表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

405/579

405話 静里菜の状況

「兄さん、それではわたしのほうの状況についてお話しますね。

地ノ宮神社の御祭神(ごさいしん)の加護で

異世界から帰還したわたしは(やしろ)の蔵の書物を調べ上げ、

再び異世界へ戻る為の(すべ)を模索しました。


兄さんと優羽花(ゆうか)に手渡した符で持って

その座標を追尾、

わたし自身も一時とはいえ異世界に転移していましたから、

ふたりが飛ばされた異世界の場所自体は、

そう時間もかからず特定することができました。


わたしの使える巫術(ふじゅつ)の中には異なる空間へと跳ぶ術もあります。

かつて…兄さんとお父さんとわたしの三人で

(あやかし)が作り出した異空間の中に転移して

その(あやかし)を打ち払った事がありましたけれど、

あの時にわたしが使った巫術(ふじゅつ)がそれに当たります。

ですがあの術は移動出来る範囲がそこまで広くありません。

あくまで、(あやかし)が生み出せる規模の、

現実世界と隣りあわせの距離の、

極めて限定的な異空間に転移することが可能な巫術(ふじゅつ)なのです。


ですが、兄さんと優羽花(ゆうか)が飛ばされた異世界エゾン・レイギスは

わたしたちが住まう世界・地球とは遙か遠く離れた世界です。

その世界の規模も(あやかし)が生み出した限定的な異空間とは比べ物になりません。

八百万(やおろず)に…無限に存在するセカイの中で

地球とエゾン・レイギスを結び付けて転移をする為には

これまでに無い大掛かりな巫術(ふじゅつ)が必要になります。

そして、ただ異世界に転移するだけでは駄目です。

元の世界に戻って来れる様にしなくてはいけないのです。


わたしはすぐに異世界に行くことは敵わなくても、

まずは連絡を取って無事の確認を出来ないかと考えました。

そこで、兄さんと優羽花(ゆうか)に掛けた

『護り巫女の加護』を起点として巫術(ふじゅつ)を行使、

ふたりの夢の世界に

わたしの”精神体”のみを送り込みました。

身体を供わない心だけの転移ならば、

今のわたしが使える巫術(ふじゅつ)でも出来たいう訳です。


夢の世界は虚ろ気なセカイですから、

わたしの精神体が兄さん達と接触出来たとしても、

言葉を交わすことも難しいです。

そこで巫術(ふじゅつ)を用いて、兄さんの夢のセカイを

明確に意思と行動が出来る精神世界として再構築しました。


ここ迄が前回の兄さんとの再会時のこちらの状況です。

優羽花のほうは、何かショックなことがあった様で

夢のセカイが完全に閉ざされて居て、

再会自体、叶いませんでしたけれど」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ