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第37話 優羽花(ゆうか)の怒り

「ま、魔力数値600!? 何なの小娘は?」


 黒川がその目に掛けた見通しの眼鏡スカウターレンズが映し出した数値に驚きの声を上げる彼女。


「この世界の大魔法使いと同格であるワタシの魔力の三倍もの人間など居る訳が無い! これは何かの間違いよ! 見通しの眼鏡スカウターレンズの故障よッ!」


「…お兄をお前は、お前はッ!」


 優羽花ゆうか星剣せいけんを構えると黒川に向かって凄まじい速度で駆ける。

 黒川はゴウレムを一気に3体呼び出した。こいつは際限なくゴウレムを呼べるのか?

 優羽花は星剣を振るった。

 まずは1体目のゴウレムを真横に切り裂いて両断、2体目のゴウレムが拳を繰り出してきたのをその拳ごと縦一文字に切り捨てて、黒川を護るように立っていた3体目のゴウレムの胴に星剣を突き入れた。

 ぼおん! と音がして剣の突きの衝撃がゴウレムの全身に伝わってその土くれの身体を瞬く間に砂の欠片に帰した。


「何なのよこの力はっ!? このおッ!」


 黒川の足元がぼこお! と盛り上がり新たなゴウレムが出現しようとする。

 だが優羽花は星剣を下手に構えなおして地面に突き差し、ゴウレムがその形を成す前に只の砂に帰した。

 優羽花は星剣を持っていない左手で黒川の顔を容赦なく平手打ちにした。

 黒川はコマの様に回転しながらまるでバレーボールのレシーブを受けたボールの様に吹き飛んで地面に叩きつけられた。

 優羽花は地面から星剣を引き抜くと倒れ伏した黒川の元へと歩いていく。

 そして痛みにうめき声を上げる黒川に向けて星剣を振り上げた。


「がはっ…こ、小娘があッ!! 魔閃光マナフラッシュ!」


 鼻血を吹きながら黒川が手をかざすと周囲が閃光に包まれた。これは目くらましの魔法か?


「コア・ゴウレム!」


 優羽花が閃光魔法で目がくらんだ隙を見逃さず黒川は新たなゴウレムを呼び出した。

 今までのものとは違う赤色のゴウレム、その顔にあたる部分には一つの赤く光る宝玉がはめ込まれている。

 黒川はその赤いゴウレムに飛び乗ると、その赤い巨人は巨体に似つかわしくない凄まじい速度で駆けてこの場から一目散に逃亡を開始した。


「…逃がさない!」


 まだ視力が回復していないながらも、黒川の逃亡を感じた優羽花が音を頼りに後を追おうとする。

 その時、俺が掛けている見通しの眼鏡スカウターレンズに突然の反応、魔力数値100以上の反応が…一挙に30箇所も!?

 次の瞬間、無数の火球ファイアボウルが俺たちを襲った。

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