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第371話 同盟締結

「ディラム殿、

わたくしたちエクスラント聖王国と貴殿が所属される魔竜軍は、

共に大魔王を倒す目的の為に此処に同盟を締結いたします。

同盟の締結者が大魔王に与する他者から攻撃を受けて交戦に至った場合、

同盟者はこれを助けて参戦することを誓います。

また同盟の締結者に攻撃を仕掛けたものが

大魔王に与しない者であった場合でも、

同盟者は好意的中立もしくは参戦で持って協力することを誓います」


「ポーラニア殿下、

我ら魔竜軍も誓いましょう」


 二人は同盟の文言を自身の前に置かれた書簡に記載、

 最後に自分の魔力が込めた魔法印を捺印する。

 そして互いの書簡を交換した。


 有史初とされる人間と魔族の同盟はここにあっさりと締結された。

 これは人間側の俺たちよりも魔族側のディラムが何の抵抗も無く

 同盟の交渉手続きを淡々と進めていったことが大きい。

 彼の行動からして…

 もしかすると人間と魔族が仲が良かった500年前には、

 同盟もしくは同盟に準じたものが既に交わされていたのかも知れない。


 同盟が正式に締結され、国家クラス同士の会談は終わった。

 ただちに同盟の効力に基づいた、

 云わば現場の者同士での会談が開始された。

 つまり俺や優羽花(ゆうか)姫騎士団(プリンセスナイツ)団長シノブさんも交えてである。


「大魔王様は500年前に勇者に敗れた後…

魔界の奥底にある大魔王宮殿ゼノヴァパレスの更に奥、

常世ノ闇谷(とこよのくらだに)で復活の為の眠りについています。

大魔王宮殿と常世ノ闇谷(とこよのくらだに)

大魔王様の代言たる魔言将イルーラ様が支配されている地域です。

復活前に大魔王様を叩くのであればイルーラ様との戦いは避けられないでしょう。

その際は大魔王様が魔界に生まれ出た当初から目を付け、

力添えをしたという魔精将リリンシア様も黙っていないでしょう。


ガルヴァーヴ様の昔からの友人であられた

魔騎士将ベイファード様は我等と共に戦ってくださる可能性があります。

魔導将アポクリファル様に至っては大魔王様に与するか、

静観するか、我々に協力するか…今の状況では測りかねます。

つまり魔界に攻め入って大魔王様を倒すつもりなら、

少なくとも魔界五軍将のうちの御二方と

率いられている2つの魔軍は相手にしなければならないと言う事です」


 ディラムは持参した魔界の地図を広げて

 現在の魔界について俺たちに説明してくれた。


 ミリィ曰く、

 500年前の大戦終了時に人間界と魔界の間に精霊が結界を張って以来、

 人間側に魔界の情勢は一切わからず仕舞いだった。

 よってこれは大変貴重な情報であろう。


「すごい…すごいよぉ…」


 おお…知識欲の塊であるミリィが

 ディラムの発言の一句一句に目をキラキラと輝かせておられるぞ!

初投稿から一年になりました。

長らくお読み頂きありがとうございます。

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