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第24話 シスター×シスター

「ぐおおおおおーーー!! …この魔騎士ディラムが…負け…ると…は…」


 どごおん!と光の大爆発が起きて魔族ディラムの身体は完全に消え去った。


「…お兄!大丈夫なの!」


 優羽花ゆうかが心配そうな顔で俺に駆け寄ってきた。

 その手に持った星剣から光が霧散して剣が元の形に戻る。

 そして優羽花の魔力数値も250に戻っていた。


「ああ、大丈夫だ。しかし優羽花は凄いな、あのディラムとかいう凄い奴を倒してしまうなんてな。

それに引き換え俺は…優羽花を護るって言ったのに情けない奴だよ」


「そんなこと無い! お兄は全然情けなくないから!」



「ああ…これは魔族の魔力でやられたのですね。これは酷いケガです…」


 突然、俺と優羽花に西洋のシスター風の衣装を着た女性が話しかけてきた。

 彼女の後ろに大きな杖を持った少女と完全武装の女性騎士たちが控えている。


「腕を診せてくださいませ」


「痛っ…」


 彼女は俺の腕を手に取った。俺は痛みに耐えきれず声を漏らしてしまった。

 ディラムの技を喰らってから腕が全く動かないのだ。

 地ノ宮流気士術四の型、瞑想めいそうを使い回復を図っているのだが、いっこうに治る兆しが見えない。


「魔族の闇の魔力で傷を受けると回復を阻害されるのです。

これに対して傷を癒すには光の力の回復魔法で癒す必要がありますわ。

光回復ライトヒーリング!」


 おお、みるみると腕の痛みが引いて楽になって来たぞ。

 なるほど光の力が魔族の闇の力に対抗できるという事か。

 優羽花の星剣が光の刃を展開したのも魔族に対する光の力という事なのか?

 ディラムが俺の時と同じように分離して攻撃を躱さなかったのも光の力の影響か?

 俺は光の力についてあれこれ考えを巡らせていると腕が動かせるようになったことに気付いた。

 こんなに早く回復するものなのか? これは”瞑想めいそう”よりも回復する時間がかなり早い。

 これは凄い、回復魔法凄い、異世界凄い!

 そして何より、このシスターさんのおっぱい凄いでっかい!

 これは極秘事項なのだが俺は何を隠そうおっぱい星人なのである。

 このことは妹たちにも気取られてはいない。何故なら妹たちはおっぱい控えめなので俺のおっぱいセンサーは一切反応しないからだ。

 もしバレてしまおうものなら優羽花からはゴミを見るような眼で蔑まれること請け合いである。

 俺はシスターさんの大きなおっぱいから必死に目を反らすと彼女の顔を真正面から見据えた。よし、これなら俺がおっぱい星人と気取られはしないだろう。

 上品で可憐な顔立ちに、髪はゆるやかなウェーブがかった金髪で瞳は青く輝く碧眼へきがん…こんな金髪美少女、漫画やアニメでしか見たこと無い気がするぞ。


「これで傷は治ったと思いますが…如何でしょうか?」


「もう腕はすっかり動かせます、ありがとうございます。俺は鳴鐘なるがね 慧河けいがと言います」


「お兄のケガを治してくれてありがとう、あたしは慧河の妹の鳴鐘 優羽花です」


「えっと…失礼ですが貴女はどちら様でしょうか? 良ければ名前を聞かせて欲しいのですが」


 俺は腕を治してくれたシスターさんの名前を聞いてみた。するとシスターさんの目から急に涙が流れ出た。

 えっ? 俺何か失礼なことしましたか…?

 突然の事態に俺が凍り付いているとシスターさんは俺の目をまっすぐ見つめてその艶やかな唇を開いた。


「…わかりませんかお兄様! わたくしは妹のポーラです! もう18歳になりました! お兄様あ! 会いたかった!」


 謎の金髪美少女はそう叫ぶと俺の胸に飛び込んできた。

お読み頂きありがとうございました。良ろしければ、

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