表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
川の向こう側にあるもの  作者: 破邪
1/1

大人の転機

ありがとうって伝えたくて〜

「まもなく3番線に特急新宿行きが10両編成で参ります。」

もうこの街にはお別れか。この街には何だかんだ29年もいるんだな。


 ドアが閉まって電車が走り出した。もう彼はこの街には戻らない。

彼は転勤で大阪に行くことになった。役職こそ平社員から係長になったが、これは左遷だ。やってこの街に戻るには仕事をやめるしかない。

でも彼には62歳になる父がいる。そんな父の生活を支えるために彼は働かなければならない。こればかりはしょうがないのだ。

彼は覚悟を決めてしっかりと手すりを握った。


思い返せばあの街には思い出がたくさんあった。

一駅通過した。

彼の人生が決まったのはこの街だ。

また一駅通過した。地上に出た。

彼の人生が悲しみに染まったのもこの街だ。

また一駅通過した。

彼が喜びに震えたのもこの街だ。

僕はこの街が好きだった。

これからもずっと好きだ。

もう戻ることはない「さようなら、今までありがとう」

そう呟いて彼は俯いた。

彼の目からは色々な感情が溢れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ