表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/579

第32話 奇襲

「お兄様、これはゴウレムという魔物です! ですがゴウレムは召喚主がいなくては姿を現わさない魔物のはずですわ!」


「なるほど、つまりは近くに召喚した奴も居るってことか」


 俺は着地するとポーラ姫と優羽花を下ろし、拳を構え戦闘態勢を整える。

 駆け寄って来たシノブ団長たち姫騎士団プリンセスナイツにふたりを任せると俺はゴウレムに向かって駆けた。

 ゴウレムの巨大な腕はリーチが長いがその動きは鈍重の様だ。

 俺はゴウレムが振り回した腕を屈めてかわすと、スライディングするようにその足元へ身を滑らせて足払いをかけた。

 上半身が大きいのに対してその足は小さくバランスが悪そうに見えたゴウレムは簡単に重心バランスを崩しその場に倒れ伏した。

 よし! 俺はゴウレムの真芯に攻撃をすべく技を練り上げる。

 だがそこへ見通しの眼鏡スカウターレンズに突然の反応! 魔力数値100! すると俺たちに向かって火の球が飛んできた。


「はああっ!」


 優羽花ゆうかが俺の前に立って手にした星剣せいけんでその火球を叩き斬った。


「兄君様、これは魔法による攻撃だね! 魔防壁マナウォール!」


 俺の側にやって来たミリィが杖をかざすと光の壁が展開して、続けて飛んできた火球を弾く。


 次々と迫り来る火球! しかし優羽花の斬撃とミリィの防御魔法でその全てを撃ち消していく。

 しかしこの攻撃はどこから来ているんだ? 俺は見通しの眼鏡を通して周囲を見渡す。

 何もない場所に魔力100の数値! …そこに僅かに人の気配?

 そこか! 俺は大地を蹴り上げると一気に跳んで、その魔力の反応がある空間を殴りつけた!


「ぐぎゃあああ!」


 悲鳴と共に空間からフードをかぶった一人の男が飛び出して地面をゴロゴロと転がった。

 何かの術で俺たちの目から見えないようにしていたのか?

 男は自身のマントを羽織ろうとする、するとマントが覆った部分からその姿が消えていく。

 なるほどそういう原理か!


「させるか!」


 俺は一気に間合いを詰めてそのマント男の胸倉を締め上げて行動不能にする。

 これでそのマントを使って隠れることは出来ないだろう。

 俺は男の顔を見た。何…こいつは…?


「アンタ…笹川係長か?」


 笹川は俺が務めていた会社で全ての失敗を押しつけてクビにした上司の取り巻きの一人である。

お読み頂きありがとうございました。良ろしければ、

ブックマークのクリック、(☆☆☆☆☆)のクリックで応援頂ければ嬉しいです。

ご感想もお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ