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504話 渾身の一撃

 まだまだ!

 俺はアポクリファルに息を付かせる間も与えず、

 次の気士術(きしじゅつ)を行使する。

 

地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・二の型、飛燕(ひえん)!」


 俺は音速で飛翔し、

 攻撃魔法を唱えようとしていた

 2体のアポクリファルに突貫、

 蹴り割いて塵に変えた。


「「暗黒撃衝(ブラックブラス)」」


 残った二人の老魔族が

 俺を挟み込むように囲んで

 攻撃魔法を放つ。

 俺は構わず彼等に向けて

 右手左手をそれぞれかざす。


地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・五の型、流星(りゅうせい)!」


 本来なら両手のひらに集めた気を一点に放つ技を、

 俺は左右手のひらから二発同時に撃ち放った。

 そして俺に迫り来る攻撃魔法にぶつけて打ち消した。


「まだだあ!

地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・五の型、

流星(りゅうせい)!」


 俺は更に追加の気功波を連続で放った。


 右手から放たれた気功波の一撃は

 一体のアポクリファルを塵に変えたが。

 左手からの気功波は、

 もう一体のアポクリファルに衝撃を与えて

 その動きを止めただけに留まった。


 俺は短い時間の内に

 絶え間なく気士術を放ち続けた上に、

 最後は全く気の溜めが無い

 気功波を連続で放っている。

 そして利き手でも無かった為に、

 その威力は激減していたのである…。


 だが老魔族はついに残り一体を残すのみ。

 この個体を倒せば人造魔族(ホムンクルス)の補給は止まり、

 戦いは終わるだろう。

 俺は疲弊した自身の身体に

 鞭打ちながら地を駈けた。


 残された力を振り絞って、

 今の俺が使える最後の気士術(きしじゅつ)を練り上げ、

 魔導将に向けて解き放った!


地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・一の型、雷迅(らいじん)!」


 雷撃状の気を纏った正拳突きが老魔族の身体へと突き進む。

 だがその必殺の筈の一撃は、

 アポクリファルの両手のひらから放たれた

 ”波動”に止められてしまった。


 な、何っ!?

 …これは?

 魔法では無い?

 純粋な魔力そのもの??


 いやこれは別に驚くことでは無い。

 そもそも人間より遙かに高い

 魔力を持つ魔族にとっては、

 魔法を使わずに魔力のみで

 攻撃することは珍しいことでは無い。

 実際にディラムやエグゼヴは

 魔力を纏った技で戦っていたのである。

 むしろアポクリファルは

 常に魔法をつかう事で

 その事を失念させていたということか…。


「フォフォフォ…

お前さんの気と儂の魔力、

どっちが先に尽きるか…

根競べじゃな?」


「うおおおおー!!」


 俺は残った全ての気を右拳に集中、

 渾身の力で『雷迅(らいじん)』を撃ち放った。


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