第8話 無職ニートと制服な妹
「理不尽だ…」
俺は腫れあがった自分の頬を撫でる。
とある事態で着ていた巫女装束が脱げてしまい自身の素肌を晒してしまった優羽花。
俺に向かって見るなと叫ぶ彼女に対して、
「お前が子供のころは静里菜も含めて三人一緒によくお風呂に入っていただろ? そんなに気にすることは無いぞ」
と言ったら全力で頬をひっぱたかれた。何でだ? 実際そうだったろう?
俺は静里菜に同意を求めたが彼女にも、
「わたしも今のはちょっと酷いと思います」
と言われてしまった。何でだ? 本当のことだろう?
全くもって理不尽である。
「兄さん、わたしそろそろ神社に行きますね」
いつの間にか巫女服に着替えた静里菜は奇麗に畳んだ自分の制服を小脇に抱えて俺に言葉をかけた。
「だったら俺が送るよ、地ノ宮神社の階段は物凄い段差だから足腰を鍛えなおすには良い場所だ。静里菜を送るついでに少し鍛えておきたい」
「それではお言葉に甘えて…お願いしますね、兄さん」
「待ってよー、あたしも行くからね!」
高校の制服に着替えなおした優羽花が二階の自室から急いで階段を降りてきた。
「ん?何で制服着てるんだ?」
「地ノ宮神社はご近所だけど一応外だからね、制服なら何も考えなくて楽だし」
「ふふっ、優羽花は兄さんがわたしの制服姿にどきっとしたのを聞いて急いで着替えたんですよ」
「ちょ、ちょっと! 別にそんなんじゃないし! 別にお兄に見て欲しいとかそんなんじゃないんだからね!」
「そりゃあ静里菜はいつも巫女姿だからレアな制服姿は正直びっくりしたけどなあ…優羽花は制服姿なんて毎日見てるし別に何ともぶぎぁおっ!」
俺が言葉を言い終わる前に床のクッションを拾い、顔面に投げ込む優羽花であった。
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