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第377話 援護

「ケイガ兄様が憂慮される理由はわかります。

大魔王や魔界五軍将といった強大な力を持った高位魔族相手に戦うにあたり

周囲を構っている余裕は無い。

ポーラニア殿下の様なひ弱な小娘では戦いについてこれない!

はっきり言って足手まといだと!

そうおっしゃるりたい訳ですね」


 流石はシノブさん!

 俺が言えないことを平然と言ってのける!

 そこにしびれる憧れるっ!!


 いやいや…俺はひ弱とか小娘とか迄は全然言ってないからね!?

 と言うかシノブさんあなた、

 ポーラ姫を守る姫騎士団(プリンセスナイツ)の団長さんで姫に仕える騎士ですよね?

 ちょっと自分の(あるじ)に対して容赦が無さすぎる物言いなのでは?


「…うう、酷いですわお兄様…

確かにポーラはケイガお兄様たちに比べれば

非力では有りますけれど…

そんなにはっきり言わなくても…」


 ポーラ姫はそう言ってよよよと泣き崩れた。

 いやいや俺は何も言ってないからね!

 あなたに実際に酷いこと言ったのはシノブさんだからね!

 大体ひ弱とか小娘とかは俺は心にも思っても居ないからね!


「ち、違うポーラニア殿下!

俺はそんな事は言ってないから…」


 俺は泣いているポーラ姫を落ち着かせようと

 彼女の肩に手を伸ばす。


「手を引いて下さいケイガ兄様!

これは心配して近付いた兄様の胸の中に飛び込もうとする

姫様の術中(じゅっちゅう)の可能性があります故!」


 ええっーー!?

 俺はシノブさんの声に咄嗟に手を引き戻した。

 

「…シノブ…余計なことを…ですわ…」


 う、うわああーーーっ!?

 ポーラ姫、今…”余計な事”って言ったあああ!?

 俺は驚きの余り身体が硬直してしまった。

 既視感(デジャブ)…確かに前にもこんな事あったよね?


「それではポーラニア殿下、

冗談はこれまでにしておきましょうか。

本題に入りましょう」


「そうですわねシノブ」


「えっ?」


 急に平静さを取り戻して落ち着いて言葉を交わすふたり。

 どういうことなの…?


「私もケイガ兄様の妹の一人です。

妹として最愛の兄を助け、

その力になりたいという殿下のお気持ちは理解できるつもりです。

そして私を始め、姫騎士団(プリンセスナイツ)全員も

お兄様の力になりたいと思っています。


ですから、こういうことは如何でしょうかケイガ兄様?

私達もポーラニア殿下に同行して

兄様を援護する殿下の身を守るのです。

これならケイガ兄様も周囲を気にすることなく

魔族との戦いに集中することが出来ます。

殿下と私達姫騎士団(プリンセスナイツ)全員で

ケイガ兄様の援護をさせて頂きたいのです」


 シノブさんはポーラ姫の意見を尊重し、

 自分達も一緒に魔界へ同行するその旨を俺に述べた。

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