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北方プロジェクト 第十一
悪霊よ。出ていけ。二度と戻るな。
トヴは言った。患者は寝たポーズから手やら足やら、全身ビクンビクンと飛び跳ねて、その後、安らかな顔に成った。
トヴは父として、全人類の父として、責任感をもって、仕事をしていた。エクソシスト兼聖霊である。聖霊では無く、患者の彼女には悪霊がついていた。
彼女に聖霊が命令したのは、公式なカトリックの教会のエクソシストとしてであった。
女性のエクソシストは初の者であった。
トヴは普段は、人間では無い者として、活動している。「神」に従う者に報いる為に人々の見無い人々を報いる為に存在しているのであった。
トヴは24時間眠らず活動する、いわゆる「神」の霊であった。すなわち、天使である。固有名と苗字があるのは、彼女ひとりで天使としては、特別であった。
トヴは聖霊として、人間を見守るのであった。