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第314話 この戦いが無事終わったら

地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・五の型・改二、流星雨(りゅうせいう)!」


 俺の両手のひらから放たれた気功波は散弾状になって

 流星の如く大魔王に降り注いだ。


「リュセウイウ!」


 ヒカリの両手のひらから俺と全く同じ気功波の散弾が大魔王に向けて放たれた。

 無数の気功光弾が大魔王の巨体を包み込む。

 大魔王はその巨大な両腕を盾代わりにして

 ”核”のある右胸を覆って再度、完全防御の構えを取った。

 そして俺とヒカリの広範囲波状攻撃を完全に遮断して見せる。

 やはり散弾では抜けないか。

 だが俺たちの放った無差別広範囲攻撃は土煙を巻き上げ

 大魔王の周囲を完全に覆い隠した。

 俺は土煙にまぎれて巨人の至近に跳んだ。

 ならば…その防御(ガード)を打ち崩すまで!


地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・三の型・金剛(こんごう)!」


 俺は両腕両足を気で覆って肉体強度を金剛(ダイヤモンド)並に引き上げると、

 防御(ガード)状態にある大魔王の左腕に拳と蹴りの怒涛の連打を浴びせた。


「コンゴウ!」


 ヒカリも両腕の肉体硬度を引き上げると

 大魔王の防御(ガード)状態の大魔王の右腕に拳と蹴りの猛連打を浴びせる。


 俺とヒカリの音速の拳が、蹴りが、

 大魔王の両腕に突き刺さる。

 防戦一方になる巨人。

 このまま押し切ってみせる!

 

 俺は横目でちらりとヒカリの様子を見る。

 やはりヒカリの戦い方は俺の格闘術を模倣(トレース)したものであると実感した。

 同じ師匠から同じ流派の武術を習い使っていたとしても…人はそれぞれ。

 個々にその動きに差異が出るものである。

 しかしヒカリのそれは俺と身体の捌き方が瓜二つ、

 更にヒカリ俺は性別、体格も違うのも手伝って

 本来は有り得ない事なのだ。


 しかしですねえヒカリさん…

 貴女の服ってええと、ワンピースって言うんですか?

 こんな白いぴらぴらした感じの服で激しく格闘なんてされると、

 そのお美しい長い腕とかおみ足が服から漏れ出てですね、

 童貞歴25年の俺の目にはたいそう毒でしてね!

 あとですね…

 貴女の大きなおっぱいがですね、

 身体が激しく動くたびにですね、

 ばいんばいんってなってましてね!

 何かもう、まろみ出そうなんですうううう!!

 

 俺は女性じゃないんで身体が服から漏れ出るとか

 そういう身体捌きは一切考慮してないんですよ!

 貴女は戦う為に身体の大きさを調整するって言いましたけど、

 服の調整もちゃんとしてくださいよ!

 そうじゃないと…服からまろみ出たおみあしとかおっぱいに!

 俺の兄としての心が破壊されちゃうでしょうああああああーー!!??

 兄は妹を性的な目で見てはいけないんですよ!

 そんな兄が居たらおかしいですよ、ヒカリさん!

 

 俺、この戦いが無事終わったら…

 ヒカリに格闘に見合ったった服にする様に言うんだ…。

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