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第378話 流れのままに

「シノブ団長、

あなたはエクスラント聖王国の忠実な騎士。

その貴女がポーラニア殿下の意思を汲み、

そして自分達、姫騎士団(プリンセスナイツ)も同行したいというのは…

これは聖王国が国家として認めたと同じ事でしょう。

異世界人である俺がそれを否定することなんて出来ませんよ。

こちらこそ、よろしくお願いします」


俺はシノブさんの発言に観念すると、

承諾の言葉を返した。


「やりましたわシノブ!

これでケイガお兄様とは魔界の底だろうとどこまでもですの!

わたくしとお兄様は一蓮托生ですわ!」


「殿下、私もケイガ兄様と共に出来て嬉しい限りです」


 魔界への同行を承諾した俺の言葉に歓喜するポーラ姫とシノブさん。


「わたしも兄様に同行出来て嬉しいですー」


「おにぎりいっぱい作って持っていきますね兄様」


「家族を守るために魔界でも諜報頑張りますわ兄様」


「このクレハ、兄様の槍として粉骨砕身の覚悟です」


「シダレ、魔界でも足の速さで兄様を助けるよ!」


「兄様、魔界だろうが世界の果てだろうがあたくしにお任せあれですわよ!」


「…兄様…私も頑張ります…」


続いて姫騎士団(プリンセスナイツ)

カエデ、モミジ、イチョウ、クレハ、シダレ、イロハ、ツツジも

一斉に俺に言葉を述べた。


「あ…ああ、皆も来てくれて心強いよ」


「「「きゃー兄様ー!!

私たち頑張りますー!!」」」


 姫騎士団(プリンセスナイツ)一同の黄色い声が俺に突き刺さった。

 うん、ポーラ姫とシノブさんの次は…こういう流れになるよね。


「あははっ、

ポーラもシノブも姫騎士団(プリンセスナイツ)の皆も

最初からケイガ兄君様(あにぎみさま)

一緒に付いていくつもりだったよね。

もちろん聖王国の頭脳と呼ばれる

宮廷魔術師のボクも同行するつもりだよ兄君様(あにぎみさま)!」


「ああ、ミリィ。頼りにしてるよ」


「そう来なくちゃだよケイガ兄君様(あにぎみさま)!」


 うん、知ってた。

 こうなることは。

 既視感(デジャブ)…以前にも似たような事があったからね!

 でもなあ、そもそも兄の俺に

 妹たちの好意を無下にする何てこと出来る訳が無いのだ。

 彼女たちがそう望むなら、俺は受け入れる迄である。


「…ちょっと待ちなよ兄者サマ。

アタシだけ仲間外れかい?

もちろんアタシも魔界に連れて行くよな?

それに魔界は生まれ故郷だから色々役に立つと思うぜ?」


 俺の一番新しい妹である獣人型(じゅうじんがた)魔族ヴィシルが俺に詰め寄って来た。


「いやしかし…君は…

俺たちは魔界に乗り込んで大魔王とその配下の魔族軍と戦う。

そうなれば大魔王の忠実な配下である

イルーラとその部下のエクゼヴ達とも戦う事になるだろう。

ヴィシルに旧来の仲間と戦ってほしいなんて…

俺には言えないよ」

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