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第127話 お姫様なら俺の隣で寝てるよ

 …ナンデ!? ポーラ姫ナンデ!?


 俺は自分の真横で眠っているポーラ姫の姿に仰天し、心の中で絶叫した。


 な、何故だ…俺は一人で眠っていた筈なのに…。


「…あン…ケイガお兄様…とてもたくましいですわ…」


 何故か意味ありげな寝言をつぶやくポーラ姫。

 いやいやいや…俺は何もしてませんからね?

 …何もしてないよね俺?


 とりあえず落ち着いて今の状況の確認をしなくては。

 このままポーラ姫の寝顔を見たままでは冷静になろうはずは無い。

 俺は彼女に背を向けると身体の向きを反転させて左横側に視線を移した。

 よし、そこには誰も居ないから大丈夫…

 と思いきや、長い耳のハーフエルフの美少女がすやすやと眠って居てですね…。


 …ナンデ!? ミリィサンナンデ!?


 俺は自分の真横で眠っているミリィの姿に仰天し、またしても心の中で絶叫した。


 な、なんで…?

 俺の両脇でポーラ姫とミリィが寝ているんだ…??

 ど、どうしてこんなことに…?


 俺は身体の向きを最初の位置、すなわち天井のシャンデリアへと向けた。

 煌びやかかつ繊細な造形で作られており、流石は王宮のものだなあ…。

 俺はシャンデリアを作ったであろう職人の腕に感心した。

 よし、心が落ち着いてきたぞ…俺は今の状況を整理する。


 俺は確かに一人でベッドに入り、眠りについた筈なのである。

 つまり…俺が眠りに落ちたあとに『何かがあった』ということである。


 俺は25歳童貞である。

 見目麗しい美少女をふたりもベッドに引き込んで同衾(どうきん)などする訳が無い。

 そもそもポーラ姫とミリィは俺の愛しい妹たち。

 幼い子供であればならいざ知らず、

 いい年頃の兄と妹がベッドを共にするなど俺の兄妹倫理から逸脱している。

 だからこれは、俺の意思で行った事では無いと言うことだ。

 つまり俺は悪くない。

 …が、万が一と言うこともあろう。


 俺はポーラ姫とミリィと同じベッドで眠って居ただけであり

 ふたりとは『ナニも無かった』ことを確認しなければならない。

 それはつまり、彼女たちに直接聞くしかないだろう。

 ポーラ姫とミリィ。

 ふたりのどちらに昨晩ナニがあったかを聞くべきだろうか?

 …いやナニもしてないんですよ?

 あくまでも確認なんですからね!

 何もやましいことは無いんだからね!!


 俺はまず右隣で眠っている麗しい金髪巨乳お姫様、ポーラ姫を見やった。


 うおおおおーー!!

 その着ているゴージャスな寝巻の胸元が開いて!

 大きなおっぱいがまろみ出そうになってるううううーー!!


 …だ、駄目だ!

 俺はおっぱい星人!

 このまま彼女を見続けていては、

 そのおっぱいに意識を全て持っていかれてしまうっ!

 妹に性的興奮を覚えてはいけないって俺は常に言っているでしょうがあッーー!!


 この状態で彼女から冷静に話を聞く事など出来るわけが無い。

 最悪、俺の兄としての心が破壊されてしまうかもしれない。

 俺はポーラ姫に話を聞くことを断念した。

 そして彼女に背を向けると、反対の左横で眠っているミリィへと視線を移す。


 よし、流石はハーフエルフというべきだろうか。

 スレンダーに整ったカラダである。

 おっぱいがまろみ出る危険など一切無い。

 これなら俺は安心して自分の潔白を彼女から聞くことが出来るだろう。


 俺はミリィの肩に手を乗せると、彼女を揺り起こしながら声を掛けた。


「ミリィ…寝ているところ悪いけど…ちょっと起きてくれないかな?」

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