属性
この奴隷生活が始まってから約1ヶ月ほどが経過し最初は耐えられないと思っていたこの生活にも大分慣れてきた。魔獣狩りにおいても前のように魔獣を殺したときに感じる気持ち悪さはほとんど感じられなくなっていた。
この生活に慣れ、他のことに目を向ける余裕が生まれた今俺は夜中皆が寝静まっている頃合いを見計らい一人ボロボロの平屋の外に出ていた。辺りを見回し人がいないことを確認し、人が来ないであろう平屋の裏側に移動した。
何故こんな夜中にこそこそと怪しい動きをしているかというと自分がどの属性魔法を使えるかを調べるためである。魔力操作の練習をしたときは自分の体内の魔力を感じたり、動かしたりと他の人からしてみれば練習していると分からない状況だったため室内で練習できた。 まぁそもそも人いないときに練習したけど。
しかし、属性魔法となると話は変わる。ガルフが最初見せてくれたように手から火が出たりする。もし仮に自分の適性が火属性だった場合は大変なことになってしまうため室内では練習することが出来ないのだ。
そもそも自分で属性を調べることが出来るのかという問題もある。ガルフが「適性があるかわからないと使えない」と説明してくれた。だが本当にそうだろうか?適性が分からないと属性魔法が使えないなんてことはないはずだ。
おそらく適性診断をするのが一番わかりやすいだけでそれをしなくても自分で調べられる、と思う。じゃあなんで皆適性診断を受けに行くのかという疑問が残る。俺が考えた答えが魔力が多い人が少ない、ないしは自分の魔力量がわからないからというものだ。
俺はこの世界の常識はおろか基準がガルフになっている。ガルフにこの前聞いたが本人曰く「俺はそこそこ魔力多い方だ」とのこと。そうガルフは詠唱等無しに指先から火を出していたがあれは結構魔力を使っているのではないかと思う。
つまり何が言いたいかというと転生特典で魔力の量が異常なほど多い俺なら適性診断を受けずとも自分で調べることが出来るということだ。ちなみに自分の魔力の異常さはこれまでの魔獣狩りではっきりした。
あのガルフでさえ全身を強化するのは戦闘時のみで神聖森へ向かうときやその他移動の時は足裏のみ強化して魔力を節約している。戦闘が多くなった日は魔力が無くなりそうだからと最後の方の戦闘を全部俺に任せてきたりする。それに対して俺は移動するときも全身を強化して、戦闘が多い日でも魔力が尽きかけるようなことは一度もない。
というわけで早速自分にどの適性があるのか調べてみよう。どんな適性があるのかドキドキするなぁ。
...でどうやったらいいんだろう...
大失態だ。調べることが出来るが出来ても調べ方が分からん!先にガルフにどうやって使ってるか聞いとくべきだった。
ただこのまま終わるのもどうかと思ったので前世の知識を生かしてみることにした。転生物でよくある魔法はイメージが大切だという考えに乗っ取って俺はガルフがやったように指先から蠟燭ほどの火を出すイメージをする。
そしてそのイメージしたまま魔力を流してみるとボッと赤い炎が指先から出る。
出た!!声を出して喜びたいところではあるがそれを抑えてガッツポーズをする。
俺は火属性の適性があることが分かったが他にも適性があるかもしれないので一通り試してみる。
結果として分かったのは俺には火、水、雷、光の4属性に適性があるらしい。指先から水が出たり、静電気が起きたり、指先が光ったりした。楽しくて何回も指先から火を出したり手のひらから水を出したりして一人ではしゃいだ。
特に指先が光ったときは俺宇宙人と仲良くなったときに使えそうだなというくだらない考えが頭をよぎり一人で指先を合わせて指を光らせたりした。
というかこの世界のほとんどの人の適性はガルフのように1属性しかないのに俺4属性もあるんですがそれは。なるほどこれも転生特典か、エレイナ様マジ感謝です。
感謝の念を込めながら祈りを捧げるようにその場に跪いて手を組む。この世界の神様の話を聞いた後から寝る前に正しいやり方かは知らないがお祈りみたいなことをしている。こういう特典みたいなの無かったらあっという間に死にそうだからね、というか絶対に死ぬね。
お祈りを終えた後少し属性魔法の練習でもしようかと思ったが先ほどから今までに感じたことのない倦怠感を感じ始めていたため大人しく寝ることにした。おそらく属性魔法のための魔力の使い過ぎによるものだろう、魔力が魔獣狩りに行った後より減っているように感じる。
初めてというのと結構長い時間魔法を使ったにしても俺の大量にある魔力の7,8割を使っている。属性魔法には詠唱があるらしいがそれは魔力の消費量を少なくするためのものなのかもしれない。なんとなく予想はしていたが詠唱無しって大分効率悪いな。
属性魔法を使えればこれからの戦闘が楽になるかもしれないし練習でなんとかならないかなぁ。あれこれ考えながら周りの人を起こさないように自分の寝る場所に移動し横になる。まぁこれから練習していけばいいかと結論付けいつもよりも感じる疲れを無くすべく目を閉じるとすぐに意識が薄れていった。
この作品を見つけそして読んでくれた方に最大の感謝を。




