第28話 新たな兄妹の契り
「あの、ポーラ姫。何だか…期待させてしまったみたいで、その、貴女のお兄さんにただ似ていたばかりに誤解を招いてしまったみたいで、ごめん」
「そんな! ケイガ様は何も悪くはありませんわ! わたくしが勝手に思い込んだだけですの…ケイガ様はお優しいですのね。
それに、いつもわたくしの顔をいつもまっすぐ見て下さるのですね。
わたくしは第一王女という事もあって、皆は恐縮してわたくしに目線を合わせません。
男性ではファイズお兄様、弟のイクシアに父王ぐらいでしたから、わたくしとても嬉しかったです」
いやそれは貴女のおっぱいから必死に視線を逸らそうとした結果なんですよ…とはとても言えない。
「はあ…ファイズお兄様はもう居ないと、わたくしも認める時なのですね…」
ポーラ姫はそう言うと、俺からロケットを受け取りそのチェーンを首にかけて胸の中にロケットをしまった。
いやちょっと待って!
今またしてもおっぱい見えたよね!
アニメみたいな凄い谷間だったね!
何でそんなに無防備なの?
25歳童貞の俺を殺す気なの!?
「あの、ケイガ様。わたくし貴方がファイズお兄様の転生とか言ってしまい本当に申し訳ございませんでした。
ケイガ様とファイズお兄様は別人、わたくしはそう理解しました。
ですから、わたくしはここに、ケイガ様と新たな兄妹の契りを交わしたいと思います」
ん? 今この金髪美少女巨乳お姫様何か変なこと言わなかった?
俺はその言葉に頭が理解が追い付かない。
「ケイガ様とファイズお兄様の顔が瓜二つなのは、最愛の兄を失ってからずっと傷心中だったわたくしに新たな兄を引き合わせたファイズお兄様の導きとわたくしは思いますの。
ですからわたくしはこれからケイガ様のことを新たな兄として受け入れて、お兄様とお呼びしたく思います」
んー? んんー??
何を言っているのか…わからない。
俺は助け船を求めてミリィを見た。
「…まあ、ポーラには殿下に替わる新しい兄が必要だろうからね。これは仕方がないかな」
えっミリィさんコレ仕方ないの?
何かおかしくないですか貴女の従妹さん!?
で、でも優羽花なら…優羽花ならこの意味不明の兄妹の契り宣言を止めてくれる…。
俺はそう期待を込めて優羽花を見た。
「あたしも…もしお兄が居なくなったと思うと…ポーラさんとても辛かったよね…。だからポーラさん、お兄の事、そう呼んでもいいよ」
ええっー!?
優羽花サンッ!納得しちゃうの??
「あの…ケイガ様、お兄様と呼んでは…ダメでしょうか?」
ああっーー!?
金髪美少女巨乳お姫様が俺に上目遣いで!
いじらしく両手を合わせて祈る様に!
頬を赤らめながらお願いしているのおおおおーーー!!
こんなの断れるわけ無いだろいい加減にしろ!!
「ああ、わかったよ。構わないよポーラ姫」
俺の言葉に、ぱあと表情を輝かせて笑顔を見せるポーラ姫。
プリンセススマイル超まぶしいですね!
ああ…もうどうにでもなれー。
「それではお兄様、わたくしのことはポーラとお呼びくださいね。姫なんて呼び方、妹に対しておかしいですわ」
「うん、そうだね。じゃあポーラ…これからよろしく」
俺はもう自分で何を言っているのかよくわからなくなっていた。
それに何でさっきからイケメン気味に受け答えしているんだ俺は。
ああ、これはきっと誰かに操作されているんだ…。
これは俺の意思じゃない。
俺は悪くない。
「ならポーラの従姉であるボクも当然、ケイガの妹だよね! ポーラ共々よろしく頼むよ! 兄君様!」
いやちょっと待ってミリィさん!
そんなスナック菓子を食べるような軽いノリでボクも当然妹だよね!とか言わないで!
俺にも新たな妹を受け入れる心の準備とかそういうものがですね!
ああーもう良いですよーこうなったらどんとこい!
「ああ、よろしくミリィ」
「あたしもお兄の妹同士これからよろしくね! ポーラさん、ミリィさん」
拝啓。
父さん。母さん。そしてもう一人の愛しい我が妹、静里菜さん。
異世界に行ったら妹が増えました。
二人も。
一体どうすれば良いのでしょうか?
お読み頂きありがとうございました。
良ろしければ
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