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第225話 魔力心臓核

「まあ…ユウカも色々と大変なんだね…」


 ヒカリに向かって泣き叫びながら

 抗議の声を上げる優羽花(ゆうか)の様子を

 呆然とした様子で見ながら言葉を述べるミリィ。


 優羽花(ゆうか)は光の精霊ヒカリに召喚された、

 この世界エゾン・レイギスを救うとされる異世界の光の勇者である。

 そんな彼女が幼い少女相手に”おねえちゃん”と呼ばれないことに

 一心不乱に嘆いている様子を見せられては驚くしか無いだろう。

 …兄歴16年の俺だってちょっと引いているからなあ。


「済まないなミリィ。

手間を掛けるけど、

優羽花(ゆうか)に対しての魔法講義に関しては、

あいつが落ち着いた時にまた頼むよ。

今はしばらくそっとしておいてやってくれ」


「ああ、それが良さそうだね。

…それじゃあ、兄君様(あにぎみさま)

魔法の講義を再開しようか?」


「ああ、よろしく頼むよミリィ」


 俺は自分の席に着席した。

 ミリィも教壇に着く。

 ミリィ先生の魔法講義再開である。


「生き物にはそれぞれ魔力の源である

魔力心臓核(マナハートコア)』というものがあるんだ。

魔法を使うにはまずは自身のコアを認識して魔力の流れを掴む必要があるのさ」


「へえ…魔力心臓核(マナハートコア)という単語から想像するに、

それは心臓の部分にあるのか?」


「心臓の単語が冠されてはいるけれど、

身体の器官の心臓とは別の箇所になるね。

基本的にはその生き物の”真芯(ましん)”にあると言われている。

だから生き物の個体差、

人間の個人差によってその箇所はまちまちなんだ」


「なるほどなあ…。

それじゃあミリィ、俺の場合だと、

魔力心臓核(マナハートコア)の部分は大体どこになるんだい?

真芯(ましん)つまり身体の中心というなら、

胸の中心の箇所になるのかな?」


「そもそも魔力心臓核(マナハートコア)

身体の器官という訳では無いからね。

どちらかと言えば、概念に近いものになるんだ。

だから人によって個人差があるから一概には言えないかな?」


「それじゃあまずは、

自身の魔力心臓核(マナハートコア)の箇所を探すことから

始めることになるのか?」


「自分で魔力心臓核(マナハートコア)を探すのも一つの方法ではある。

でも魔力というものがよくわかっていない状態で、

魔力の流れの元である魔力心臓核(マナハートコア)を認識するのは実は相当難しいんだ。

…下手するとそれだけで何年もかかってしまうかもしれない程にね。

でも自分の魔力心臓核(マナハートコア)を認識する目的は

魔法を修得する為だよね?

その最初の過程で多大な時間を要するのは宜しくない。

そこで人間は魔法を習得する上での、

最初の過程の時間を大幅に短縮する方法を編み出したんだ。

その方法は実に簡単だ。

既に魔法を使える者に魔力心臓核(マナハートコア)の箇所を探して貰うんだよ」


お読み頂きありがとうございました。


総合評価300ptありがとうございます。

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