554話 正気の板
俺は無の境地へと至る。
全てを流れのままに。
空気の流れ、
気の流れ、
命の流れ、
あらゆるものを受け入れて、
その流れのままに。
そうポーラ姫の豊かなおっぱいの感触も流れのままに。
全てに固執することなく流れに身を任せるのだ。
ロイヤルおっぱいの魅力すらも只々と流してしまうのだ。
「…ケイガお兄様?」
ポーラ姫は俺の顔を覗き込みながら右腕に自身のおっぱいを押し付けてくる。
「どうですかお兄様?
元気になりましたか?」
彼女はぐいぐいおっぱいを擦りつけてきた。
「えい、えい!
どうですかお兄様?
ポーラ、もっと頑張りますね」
彼女の豊かなおっぱいが俺の腕を挟み込んでいったり来たりと
それはすごい光景に…
うああああああああああ!!
俺は無の境地からあっさりと引き戻された。
こんな光景を見せつけられて
健康的な男が無視なんてできるわけないだろういい加減にしろ!!
と、同時にポーラ姫のロイヤルおっぱいの感触が俺を襲った!
おおおおおおおおおおおおーー!!
何という乳圧…
俺は成す術もなく気圧されてしまった。
このままでは俺は兄としての尊厳も何もかも失ってしまう…
ああ、俺は…只の男に…
只の鳴鐘 慧河になってしまう…
しかし抗えない…俺は…もう…
そんな男の楽園状態である俺の右腕の反対側の左腕に突如固いモノが当たった。
ん?
何だコレは?
この固い感触…まるで板じゃないか!
ポーラ姫の豊かで柔らか至極のロイヤルおっぱいとはまるで正反対の、
まるで薄い板の様な固さに当てられて俺は急速に平静を取り戻した。
俺はその固さの正体を確認すべく自分の左腕を見やった。
そこには両腕でしがみ付いて自身の身体を俺の左腕押し付けている
我がツンデレ妹、優羽花の姿があった。
「何よお兄!
ポーラさんに抱き着かれたぐらいですぐにデレデレしちゃって!
だ…だったら、あたしだって!
ど、どうよ、お兄…。
少しぐらいデレデレしたって良いんだからね!」
板の様に感じていたソレは
優羽花の胸であったのである。
俺の16年来のツンデレ妹はスレンダーな体格である。
更に運動能力に優れた彼女の鍛えられた身体は
カモシカの様な細身の筋肉質でもある。
そして彼女の胸のサイズは極小である。
つまり優羽花の胸は板の様に固いのである。
そんな板の様な感触が俺を
ポーラ姫のロイヤルおっぱいの魅力から解放したのである。
そう俺は優羽花のおかげで俺は兄の尊厳を保つことが出来た。
優羽花はその身を呈して俺を正気に戻してくれたのだ。
「ありがとう、優羽花」
俺は心から感謝の言葉を述べた。




