413話 即感知
「しかしなあ…姫騎士団の皆が
ポーラ姫の猛攻撃から
俺を助けてくれたのは嬉しかったんだが…
みんな自分達自身が見れ麗しい
美女美少女であることを自覚して無さすぎるぞ…」
クレハとイチョウの美女サンドイッチに、
カエデ、シダレ、ツツジの美少女同衾という…
想像を絶する連続攻撃が俺を襲った。
まあ彼女たちには他意は無いのだろう。
だが、25歳の生粋の童貞である俺には…
彼女たちの魅力に対して
心身が理性が持つわけが無いのである。
だから彼女たちの厚意には悪いんだが、
隠し部屋からこっそり抜け出して、
城の尖塔の屋根によじ登って…
身体を夜空の風に晒して、
のぼせあがった心身を落ち着かせて居たのである。
「…はっくしょん!
流石に身体が冷えて来たか。
ううむ、かといってあの隠し部屋に戻るのもなあ…
さてどうするべきか?」
「お兄様、こうやって身体を寄せ合えば夜空の下でも暖かいですわ」
ふいに俺の腕に絡みついて来る人肌の感触。
おおう…確かにこれは暖かい。
「更にわたくしのマントをこうして…
ふたり一緒に羽織ればもっと暖かいですの」
ふわりと薄い毛布の様な感触のマントが俺の身体を包み込んだ。
二人分の人肌の体温をマントが閉じ込めることで暖気は更に上昇した。
…って二人!?
俺は自分の腕に絡みついて来た人物を見やった。
「ポ、ポーラっ!?」
其処には先ほど俺に猛攻撃を仕掛けて来た、
他らなぬ金髪碧眼巨乳姫君ポーラ姫が居たのである。
「ど、どうして君が此処にっい!?」
「ケイガお兄様の魔力を感じましたので、
至急飛行魔法で参上しましたの」
素っ頓狂な声を上げて問う俺に対して
平然と答えるポーラ姫。
ああ…俺の魔力を解りにくくしていた
あの隠し部屋を出たから、
すぐに俺の魔力を感知して此の居場所が解ったということか。
流石は聖王国屈指の魔法の使い手であり聖王女、
その魔力感知能力も伊達では無いということである。
しかしポーラ姫を見やれば、
俺に猛攻撃を仕掛けてきた時とは幾つか様子が違っていた。
まず彼女が着ている衣服は
スケスケネグリジェではなく、
豪華な造りではあるものの普通の寝巻になっていた。
そしてその頭には巨大なたんこぶが5つ、
タワー状に出来ていた。
いやナニコレ…
まるでギャグ漫画ギャグアニメの登場人物の描写の様相である。
「ええと…ポーラ?
この大きなたんこぶは一体?」
「これは姫騎士団にやられた跡ですの…。
お兄様と別れたあと、わたくしはクレハとイチョウを迎え撃ちましたが
すぐにシノブ、モミジ、イロハの三人も加わりまして…。
幾ら魔力増強したわたくしでも、
姫騎士団に五人掛かりで襲われれば
ひとたまりもありませんでしたわ…」




