第136話 無罪放免
俺はミリィから、ふたりと同衾する事になった理由を聞き終えると
ほっと胸を撫でおろした。
全ては俺が眠った後に起きた出来事であった。
俺の意思と行動が介入す余地は一切無かった。
俺はふたりとナニも無かった。
俺はナニもしていない。
俺は悪くない。
俺は無罪放免である。
万が一…いや億が一の可能性では有ったが、
俺が妹たちの度重なる性的な攻撃で性欲を持て余したあまり、
無意識状態でふたりを無理やり…
などと言う事は、全く決して、
これっぽっちも無かったのである。
「真っ先に兄君様のベッドに入ったのはポーラだからね!
だからボクは悪くないよ!
…と言いたいけれど、
ボクもつられて一緒に寝てしまったから
当然ながら非があるよね…。
あげく寝ぼけてしまって、
起き抜けに兄君様の顔があるから
これは夢だと思い込んでこの有様だよ…。
うう…穴が有ったら入りたいよ…」
頭を抱えて気落ちするミリィ。
俺はそんな彼女の頭を優しく撫でながら言葉をかける。
「ははっ、
人間寝ぼけてそういうこともあるさ。
そんなに気にしなくて良いぞ。
俺は全然気にしていないからな」
「兄君様…。
ありがとう」
ミリィは俺の言葉に感謝と安堵の笑顔を見せた。
これはミリィへの慰めの言葉と同時に、
俺自身への慰めの言葉でもある。
何しろほんの少し前に俺はミリィとほぼ同じことをしでかしたのだ。
今のミリィの振りは先程の我が振りというべきだろう。
人の振り見て我が振りも直せ…。
俺も今後は二度と同じ轍を踏まない様にしなければならないのである。
「…すやすや…」
そう決意を固める俺の右隣で、
ポーラ姫が寝息を立てながら気持ちよさげに眠っている。
「うーん…
ボクの話は結構騒がしかったと思うけど、
ポーラは全然起きないよね…。
さすがは第一王位継承権を持つ聖王女殿下、
これぐらいの事では全く動じない貫禄といったところなのかな?」
「…あン…お兄様あ…ミリィお姉様が見てますから…ダメぇ…」
お、おおう…?
またしてもすごく艶っぽい寝言を漏らすポーラ姫である。
「…ケイガ兄君様。
我が愚妹が粗相が無くて申し訳ない…。
何しろ眠る前にポーラはそんな話をしていたから、
それに類した内容の夢を見ているんだろうね…」
う、うん…?
そんな話…??
ポーラ姫の夢の中の俺は一体ナニをしているんですかねぇ…?
その時…俺を覆う布団の股間の箇所が突如ムクムクと膨れ上がった。




