表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

189/579

第189話 同期(シンクロ)

”つんつん”って…ポーラさんっ、言い方!

ミリィの”ぷにぷに”もそうですけど、

男としての劣情(れつじょう)を随分と煽られますね!


だが兄としては妹に望まれては答えるしかない。

手にした鉛筆の柄の部分をポーラ姫へと向けた。

俺は既視感(デジャブ)を感じた。


「よし…いくぞポーラ」


 俺はそっと金髪巨乳お姫様の頬に鉛筆を突き入れた。

 その柔らかな頬がほんのちょっとへこんだ。


「…あの、お兄様?

ちょっと”つんつん”が弱い様に思うのですけれど…?


「いや、だってさあ…」

 

 俺はこれ以上鉛筆をポーラ姫の頬に突き入れるのをためらってしまい、

 手の動きを停めてしまった。


「ケイガお兄様は、

ミリィお姉様にはもっと強く”つんつん”をしていたじゃありませんか!?

わたくしも、お兄様の妹ですのに…

ミリィお姉様だけズルイです!

わたくしにもお姉様みたいに、もっと強く”つんつん”をしてください!

ポーラ、お兄様の力強い”つんつん”が欲しいですの!」


 俺は再び強烈な既視感(デジャブ)を感じた。

 ミリィの従妹ということでその思考も似ているという事だろうか?

 それとも従姉妹の同期(シンクロ)というべきであろうか?


「いや…あの…そのなあ…?

ポーラはこのエクスラント聖王国の『聖王女』で、言わばこの国の顔。

国内、国外の要人との交流なんかもあるだろう。

そんな一国に取って重要な人物であるポーラの頬に

鉛筆を突き立てるなんて真似はしてはいけないと俺は思うんだが…?

俺がこの国の政治に悪影響を与える訳にはいかないだろう?」


「お兄様、お気遣い感謝します。

…ですが、ご心配は無用ですわ。

わたくしの顔、結構頑丈ですのよ?

それに万が一があったとしても回復魔法ですぐに治りますわ」


 俺はポーラ姫がミリィの激しいツッコミを受けて、

 顔からずざーと地面を滑ったあとに平然としているのを思い出した。

 なるほど…

 この世界エゾン・レイギスでは

 個の持つ魔力数値の高さはそのまま肉体の強さに直結すると

 ミリィが講義で説明していたが、

 ポーラ姫の魔力数値190というのは伊達では無いという事か。

 しかしいざとなれば回復魔法とかポーラ姫は見た目に寄らず、

 結構豪快な思考の持ち主だなあと俺は思った。

 これが一国の長としての心持ちといった所だろうか?


「…ですから、お兄様。

ご遠慮なさらずに、ポーラに思いっきり”つんつん”をお願い致しますわ」


「ああ、それなら…

少し強くするから、

痛かったらすぐに言うんだよ?」


「はい…お兄様…

それでは…どうぞ…」


「それじゃあ…行くぞ、ポーラ!」


 俺は改めて鉛筆の芯の無いほうをポーラ姫に向ける。

 そして現在の聖王国の実質の長である『聖王女』の

 清楚可憐な頬に勢いよく突き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ