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第379話 防衛戦力配置

「そこまで考えてくれたのかい兄者サマ?

嬉しいねえ。

確かにイルーラ様、エクゼヴ殿、ガグーン、ライゼガを相手にするなら

アタシは戦えないかも知れないけど、

まずは皆に話をして見るさ。

それで戦いを回避できる可能性もあるだろ?

それにイルーラ様以外の大魔王様配下の魔族軍相手なら、

戦う事に何の遠慮も無いさ。

だからアタシも一緒に行くよ!」


「そうか、なら俺はもう何も言うことは無いよ。

ヴィシル、頼りにしているぞ」


「ああ、任せておきなよケイガ兄者サマ!」


 結局、妹たち全員と魔界に向かうことになってしまった。

 俺はかけがいのない妹をなるべく危険な目に合わせまいと、

 大魔王を倒す光の勇者である優羽花(ゆうか)

 俺と魔力契約している光の精霊ヒカリのみを連れて

 魔界に乗り込むつもりだったが、

 所詮は安易な兄の考えだったという事である。


 俺の妹たちは皆強いのだ。

 大人しく安全な地上で待つことなどしない。

 大魔王を倒す為にその身を尽くして戦う勇猛果敢な妹たちなのである。

 そんな彼女たちの気持ちをないがしろにしていた

 俺が愚かだったのである。


 しかし彼女たちが一緒に来てくれるなら、

 俺は千人力、いや万人力の増援を得たと言っても過言ではないだろう。


「ボクたち全員が魔界へ行くことは決定済みとして、

あとは聖王国の守りの戦力をどう配備・展開するかになるかな?」


「父上の守りには王騎士団(ロイヤルナイツ)がいらっしゃいますから問題はありませんわ」


「私達が魔界に突入している間に

侵入して来そうな四つの大国の国境に向けて

聖王国本国守備隊を重点的に配置しましょう」


「我が魔竜軍が大魔王様に従う魔族軍は抑えましょう。

地上への魔族軍の侵攻は無くなります」


「なるほどディラム殿。

だったら、中央域(センターポイント)から侵攻してくる魔族軍の抑えである

辺境守備隊を一度本国に戻すのも手だよね」


「でしたら遠征中のわたくしの弟イクシアも一度本国へ戻ってもらいましょうか」


 ミリィ、ポーラ姫、シノブさん、ディラムが

 俺達が魔界に突入している間の

 エクスラント聖王国の防衛について話し合っている。

 俺は聖王国の軍についてはよくわからないので話の輪に入っていけない。


 この異世界に来てからというもの魔族と戦う為の知識は学んだが、

 人間側と戦う知識は皆無であり俺からも特に学ぼうとする姿勢を見せなかった。

 結局のところ俺は…この異世界エゾン・レイギスを

 RPGゲームのファンタジー世界の様なものと認識していたのである。

 人間は魔族と戦ってはいるが、

 人間同士との戦いは起こらないと…そう勝手に思い込んでいたのだ。

 この異世界はそんな甘いものでは無かった、

 俺が元居た世界・地球と同じなのである。

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