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第137話 顕現

「…なぁにこれぇ!?」


 俺は余りに突然な事態に思わず、

 素っ頓狂な声を上げてしまった。

 いやだって、俺の身体に掛けられた布団の股間の部分が

 いきなりムクムクと膨れ上がって…

 子供ひとりの大きさにまでになったんですよ。

 えっ、もしかして俺?

 ポーラ姫の艶っぽい寝言に興奮して、

 俺の股間の分身をこんなにも大きく昂ぶらせたんです?


 …そんな訳あるかあっ!!


 俺は心の中で自分に盛大にツッコミを入れる。

 大体俺の股間の分身は、

 100%中の100%であっても此処まで大きくなる訳が無いのである。

 子供ひとりの大きさとか…俺は人間を辞めた覚えはないのだ。

 俺は冷静に事態を分析する。

 そしてこの謎の現象を目視で確認すべく、

 自分の身体を覆う布団をひっぺがえした。


 そこには髪から着ている服まで真っ白の一人の幼い少女がうずくまっていた。


「…光の精霊じゃないか!?

どうして此処に居るんだ?」


「んー、ケイガおにいちゃん。

わたしはおにいちゃんが

やみのせいれいにおそわれないように

ちゃんとみはるといった。

だからこれからはずっと、

おにいちゃんのそばでみはる。

せいれいのことばにうそはない」


「ええっー!?

ちょっと待ってくれ光の精霊?

闇の精霊を監視するというのは

俺はてっきり…

人知を超えた精霊の超常的な力で

空間を超えて常時自動監視とかじゃないのか?

普通に人力でリアルで手動で監視する方法なんです?」


「やみのせいれいは

わたしとどうかくのちからをもつせいれい。

けっしてあなどってはならない。

ことなるくうかんからのじどうかんしのほうほうでは、

まずだしぬかれてしまう。

だからわたしはかくじつなほうほうをせんたくした。

やみのせいれいがどんなにさくをこうじても、

もくてきがおにいちゃんであるいじょう、

さいごはかならずおにいちゃんにあいにくる。

だからわたしはつねにおにいちゃんのそばにいることにした」


「そうなのか…」


「ケイガおにいちゃん…ぽかんとしてる?

おどろいてる?」


「あ、ああ…

俺は光の精霊が俺の元に来るという事態は全く想定していなかった。

だから普通に驚いたよ」


「めいわく?」


「そんなことはないさ。

感謝こそすれ迷惑なんてこれっぽっちも無いよ。

光の精霊が側に居てくれるなんて百人力、いや千人…万人力じゃあないか!

…でも前に、光の精霊は『光の神殿』からは離れられないとか言ってなかったか?

そのことは大丈夫なのか?」


「ん、だいじょうぶ。

ちゃんときょかはもらっている。

もんだいない」


「そっか、なら…ありがとう光の精霊。

これからよろしくな」


「んー、これからはおにいちゃんのためにがんばる」


 光の精霊は俺の言葉に力強く答えると、

 その見た目通りの子供らしい無邪気な笑顔を見せた。

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