ヴァーレ、帰りそいつのことおぶって帰ってくんないか?」
「もちろんですよ旦那!任せてください!!」
胸をどんと叩き一つ返事で了承するヴァーレにガルフは満足そうにうなずく。
「ちょ..大丈夫だって..」
「ほら遠慮しないでくださいよ坊。...ああもうほら行きますよ!」
中々言うことを聞かない俺に耐えきれなくなったのか無理やり俺の体を持ち上げる。
子供の体はそう重くないのか軽々と持ち上げられる。反抗のために暴れることは出来たが人前で暴れるのは恥ずかしいため仕方なくヴァーレに体を預ける。
俺が背負われるのを見てガルフは奴隷の人達を連れ帰路に就く。
最初はおんぶされることに気恥しさを感じたがどうやらガルフの言う通り疲労がたまっていたらしくしばらくすると睡魔が手招きしてくる。ヴァーレから伝わる振動で昔のことを思い出す。
昔はお父さんにこうやっておんぶしてもらってたっけ...
日本で過ごした幼少期がふと頭をよぎる。久しぶりに感じる心地よい揺れに瞼は自然と下がっていった。
この作品を見つけそして読んでくれた方に最大の感謝を。




