第230話 違う箇所
優羽花の助けを完全に断たれて絶望する俺。
俺は未練がましくも優羽花に視線を注ぐが、
彼女は自身の前に立つ幼い少女に意識を全集中しており、
俺の視線に全く気付こうとしない。
ああ…優羽花…。
俺は無意味と解りながらも妹歴16年の我が妹の方向へと手を伸ばした。
しかし俺の手は目の前のポーラ姫のたおやかな両手に握られてしまった。
「…お兄様…
何処をみてますの…?
今は、目の前のわたくしだけを見て…」
ポーラ姫はその手に取った俺の手を俺の身体の真横に収めると、
自身の両手を再び俺の胸へと這わした。
この国を治める聖王女のやんごとなき指先が俺の身体の上で舞い踊る。
「…兄君様…
よそ見なんて感心しないよ…?
ふふ…ボクのことも、ちゃんと見てよね…」
この国の公爵であり魔法学者であるミリィの
全てを知ろうとする賢者の指先が、
俺の身体の上を貪欲に探る様に進んでいく。
「ああ…ちょっ…ふたり…とも…」
俺はエクスラント聖王国の至高の存在である
ふたりの美少女の動きに思わず言葉を漏らしてしまう。
このままでは俺の兄としての尊厳が…
そして男としても…
何もかも失ってしまう…。
「へえ…ケイガ兄君様は
一見細身に見えるけれど…
実際触って見ると、
硬くて…逞しい身体なんだね…」
「ふふっ、そうでしょう?
ミリィお姉様…。
お兄様は着やせするタイプなのかもですわ…」
ポーラ姫とミリィは
俺の両手を俺の胸の上に乗せて少しづつ動かしながら
魔力心臓核の箇所を捜索している。
その筈なんだが…
何で互いに俺の身体の感触の感想し合ってしているんですかあ!?
「ふうん…男性の身体って…
こうなっているんだ…」
「ふふっ…
素敵ですわ…
お兄様…」
…ちょっ!?
ふたりとも?
何だか息が上がっていませんか?
頬も赤く染まって来て…
何だか、ふたりの表情が
だんだん艶っぽくなってきた様な気が…?
「ポーラ、ミリィ…
こ、これ以上は…
俺の上で…動かないでくれないか…?
そ、その…
くすぐったいからさあ!?」
「ですが…
お兄様の魔力心臓核…
まだ見つかりませんの…」
「うーん…
おかしいなあ…
これだけ探しても見つからないなんて…」
「はあ…はあ…
ポーラ…ミリィ…
此処は一度切り上げて…
や休まないか…?
お、俺は…もう…」
俺はふたりの柔らかな指先の動きから来る
快楽の波に身を悶えさせながら
彼女たちに休憩を促した。
ふたりとも結構長い時間を
両手を動かして、かなり疲れている筈である。
そして何より…俺がこれ以上、
ふたりの指が織りなす快楽に耐えられそうもない。
一度休んで快楽に対する耐久値を回復したいです…。
「…ミリィお姉様…
もしかするとお兄様の魔力心臓核は
胸以外の箇所ではないでしょうか?」
「…なるほど、その可能性はあるね」
「それではお兄様…
場所を変えますね…
失礼します…」
「!?」
ポーラ姫の手が俺の胸部から下へと移動して、
俺の腹部に触れた。




